141 / 147
最終章 一度目のその先へ
束の間の安息
しおりを挟む
「ユアン、今のは」
「あぁ、多分僕の知る一番大きな揺れだ」
前の人生で馬車の中で感じた大きな揺れ。
そして燃えあがる屋敷と港街。
この揺れで失われたたくさんの命。
だが今その揺れが過ぎたが、自分の周りには沢山の人達が、怪我一つせず集まっている。
屋敷の明かりはすでに魔法石に替えてはいるが、されに念には念を入れ、全ての火を使う作業は今日は禁じているので、火事になる心配はない。
「次に来る揺れは今ほどではなかった、でも僕が知ってる範囲だから、まだ油断はできないけど」
それでも一番恐れは揺れは乗り切っただろう。
『城と教会は問題ない』
『魔法学園も問題ない』
アレクとアスタからユアンに魔法石を通じて連絡が入ってくる。
それを聞いてさらに、ホッと胸を撫でおろす。
「キールそっちの様子はどうだ?」
『あぁ、少し崩壊した建物やボヤ騒ぎはあったが、思ったより被害は出てないと思う、まだ街に残っていた連中も今の揺れで、急いで避難し始めてる』
眼下に広がる市街地を見渡す。
所々で砂煙と少し細い黒煙が昇っているのが見えたが、それもすでに鎮火されているようだった。これなら大きな火災につながることはないだろう。
とたんに、グッと胸が詰まった。
「ユアン」
無言のままメアリーをただ抱きしめる。
生きている。抱きしめられる。
「……──」
あの日見た光景はもうここには訪れない。
大勢の人が亡くなることも、そして大切な人たちも、みんな生きている。
あの禍々しい炎の色ではなく、綺麗な夕焼けが市街地を染め上げていく。
「?」
未来が変わったことをようやく実感した瞬間、こぼれそうになった笑顔が凍り付いた。
いつもなら夕焼けが海に反射してキラキラと宝石のように煌めくはずなのに、そこにはキラキラ輝く海はなかった。街の入り江は全く光を反射させず、遠くの海さえまるで夜のとばりが下りたかのように黒ずんで見えた。
「ねぇ、メアリー今って引き潮の時期だったっけ」
震えたような声音にメアリーも海の異変に気がつく。
「おかしいわ、ユアン。入り江の船、横倒しになってるものがあるわ」
地震で建物が倒壊することがあっても、海に浮かんでいる船があんな風に倒れているのはおかしい。
「キール、海に異常はないか!?」
問いかけと同時にその音声が飛び込んできた。
『キール殿! 海の水がずっと奥まで干上がっています!』
兵士がキールに報告する声が聞こえた。
「──!」
嫌な予感がユアンの胸に広がる。
「メアリー。僕キールのところにいってくる」
しかしメアリーはユアンの手を離さなかった。
「メアリー……」
「いかないでユアン……」
若草色の瞳が揺れる。メアリーも良くないことが起きていると感じたのだろう。
「おい! 海を見ろ!」
その時誰かが叫んだ。
それと同時に、ざわざわと人々が騒ぎ出す。
夕日が沈むにはまだ早い、なのに夕日はすでに黒い海に飲み込まれそうなほど近くまで降りてきている。
そしてその光を一切映し出さない海もまた。なんとも不気味に映った。
「──津波だ」
年老いた老婆がぼそりと呟いた。
ユアンがハッとした表情をした。
貿易船で色々な国をまわっていた時その言葉を聞いたことがあった。
そこは小さな島国で、大きな揺れがあると海の波が陸まで上がってくるのだと言う。
それは軽く小さな家を飲み込むぐらいの大きな波だと。
「津波だって……」
あれがどのくらいの大きさの津波なのかは見当がつかなかった。でも貿易船の上で何度も激しい嵐に会った時でさえ、あんな、地平線の位置を変えてしまうほどの大波は見たことがない。
ここは結構な高台なのでたぶん大丈夫だろう。
でも麦畑に避難した人々は? 市街地にまぁ残っているキールやクリスは?
『麦畑じゃダメだ! 上に、もっと高い場所に避難させろ!』
魔法石からキールの指示する声が聞こえた。
(ようやくここまでたどり着いたのに……)
ユアンを掴んで離さないメアリーのぬくもりを感じながら、怒りに似た感情が沸き上がる。
(一度は終わった人生を再びやり直し、メアリーを振り向かせ仲間たちと一緒に街を火災から守れたと思ったのに……)
メアリーのユアンの腕を掴む手に力がはいる。
「ユアン」
メアリーの瞳が不安で揺れている。
「ユアン、お願いだから……」
しかしユアンは震えるメアリーの手首をつかむと、そっと自分の腕から離した。
「メアリーはルナや母さんたちとここを守って」
メアリーが駄々をこねるように首を横に振る。
「それと、このことを放送で流して、麦畑に避難している街の人達に、もっと高いところまであがるよう伝えて欲しい」
「ユアンも一緒に」
「だめだ! 街にはキールやクリス、それに今回作戦に協力してくれた兵士や魔法師たちがまだたくさん残っているんだ」
自分だけ逃げるわけにはいかない。
「ユアン一人が行って何ができるのよ! お願い行かないで……一人にしないって約束したじゃない!」
我儘なんて一度も言ったことのないメアリーが叫ぶ。
ユアンが言葉に詰まる。それでも優しくメアリーの頭に手を置くと。
「途中の魔法学園にはまだ沢山の風魔法を詰めた魔法石があるんだ。だからそれを丘の途中の人達に渡してくる、もしその後街まで降りるのが危険だと思ったらその時は引き返してくるから」
メアリーのお願いを断ったのは、後にも先にも初めてのことだろう。そしてこんなにはっきりと嘘を吐くのも。
「本当に、約束よ。危ないと思ったら、すぐ引き返してきて」
ちょうどその時、ルナとクレセントそして母親がレオンを抱っこして二人のもとに駆け寄って来た。
「お兄様、街が……」
「ユアン、いったいなにが起きてるの?」
「レオン」
ユアンはレオン母親から受け取ると、愛おしそうにおでこにキスをする。
「お兄様……」
「母さん、ここのみんなを落ち着かせて下さい。そしてルナ、メアリーとレオンを頼んだよ。クリスは僕がきっと連れて帰るから」
「お兄様、待って!」
「風魔法”疾走”」
しかしルナの呼びかけもむなしく、ユアンの姿は目の前から風のように消え失せたのだった。
「あぁ、多分僕の知る一番大きな揺れだ」
前の人生で馬車の中で感じた大きな揺れ。
そして燃えあがる屋敷と港街。
この揺れで失われたたくさんの命。
だが今その揺れが過ぎたが、自分の周りには沢山の人達が、怪我一つせず集まっている。
屋敷の明かりはすでに魔法石に替えてはいるが、されに念には念を入れ、全ての火を使う作業は今日は禁じているので、火事になる心配はない。
「次に来る揺れは今ほどではなかった、でも僕が知ってる範囲だから、まだ油断はできないけど」
それでも一番恐れは揺れは乗り切っただろう。
『城と教会は問題ない』
『魔法学園も問題ない』
アレクとアスタからユアンに魔法石を通じて連絡が入ってくる。
それを聞いてさらに、ホッと胸を撫でおろす。
「キールそっちの様子はどうだ?」
『あぁ、少し崩壊した建物やボヤ騒ぎはあったが、思ったより被害は出てないと思う、まだ街に残っていた連中も今の揺れで、急いで避難し始めてる』
眼下に広がる市街地を見渡す。
所々で砂煙と少し細い黒煙が昇っているのが見えたが、それもすでに鎮火されているようだった。これなら大きな火災につながることはないだろう。
とたんに、グッと胸が詰まった。
「ユアン」
無言のままメアリーをただ抱きしめる。
生きている。抱きしめられる。
「……──」
あの日見た光景はもうここには訪れない。
大勢の人が亡くなることも、そして大切な人たちも、みんな生きている。
あの禍々しい炎の色ではなく、綺麗な夕焼けが市街地を染め上げていく。
「?」
未来が変わったことをようやく実感した瞬間、こぼれそうになった笑顔が凍り付いた。
いつもなら夕焼けが海に反射してキラキラと宝石のように煌めくはずなのに、そこにはキラキラ輝く海はなかった。街の入り江は全く光を反射させず、遠くの海さえまるで夜のとばりが下りたかのように黒ずんで見えた。
「ねぇ、メアリー今って引き潮の時期だったっけ」
震えたような声音にメアリーも海の異変に気がつく。
「おかしいわ、ユアン。入り江の船、横倒しになってるものがあるわ」
地震で建物が倒壊することがあっても、海に浮かんでいる船があんな風に倒れているのはおかしい。
「キール、海に異常はないか!?」
問いかけと同時にその音声が飛び込んできた。
『キール殿! 海の水がずっと奥まで干上がっています!』
兵士がキールに報告する声が聞こえた。
「──!」
嫌な予感がユアンの胸に広がる。
「メアリー。僕キールのところにいってくる」
しかしメアリーはユアンの手を離さなかった。
「メアリー……」
「いかないでユアン……」
若草色の瞳が揺れる。メアリーも良くないことが起きていると感じたのだろう。
「おい! 海を見ろ!」
その時誰かが叫んだ。
それと同時に、ざわざわと人々が騒ぎ出す。
夕日が沈むにはまだ早い、なのに夕日はすでに黒い海に飲み込まれそうなほど近くまで降りてきている。
そしてその光を一切映し出さない海もまた。なんとも不気味に映った。
「──津波だ」
年老いた老婆がぼそりと呟いた。
ユアンがハッとした表情をした。
貿易船で色々な国をまわっていた時その言葉を聞いたことがあった。
そこは小さな島国で、大きな揺れがあると海の波が陸まで上がってくるのだと言う。
それは軽く小さな家を飲み込むぐらいの大きな波だと。
「津波だって……」
あれがどのくらいの大きさの津波なのかは見当がつかなかった。でも貿易船の上で何度も激しい嵐に会った時でさえ、あんな、地平線の位置を変えてしまうほどの大波は見たことがない。
ここは結構な高台なのでたぶん大丈夫だろう。
でも麦畑に避難した人々は? 市街地にまぁ残っているキールやクリスは?
『麦畑じゃダメだ! 上に、もっと高い場所に避難させろ!』
魔法石からキールの指示する声が聞こえた。
(ようやくここまでたどり着いたのに……)
ユアンを掴んで離さないメアリーのぬくもりを感じながら、怒りに似た感情が沸き上がる。
(一度は終わった人生を再びやり直し、メアリーを振り向かせ仲間たちと一緒に街を火災から守れたと思ったのに……)
メアリーのユアンの腕を掴む手に力がはいる。
「ユアン」
メアリーの瞳が不安で揺れている。
「ユアン、お願いだから……」
しかしユアンは震えるメアリーの手首をつかむと、そっと自分の腕から離した。
「メアリーはルナや母さんたちとここを守って」
メアリーが駄々をこねるように首を横に振る。
「それと、このことを放送で流して、麦畑に避難している街の人達に、もっと高いところまであがるよう伝えて欲しい」
「ユアンも一緒に」
「だめだ! 街にはキールやクリス、それに今回作戦に協力してくれた兵士や魔法師たちがまだたくさん残っているんだ」
自分だけ逃げるわけにはいかない。
「ユアン一人が行って何ができるのよ! お願い行かないで……一人にしないって約束したじゃない!」
我儘なんて一度も言ったことのないメアリーが叫ぶ。
ユアンが言葉に詰まる。それでも優しくメアリーの頭に手を置くと。
「途中の魔法学園にはまだ沢山の風魔法を詰めた魔法石があるんだ。だからそれを丘の途中の人達に渡してくる、もしその後街まで降りるのが危険だと思ったらその時は引き返してくるから」
メアリーのお願いを断ったのは、後にも先にも初めてのことだろう。そしてこんなにはっきりと嘘を吐くのも。
「本当に、約束よ。危ないと思ったら、すぐ引き返してきて」
ちょうどその時、ルナとクレセントそして母親がレオンを抱っこして二人のもとに駆け寄って来た。
「お兄様、街が……」
「ユアン、いったいなにが起きてるの?」
「レオン」
ユアンはレオン母親から受け取ると、愛おしそうにおでこにキスをする。
「お兄様……」
「母さん、ここのみんなを落ち着かせて下さい。そしてルナ、メアリーとレオンを頼んだよ。クリスは僕がきっと連れて帰るから」
「お兄様、待って!」
「風魔法”疾走”」
しかしルナの呼びかけもむなしく、ユアンの姿は目の前から風のように消え失せたのだった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる