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第二章 青春をもう一度
ルナと魔具研
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「妹は母親似なんです」
ユアンは父親と同じで食べたら食べただけ太ってしまう、だが妹と母親は同じように食べてもさほど太らない体質をしていた。
とはいえそれでも他の同い年の女の子と比べたら一年前まではそれなりに太ってはいたのだが、ユアンが家を出て行ってから、ルナにどんな心境の変化があったのか、みるみる体重を落とし、今ではほどよく、ちょっとほっぺをつつきたくなるような可愛い女の子に成長していた。
こんなことは前の人生ではない変化だった。
「ルナです。いつも兄がお世話になっています」
スカートの裾を持ち可愛らしく一礼する。
「お兄さんと違って、先輩に対する礼儀がなっているようだね」
アスタが頷きながら今まで一度も見せたことのないようなやさしい笑みを浮かべる。
(こいつは妹という存在はすべて甘やかしているに違いない)
「お兄様!天使様がいるわ!」
最近見慣れてしまって忘れていたが、アスタは黙ってほほ笑んでいれば超絶美少年だった。
「あれは天使でも堕天使だから気をつけろ」
ユアンの言葉に、「えっ」と小さく驚きの声を上げながらそれでも絶対的信頼を置く兄の言葉にルナが頷く。
「ところでお兄様、このクラブではどんなことをしているのですか?」
「知らずに来たいといったのか?」
呆れながらニコニコと自分を見上げる妹を見下ろす。
「お兄様の入っているクラブですもの、妹として見ておくのは当たり前です」
アスタが「わかる」という顔で大きく頷いている。
「ここは魔法石を色んな人が使える道具として役立てることができないか研究しているクラブよ」
アンリが小さなお客様に、お茶とお菓子を持って登場する。
「お兄様、この優しそうな方もやはり堕天使様なのですか?」
ユアンを袖を引っ張ると口元に手を立て、こそこそ話でもするように尋ねる。
「いや、彼女は本当の天使だから大丈夫だ」
「そうなのですね」と大きく頷きながら。「彼女!?」ともう一度アンリを見る。
アスタの振りをして魔法学部に忍び込むことはなくなったが、長年ズボンを穿き慣れたせいで、どうもスカートを穿くと落ち着かないらしいく、いまだにアンリの制服はズボンスタイルだった。
校則でも女性はスカートでもズボンでも別にどちらでもその学部の制服なら良いとされているから、別に校則違反ではない。
ただ、ルナはいままでズボンをはいた女性など見たことはなかったのだ。
気を取る直してルナが話を元に戻す。
「人のための研究なのですね、素敵ですお兄様、でも……」
上目遣い見上げながら、少し申し訳なさそうにルナが続ける。
「お兄様は魔力がありませんよね?」
魔力がない人間が魔法道具の研究など、ルナからしたら意味が分からないだろう。
ユアンだって、ここが未来の発明品と関係なければ、メアリーが入部しなければ、幼馴染の初恋の相手がいなければ。
すべて口に出して言える理由ではない。
困ったように頬を掻く。
「魔力は関係ありません。ユアン様は人々のために役立つならばと、その志だけで手伝ってくれているのです」
メアリーが尊敬にも似た眼差しをユアンに向ける。
それからわかってますと言わんばかりにユアンにほほ笑む。
「いや、そんな──」
その真っすぐな眼差しに思わず頬が赤くなる。でもちょっと、いやだいぶ誤解がある。というか、ローズマリーの時といいメアリーは人はみな聖人君子だと思っているのだろうか。
ユアンは父親と同じで食べたら食べただけ太ってしまう、だが妹と母親は同じように食べてもさほど太らない体質をしていた。
とはいえそれでも他の同い年の女の子と比べたら一年前まではそれなりに太ってはいたのだが、ユアンが家を出て行ってから、ルナにどんな心境の変化があったのか、みるみる体重を落とし、今ではほどよく、ちょっとほっぺをつつきたくなるような可愛い女の子に成長していた。
こんなことは前の人生ではない変化だった。
「ルナです。いつも兄がお世話になっています」
スカートの裾を持ち可愛らしく一礼する。
「お兄さんと違って、先輩に対する礼儀がなっているようだね」
アスタが頷きながら今まで一度も見せたことのないようなやさしい笑みを浮かべる。
(こいつは妹という存在はすべて甘やかしているに違いない)
「お兄様!天使様がいるわ!」
最近見慣れてしまって忘れていたが、アスタは黙ってほほ笑んでいれば超絶美少年だった。
「あれは天使でも堕天使だから気をつけろ」
ユアンの言葉に、「えっ」と小さく驚きの声を上げながらそれでも絶対的信頼を置く兄の言葉にルナが頷く。
「ところでお兄様、このクラブではどんなことをしているのですか?」
「知らずに来たいといったのか?」
呆れながらニコニコと自分を見上げる妹を見下ろす。
「お兄様の入っているクラブですもの、妹として見ておくのは当たり前です」
アスタが「わかる」という顔で大きく頷いている。
「ここは魔法石を色んな人が使える道具として役立てることができないか研究しているクラブよ」
アンリが小さなお客様に、お茶とお菓子を持って登場する。
「お兄様、この優しそうな方もやはり堕天使様なのですか?」
ユアンを袖を引っ張ると口元に手を立て、こそこそ話でもするように尋ねる。
「いや、彼女は本当の天使だから大丈夫だ」
「そうなのですね」と大きく頷きながら。「彼女!?」ともう一度アンリを見る。
アスタの振りをして魔法学部に忍び込むことはなくなったが、長年ズボンを穿き慣れたせいで、どうもスカートを穿くと落ち着かないらしいく、いまだにアンリの制服はズボンスタイルだった。
校則でも女性はスカートでもズボンでも別にどちらでもその学部の制服なら良いとされているから、別に校則違反ではない。
ただ、ルナはいままでズボンをはいた女性など見たことはなかったのだ。
気を取る直してルナが話を元に戻す。
「人のための研究なのですね、素敵ですお兄様、でも……」
上目遣い見上げながら、少し申し訳なさそうにルナが続ける。
「お兄様は魔力がありませんよね?」
魔力がない人間が魔法道具の研究など、ルナからしたら意味が分からないだろう。
ユアンだって、ここが未来の発明品と関係なければ、メアリーが入部しなければ、幼馴染の初恋の相手がいなければ。
すべて口に出して言える理由ではない。
困ったように頬を掻く。
「魔力は関係ありません。ユアン様は人々のために役立つならばと、その志だけで手伝ってくれているのです」
メアリーが尊敬にも似た眼差しをユアンに向ける。
それからわかってますと言わんばかりにユアンにほほ笑む。
「いや、そんな──」
その真っすぐな眼差しに思わず頬が赤くなる。でもちょっと、いやだいぶ誤解がある。というか、ローズマリーの時といいメアリーは人はみな聖人君子だと思っているのだろうか。
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