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第25幕 伝えるということ
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身体を起こそうにも起き上がれず、視線を違和感に向けると見事に鏡餅状態でした。
俺の上に悠斗が重なり、その上にユウが覆い被さっていた。
「お前たち……俺を圧迫死させたいの?」
「まさか……おはよう瀬菜♡」
「ワゥ♪ ワゥ♪」
「はよ……げっ……もう昼じゃん。ユウの散歩……」
「あぁ、それなら俺が朝行ったよ? ずっとそわそわしてたし、昨日除け者にしちゃったしね」
「バウッ!」
「そっか……ありがと」
ニコリとする悠斗が、目を瞑り「んっ」としている。ちゅうでお礼をしろということなのだろう。
口元を緩ませ微笑むと、首に手を回し啄むだけのキスをした。
「クスッ、可愛いちゅうだね?」
「うるさい……あのさ、悠斗……」
昨夜悠斗に言われたことに返答しなければとずっと考えていた。
ムードもなにもない状況は悠斗らしくはなかったが、俺の心に真っ直ぐに突き刺さった。正直嬉しかった。昨日までの二年間、悠斗とは恋人を解消し終わったものだと思っていた。それなのにまさか結婚を申し込まれるとは予想もしていなかったのだ。
「昨日のことだけど、俺……まだ学生で、独り立ちもしてない。だから……その……ごめん! まだイエスとは言えない」
「瀬菜……」
「だいたいさ、最中にってなんだよ! けど悠斗の言葉、本当に嬉しかったんだ。今はまだ無理だけど、その……これから一緒に暮らさないか?」
俺たちはまだ親の脛を囓って学生生活をしている。二人で住むなら経済的に親の負担は減らせる。今最低限できることを考えて、俺なりに悠斗に提案したつもりだ。
「ふふっ、ムードは確かに大切だった。瀬菜のそういうところ、凄く好きだな。いつでも一生懸命で大好き。瀬菜と一緒に暮らせるなんて夢みたいだな」
「へへっ……ならさ、今度ゆっくり家探しだな! この狭い部屋じゃ、ユウも可哀想だと思っていたんだ」
申し出を断ってしまったら落ち込んでしまうかもしれない……そう思っていたが、悠斗は笑顔で俺の提案を受け入れてくれた。
これから新たに悠斗とユウ三人で暮らせること、物件をゆっくり二人で探すのもワクワクする。
「瀬菜……楽しそうなところ悪いけど、俺のマンションじゃダメ? 大学にも近いし、部屋の広さも申し分ないと思うんだ」
「ダメに決まってるだろ? あんな高そうなところ家賃払えないよ」
「実はね、あのマンション家賃掛らないけど……それでも?」
「ええっ? なんで⁉︎」
あんな高級そうな物件、タダで住めるなど余計に怖い。
「その……もらい物だから?」
「……お前……ナニシタ」
「酷いな。なにも悪いことはしていないよ? お祝いみたいな? 詳しいことは今度話すとして……ダメかな? ほら、空き部屋にするのも勿体無いし」
「そこまで言うなら……考えなくもないけど」
「考える必要ないよ。早速引っ越ししよ? 善は急げって言うし!」
パチリとウィンクをし、さっとベッドから抜け出す悠斗は俺を置き去りに、なにやらひとり言を呟き鼻歌交じりで引っ越し作業を始め出した。
「まぁ、ほとんど用意してるし身一つで構わないんだけど……。宝探しみたい♪ ……ふふっ、楽しみだな~♡」
「あっ、こら勝手に漁るな!」
「ん? もしかして変なものでも隠してるの?」
「ないわ! お前は車でも取って来い!」
「なるほど……瀬菜にしては賢い」
「馬鹿にしてんのか!」
大して荷物のない俺の部屋は、大きな家具だけ置き去りに数時間で作業は無事に終了。
怒涛の展開の中、新たな新居へと移り住むことになった。
俺の上に悠斗が重なり、その上にユウが覆い被さっていた。
「お前たち……俺を圧迫死させたいの?」
「まさか……おはよう瀬菜♡」
「ワゥ♪ ワゥ♪」
「はよ……げっ……もう昼じゃん。ユウの散歩……」
「あぁ、それなら俺が朝行ったよ? ずっとそわそわしてたし、昨日除け者にしちゃったしね」
「バウッ!」
「そっか……ありがと」
ニコリとする悠斗が、目を瞑り「んっ」としている。ちゅうでお礼をしろということなのだろう。
口元を緩ませ微笑むと、首に手を回し啄むだけのキスをした。
「クスッ、可愛いちゅうだね?」
「うるさい……あのさ、悠斗……」
昨夜悠斗に言われたことに返答しなければとずっと考えていた。
ムードもなにもない状況は悠斗らしくはなかったが、俺の心に真っ直ぐに突き刺さった。正直嬉しかった。昨日までの二年間、悠斗とは恋人を解消し終わったものだと思っていた。それなのにまさか結婚を申し込まれるとは予想もしていなかったのだ。
「昨日のことだけど、俺……まだ学生で、独り立ちもしてない。だから……その……ごめん! まだイエスとは言えない」
「瀬菜……」
「だいたいさ、最中にってなんだよ! けど悠斗の言葉、本当に嬉しかったんだ。今はまだ無理だけど、その……これから一緒に暮らさないか?」
俺たちはまだ親の脛を囓って学生生活をしている。二人で住むなら経済的に親の負担は減らせる。今最低限できることを考えて、俺なりに悠斗に提案したつもりだ。
「ふふっ、ムードは確かに大切だった。瀬菜のそういうところ、凄く好きだな。いつでも一生懸命で大好き。瀬菜と一緒に暮らせるなんて夢みたいだな」
「へへっ……ならさ、今度ゆっくり家探しだな! この狭い部屋じゃ、ユウも可哀想だと思っていたんだ」
申し出を断ってしまったら落ち込んでしまうかもしれない……そう思っていたが、悠斗は笑顔で俺の提案を受け入れてくれた。
これから新たに悠斗とユウ三人で暮らせること、物件をゆっくり二人で探すのもワクワクする。
「瀬菜……楽しそうなところ悪いけど、俺のマンションじゃダメ? 大学にも近いし、部屋の広さも申し分ないと思うんだ」
「ダメに決まってるだろ? あんな高そうなところ家賃払えないよ」
「実はね、あのマンション家賃掛らないけど……それでも?」
「ええっ? なんで⁉︎」
あんな高級そうな物件、タダで住めるなど余計に怖い。
「その……もらい物だから?」
「……お前……ナニシタ」
「酷いな。なにも悪いことはしていないよ? お祝いみたいな? 詳しいことは今度話すとして……ダメかな? ほら、空き部屋にするのも勿体無いし」
「そこまで言うなら……考えなくもないけど」
「考える必要ないよ。早速引っ越ししよ? 善は急げって言うし!」
パチリとウィンクをし、さっとベッドから抜け出す悠斗は俺を置き去りに、なにやらひとり言を呟き鼻歌交じりで引っ越し作業を始め出した。
「まぁ、ほとんど用意してるし身一つで構わないんだけど……。宝探しみたい♪ ……ふふっ、楽しみだな~♡」
「あっ、こら勝手に漁るな!」
「ん? もしかして変なものでも隠してるの?」
「ないわ! お前は車でも取って来い!」
「なるほど……瀬菜にしては賢い」
「馬鹿にしてんのか!」
大して荷物のない俺の部屋は、大きな家具だけ置き去りに数時間で作業は無事に終了。
怒涛の展開の中、新たな新居へと移り住むことになった。
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