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第21幕 卒業旅行は終わりで始まり
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環樹先輩の運転は意外にも乗り心地がよく安全運転だった。レンタカーのワゴン車はゆったり広々で、最初こそ間違いだったかと落ち込んだが、先輩にお願いして正解だったと思っている。
ホテルに到着すると、これまた豪華なリゾートホテルで、しばらくみんなでその外観を見上げていた。内部も沖縄らしく装飾品が飾られ、俺たちには勿体無い作りだった。
「流石……天下のリッカグループ」
「うわっ、来てよかった……」
「テンション上がる~」
「ヤバイ! 凄過ぎる!」
「誘ってもらえてラッキーだな~♪」
「瀬菜、祐一さんにお願いしたの?」
「うん、まさかこんないいところだと思ってなかったけど……ははは……」
沖縄にも拠点があるリッカホテルは、祐一さんに頼むと快く引き受けてくれ、『卒業祝いだし、奮発しちゃう!』と言われたが、まさかここまでランクが高い場所を提供してくれるとは思っていなかった。
「祐一さんは瀬菜のためならこれでも物足りないかもね? それに沖縄はリゾート開発盛んだから、普通より費用かけて建設してるんだよ」
「へぇ~、悠斗が今社会人に見えた。祐一さんにはお土産いっぱい買って帰るよ」
部屋はスタンダードタイプでも十分な広さと、豪華なものだった。けれど部屋に入った途端に俺は硬直した。
「……えっ、嘘……」
「ふふっ、流石祐一さん。いちいち気が効くなぁ~」
大きな窓からはオーシャンビューが広がる最高のロケーション。朝になればキラキラと朝日を浴びる海の宝石が迎えてくれるだろう。
「……ベッド……デカ過ぎじゃね⁉︎」
「瀬菜の寝相がどんなに悪くても、落ちないで済むよ?」
「むぅ……俺、寝相悪くないじゃん」
悠斗が嬉しそうに俺を背後から抱きしめると、部屋のインターホンがピンポーンと鳴った。悠斗は無視を決め込むが、出ないことに焦れた犯人は、出るまで鳴らす! とでもいうように耳を塞ぎたくなるほど大きな音が何度も鳴り響いた。
「……あーもう! 折角二人になれたのに……誰?」
舌打ちしながら悠斗がドアを開けると、実千流がゼイゼイと息を切らしながら入ってきた。
「瀬菜! 部屋! 変えてッ!」
「なんだよ……どうして?」
「だって! だ、だ、だぶる! ベッド一個しかない!」
「別に変えてもいいけど、ここもだぞ」
実千流は俺たちのベッドを見るや愕然とする。
「悠斗さん! 俺、瀬菜と同じ部屋でいい⁉︎」
「それは実千流ちゃんの頼みでも聞けないよ? ねっ、瀬菜♡」
「俺は別に……構わないけど?」
「あ~居た居た♪ 実千流、なにやってんの」
「先輩、いいところに。早く実千流ちゃんを連れて帰ってください。でないと俺と先輩が一緒のベッドで眠ることになりますよ?」
「え~やだぁ~王子に襲われちゃう♪ ほら実千流。お前あんなに俺に好き好きアピールしてたのに、いまさらなにビビってるんだぁ~♪ 卒業したことだし、たっぷり甘えていいんだぞ~♪」
「いや! いい! 俺あんなデカイの無理‼︎」
ホテルに到着すると、これまた豪華なリゾートホテルで、しばらくみんなでその外観を見上げていた。内部も沖縄らしく装飾品が飾られ、俺たちには勿体無い作りだった。
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部屋はスタンダードタイプでも十分な広さと、豪華なものだった。けれど部屋に入った途端に俺は硬直した。
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「……あーもう! 折角二人になれたのに……誰?」
舌打ちしながら悠斗がドアを開けると、実千流がゼイゼイと息を切らしながら入ってきた。
「瀬菜! 部屋! 変えてッ!」
「なんだよ……どうして?」
「だって! だ、だ、だぶる! ベッド一個しかない!」
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「それは実千流ちゃんの頼みでも聞けないよ? ねっ、瀬菜♡」
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「先輩、いいところに。早く実千流ちゃんを連れて帰ってください。でないと俺と先輩が一緒のベッドで眠ることになりますよ?」
「え~やだぁ~王子に襲われちゃう♪ ほら実千流。お前あんなに俺に好き好きアピールしてたのに、いまさらなにビビってるんだぁ~♪ 卒業したことだし、たっぷり甘えていいんだぞ~♪」
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