王子×悪戯戯曲

第19幕 鏡に映る心の奥底

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「つぎ取るね？　けど、途中でゴムが裂けちゃうかも」
「あっ、いやっ……だめっ」

　ゆっくりと襞が拡がっていくと変に力が入ってしまう。悠斗の意地悪な言葉のせいだ。

「瀬菜、緩めないと本当に切れちゃうよ。息吐いて……」

　意地悪な言葉とは裏腹にお腹を押され、太ももにキスを落とされるとすっと力が抜けていく。その隙きに悠斗は指にゴムを絡め、一気に残りを引き出した。

「ひっ、ひん──ッ！　やっ～～ッあ！　はっ、はふぅ……」

　プチプチ……パチンッ……と、球体が蕾を抜けていく。切れたゴムの隙間から、飛び出たボールがポンポンと弾むように床を跳ねていた。

「イッちゃた？　凄くエッチな色だね」

　失ったものを探すように蕾の襞がパクパクと伸縮を繰り返す。そこを覗かれて羞恥心がないわけがない。朦朧とする頭を総動員して足を閉じるも、逆に広げられてしまう。

「……ゆうと……バカぁ……へんたぃ……」
「ふふっ、可愛い……」

　玄関マットごと身体が悠斗に引き寄せられる。

「ンッ……なにっ……」

　下着を縫うように悠斗の陰茎が蕾に触れた。まさかここでするのかと目を見開くと、躊躇なく悠斗は腰を進めてきた。

「ふぅぅ～～ッ‼」
「はっ、柔らかッ……けどッ……緩めてッ」

　襞が目一杯拡がり、悠斗の陰茎が粘膜を押し上げてくる。十分解れているとはいえ、先ほどの球体とは比べようがないほど大きな塊に、背中がゾクゾクと震え弓形に弧を描く。

「はっ、ふぅッ……ムリッイ──イッ！」
「クッ──！」

　互いに詰めた息を吐くと、徐々に身体から力が抜けていく。

「ははっ……瀬菜に食べられちゃうところだった」

　余裕がなさそうにそう呟くと、ゆっくりと後孔から塊が引き出され、ギリギリ抜けるところで前進され粘膜が捲られる。

「んんッ！」
「気持ちイイ？　美味しそうに頬張ってる。もっと……でしょ？」

　ガチュン、ガチュン……と内部に陰茎が突き刺さる。激しいピストンに、呼吸が追いつかず頭が溶けそうだ。

「イッ、ひっあんっ、あ、あっあ……イきッたひっ！」
「イイよ？　ほら、いっぱい突いてあげるよ？」
「やっやぁっ、取っ……てッ」

　リボンを外して欲しいのに、悠斗は知らぬ顔でガツガツと内部を捏ね上げる。一点のシコリに反応を示すと、ニヤリと口角を上げながら重点的に攻め始めた。

「ひっあああッ、らめっやめッ、そこッああうぃひっ！」
「凄ッ……」
「ゴリゴリッやらぁッ～～！」

　遠くで卑猥な音が聴こえてくる。キーンとトンネルにでも入ったような感覚に三半規管が狂いそうだ。もはや自分がどんな言葉を発しているのかすら分からない。

「キモチッ、らめっおひりっイイッ、はぅ～パンパンッイイッ！　やっああっあッイッ、イグッィィあぅ──ッ！」

　行き場のない快感が、下肢にマグマのように渦巻いている。ドライでまたイッてしまったが、長引く快感に舌先までピクピクと痙攣している。
　飲み込めない唾液がツーっと顎を伝い、溢れ肌や床を汚していく。視界が霞み、ここがどこだったかすら理解できないでいた。

「瀬菜……飛んじゃってる？　ヤバ……エロ過ぎだよ。予定以上に抱き潰しちゃいそう。けど好都合だったかな」

　聴覚が戻らない。悠斗が唇から溢れた唾液を親指で拭いながら、なにかを言っているが聞き取れない。それよりも肌に触れる全てが劇薬のようだ。白雪姫が毒リンゴを食べたように、体中に快感という毒が回っていた。