王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第17幕 上級生と下級生 〜高校三年生編〜

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 学校から帰宅し久々に二人で夕飯を食べると、交代でシャワーを浴び、先に上がった俺は寝る準備万端でベッドの上で大の字になっていた。そんな俺に悠斗は勉強をしようと優等生のお手本を披露する。
 五月末には中間テストもある。遅い時間だが明日から休みということもあり、悠斗の提案に渋々と身を起こした。
 けれどどうしたことか身体が起き上がらない。蜘蛛の巣に縫い付けられた蝶のように、悠斗の手でベッドに貼り付けにされていたのだ。

「……あのさ、勉強しねぇの?」
「するよ? と言っても……瀬菜の勉強だけど」

 俺の? 俺だけ?
 ……あっ……もしや愛についてのか?

「やだな~悠斗くんってば。俺ってばお前が一番なんだぞ?」
「へ~一番なんだ。てことは二番も居るんだね」
「そんなに安売りはしてないぞ!」

 揚げ足を取る悠斗に、思わずムッとして噛みついてしまう。こんなに素直な俺だというのに、悠斗はなにを疑っているのだろうか。

「瀬菜は他の人には愛してるってすぐに言うのに、俺には中々言ってくれない」

 少し拗ねた様子で悠斗はそう呟いた。その姿がとても幼く可愛く見えてしまう俺は、相当こいつが好きらしい。

「えへへ……」
「なにがおかしいの?」
「そりゃおかしいよ。お前って本当に可愛い奴だな」

 俺の言葉をどう受け取ったのか、シュンとする悠斗。拘束されていた腕が自由になると同時に馬乗りで悠斗に跨がった。
 目を丸める悠斗を見下ろし、頬を撫で、顔を近付けふっくらとした唇に口付けをする。
 舌を唇に這わせ潤わせると、舌を隙間に差し込みチロリと歯列を辿る。誘いに乗った舌先を絡め合い、貪るように口腔を蹂躙した。

「……ンッ……せなっ……」
「ふっ……まだ足りない……だろ……ッ……」

 濃厚に絡まる舌が互いの口腔を行き来する。チャプチュプ……とリップ音が部屋を満たしていく。
 一頻り堪能し身を引くと、銀糸がキラリと光に照らされる。ハァハァと酸素を吸い込む唇が濡れそぼり、紅く染まっているのは、痺れた唇の感覚だけで鏡を見ずとも窺える。

「俺でもちゃんとキスできるだろ?」
「ふふっ、腰砕けだよ。勉強は必要なかったかな」
「一方通行なんかじゃない」

 すっかり兆しを見せ勃ち上がる悠斗の陰茎を、うしろ手で支え数度擦り上げると、そのまま先端を蕾に添える。ゆっくり腰を落とす俺に、悠斗は固まると理解したのか急に慌てだした。

「えっ? 瀬菜ッ! そんなことしたらぁ、ンンッ──傷ッ……ちゃッ!」
「ふっ、くっアァッ~~ッん……はぁっ」

 流石に……苦しい……かも……。
 でも……なんか……凄く悠斗が近く感じる。
 愛おしい……胸が締めつけられそうだ。

 肩で息を吸い、震えながら悠斗の胸に倒れ込む。心配そうにしながら、悠斗の下肢は俺の中でピクピクと鼓動を立てている。
 足に絡まる下着とスエットが邪魔で、片方の足だけなんとか脱ぎ取ると、運動したあとのように汗が滲み出てしまう。荒い息を吐きながら、ぼんやりと先ほどお風呂で自分がしていたことを思い出す。
 生徒会室で愛撫された乳首や、昇降口で揉まれたお尻。身体はすでに疼き、今夜抱かれることを期待していた。
 悠斗が泊まりに来なければ、どうやって誘おうかとグルグルと考えてしまうほどに。頭の中が春めいていたのだ。だからすぐに繋がれるように……と。

「瀬菜の中……濡れてる。もしかして自分で?」
「たまには……いいだろ? こんな俺も……」
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