王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第14幕 季節外れの天使ちゃん

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 いきなりの挿入に俺の身体は驚きをみせ、甲高い声をあげてしまう。衝撃に鉄棚はギシッと鈍い音をあげ小さく揺れる。

「……中トロトロ……期待していた?」
「あぁッ……して……ない」
「そう……一回で済まなそうだな……」

 背後でまたピリッと裂ける音がすると、俺の陰茎にヌルりとしたものを被せられる。

「姫乃ちゃんは女の子だから、こうしておこうね?」
「……えっ……」

 スカートで見えないが、陰茎の根元辺りに重みを感じる。
 明らかになにかを巻きつけられていた。

「いっぱい気持ち良くなろうね?」
「──ひっ! あっ、いっはんッ」

 悠斗が緩々と腰を前後すると途切れ途切れに声が出てしまう。シコリをコツコツと通り過ぎる度に、身体がビクビクと跳ねてしまう。痺れは抽挿を手助けするかのように、悠斗の大きなそれを飲み込み締めあげる。
 抑えられない声を両手で覆うが、はぁはぁと艶やかに吐息が漏れ、瞳が涙で霞んでしまう。酸欠気味の頭の中はぼんやりとし、快感を従順に集めようとする。

『ああ、ここじゃん?』

 部屋の外から誰かの声が急に聞こえ、扉を開けようとガタガタと音を立てている。快感に落ち始めた俺はギョッとしながら現実に引き戻され、身を捩りながら悠斗に止まれとうしろを振り返り訴えた。

『あれっ……おっかしーな。開かねえ……』
『マジかよ~~。建て付け悪いんじゃね?』

 悠斗は聞き耳を立てながら俺を見て笑うとゆっくりと抽挿を再開させた。

「ほら……集中して……」
「ばっ、バカッ……あぅッ」
「大きい声はダメだよ?」
「はぁッ……ンッフッ……」

 小刻みに揺すられ首を横に振りやめてと訴える。長い髪が前にハラリと落ちると、悠斗の唇がうなじに齧りつき犬のようにクンクンと匂いを吸い込まれる。
 汗で滑り出した手のひらにギュッと力を込めると、後孔も締め付けてしまい、悠斗が詰めた息をうなじに落とし抽挿が止んだ。
 外はまだ人が居るようだ。ガタガタと扉の軋みが心を不安にさせる。早く行ってくれと願いながら、うしろの疼きは酷くなる一方だ。

「ん……動き難い……」

 片手で俺を支えながら、ウェイターエプロンを取り外すと床にばさりと落とし座り込む。自身の体重が掛かると、深く悠斗を飲み込み奥まで抉られ喉を反らした。

「ひっあ────ッ……」

『……今なにか言ったか?』
『言ってない……気のせいじゃん?』

 頭を引き寄せられ声を奪い取るように悠斗の唇に唇を覆われ吸い込まれる。

「……イきそうになった?」
「……ば……かぁ……」

 悠斗はキスをしながら下からゆさゆさと腰を律動させ、俺の鼓動を早めていく。ハァハァと漏れる吐息と、クチュクチュと濡れた音が埃っぽい室内に静かに放たれていく。
 堰き止められたペニスに熱が溜まり、解放を求め悲鳴をあげていた。

『てかさ、文化祭だし勝手に入れないようになってんじゃね?』
『あーそっか。折角サボろうと思ったのにな~』
『ほかの場所探すか……』

 中々去らない男子にドキドキしながら強張る身体に悠斗は容赦がない。そっと瞼を開けば視線を感じたのか、薄っすら目を開き意地悪な視線を投げつけられる。
 陰茎に巻かれたモノが抜き取られるが、扉一枚隔てた向こう側に意識がいき、射精を自ずと我慢してしまう。このタイミングで解放するなど、悠斗はなんて意地悪なのだろう。

「……ほら……我慢しないで?」
「……できっないっ」
「ん? どうして? おちんちんビンビンだよ?」
「ふぃッ! やめっ……でちゃ……からっ」

 悠斗はゴリゴリと前立腺を抉り、俺のペニスをシコシコと擦り射精を促した。そんなことをされれば我慢など効くはずもない。

「ふっイッ──うッくぅッ──!」
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