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第13幕 ひとりぼっち
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日中は誰かと会い気持ちが紛れるが、眠りに就く頃になるとモヤモヤと考え込んでしまう。夜の空気は蒸し蒸しとしているが、日中よりも気温が下がり生活音が消え音が良く響く。
外の世界をシャットアウトするように、最近はイヤホンを付け音楽を聴いていた。気分が落ち込んでいるからか、チョイスする曲はバラードばかり。
悲劇のヒロインではないが、切ない音楽は自分だけが悲しい訳ではないのだと、気楽になれたのだ。身体を丸め寝転ぶと妙に安心し、高ぶった気持ちが和らいで自然と眠りに就くことができた。
今夜も眠りに就くために、スマホに入った音楽を聴いていた。しっくりくる曲もあれば、ただ耳障りにしか聴こえない曲もある。何曲か流しながら適当にスキップする。
……あ、この曲いいかも……。
曲調はゆっくりで穏やかで切なげ。でも、歌詞は勇気づけられる言葉が紡がれている。友情と愛情を守るために踏み出し立ち向かう。大切な人の笑顔をただただ想い、そのために生きる。ストレートな感情表現。
歌詞の解釈が合っているかなど俺には分からないけれど、しっとりと切ないのに時折力強く歌うボーカルの声が心に響き元気が湧いてくる。
リピート機能で馬鹿みたいにエンドレスに流し続ける。小さく丸まりスマホを胸に抱きしめながら、瞳を閉じて曲の世界に入り込んだ。
***
目が覚めると大体イヤホンが外れ、長めのコードが身体のどこかに巻きついている。寝汗で余計に肌に張り付いてしまうのだ。イヤホン部分が俺の重さに潰され、肌に食い込み痛くて目を覚ます。
今日は絡まらなかったのか、上手く身体から遠退いてくれたらしい。おかげで未だ微睡みの中に居られる。ゴロンと寝返りを打とうとすれば、上手くできず「……やっぱ今日も絡まった……」と眉を寄せてしまう。
モゾモゾとしベストポジションを確保すると、まだ寝足りないと深く息を吐いて落ち着く。眠る前に聴いた音楽が良過ぎたのか、いつも以上に眠れそうだ。
「……うぅ……擽ったいよ……」
頬に指先が触れ、輪郭を確認するように愛撫される。その仕草に寄せていた眉が緩み、頬が自然と綻ぶ。悠斗の手のぬくもりは、いつも優しくて俺を安心させてくれる。
このまま抱き寄せてくれたらもっといい。それから少しずつ覚醒して、「おはよう」と笑顔で迎えられる。でも、もう少し眠っていたい。顔中に降る心地いいキスが幸せで、目を覚ましたら味わえないと夢の続きを求める。
「……ゆう……と…………会いたい……」
外の世界をシャットアウトするように、最近はイヤホンを付け音楽を聴いていた。気分が落ち込んでいるからか、チョイスする曲はバラードばかり。
悲劇のヒロインではないが、切ない音楽は自分だけが悲しい訳ではないのだと、気楽になれたのだ。身体を丸め寝転ぶと妙に安心し、高ぶった気持ちが和らいで自然と眠りに就くことができた。
今夜も眠りに就くために、スマホに入った音楽を聴いていた。しっくりくる曲もあれば、ただ耳障りにしか聴こえない曲もある。何曲か流しながら適当にスキップする。
……あ、この曲いいかも……。
曲調はゆっくりで穏やかで切なげ。でも、歌詞は勇気づけられる言葉が紡がれている。友情と愛情を守るために踏み出し立ち向かう。大切な人の笑顔をただただ想い、そのために生きる。ストレートな感情表現。
歌詞の解釈が合っているかなど俺には分からないけれど、しっとりと切ないのに時折力強く歌うボーカルの声が心に響き元気が湧いてくる。
リピート機能で馬鹿みたいにエンドレスに流し続ける。小さく丸まりスマホを胸に抱きしめながら、瞳を閉じて曲の世界に入り込んだ。
***
目が覚めると大体イヤホンが外れ、長めのコードが身体のどこかに巻きついている。寝汗で余計に肌に張り付いてしまうのだ。イヤホン部分が俺の重さに潰され、肌に食い込み痛くて目を覚ます。
今日は絡まらなかったのか、上手く身体から遠退いてくれたらしい。おかげで未だ微睡みの中に居られる。ゴロンと寝返りを打とうとすれば、上手くできず「……やっぱ今日も絡まった……」と眉を寄せてしまう。
モゾモゾとしベストポジションを確保すると、まだ寝足りないと深く息を吐いて落ち着く。眠る前に聴いた音楽が良過ぎたのか、いつも以上に眠れそうだ。
「……うぅ……擽ったいよ……」
頬に指先が触れ、輪郭を確認するように愛撫される。その仕草に寄せていた眉が緩み、頬が自然と綻ぶ。悠斗の手のぬくもりは、いつも優しくて俺を安心させてくれる。
このまま抱き寄せてくれたらもっといい。それから少しずつ覚醒して、「おはよう」と笑顔で迎えられる。でも、もう少し眠っていたい。顔中に降る心地いいキスが幸せで、目を覚ましたら味わえないと夢の続きを求める。
「……ゆう……と…………会いたい……」
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