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第12幕 修学旅行はお遊びではありません
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サラリと悠斗のカミングアウトにも動じない佐上先生は、否定もする訳でもなくそう言うと、ザブンと音を立てながら豪快に出ていく。
四十歳手前というのに、ずいぶん鍛えられ逞しい身体つきだ。大人の体躯に見惚れていると、俺の視線を感じたのか先生は振り返り、ニヤッとして俺にトドメを刺してきた。
「柳……首もだけど、可愛いケツもしっかり隠しとけ?」
「──けっ、ケツ⁉」
「ああ……それは否めない」
なんのことを言われているのかさっぱりで、湯船に浸かるお尻を見れば、悠斗に付けられただろう指の痕が何本か痣になっていた。
佐上先生の言葉の意味を理解すると、温泉に浸かって薄っすら色づいた白い肌が、全身真っ赤に茹っていく。自分では滅多に見ないお尻が、まさかこんなことになってるとは思ってもいなかったのだ。
ジロジロ見られたのもこの痣のせいだったのかと、性的なことに説教もしなかった先生に驚く。
「うう……先生にバレバレじゃん」
「だから待ってて言ったのに。瀬菜先に行っちゃうから。それにもうバレてた。球技大会のとき、すでに悟っていた」
「本当に変な先生だ。普通指導室行きじゃね?」
「どうして? 恋愛しちゃダメなんて校則ないし。遊びじゃないから。それに、あの先生は偏見ないよ」
「そうだけど……元々は悠斗があんなことするから……」
「ふふっ、いい想い出作れたなぁ~。瀬菜そろそろ露天風呂行こ。のぼせちゃうから」
立ち上がった悠斗はタオルを広げ「はい」と隠すためスタンバイをしている。仕方のない奴だと、いまさら怒っても仕方ないと立ち上がると、そっと腰を隠してくれた。
温泉から上がり部屋に戻ると、三人は身支度をしていた。由良りんに根掘り葉掘り不在の理由を聞かれ、真っ赤になりつつ温泉でのぼせたんだと説明をする羽目になった。
事実も混ぜつつだが、エロイことをこっそりしていた訳で、途中由良りんの視線に冷や汗を垂らしながら言い訳を繰り広げた。
「その絆創膏……バレバレ」
「これはその……痒くて寝てるときに掻きむしっちゃって!」
「ふーん。どれ……見せてみろ」
「ちょ、折角貼ったばっかなんだ!」
「カナちゃんそれぐらいにして。そろそろ行かないと朝食抜きになるでしょ?」
悠斗のナイスフォローにより、剥がされることは回避できたが内心ドキドキものだ。由良りんの背中を押しながら「ご飯行こう!」と興味を違うほうへと向かわせる。
一日中詮索されそうだとそっとため息を吐きながら、無事修学旅行が終わりますようにと心の中で呟いた。
朝食を取りながら集合時間には遅れないようにと、注意事項を伝えられる。午前中には宮島を離れ、広島駅でお買い物予定だ。尾道のほうにも足を運びたかったが、三日間では時間も足りず詰め込むと内容も薄くなってしまうので、残念だが諦めていた。
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「うう……先生にバレバレじゃん」
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「ふふっ、いい想い出作れたなぁ~。瀬菜そろそろ露天風呂行こ。のぼせちゃうから」
立ち上がった悠斗はタオルを広げ「はい」と隠すためスタンバイをしている。仕方のない奴だと、いまさら怒っても仕方ないと立ち上がると、そっと腰を隠してくれた。
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事実も混ぜつつだが、エロイことをこっそりしていた訳で、途中由良りんの視線に冷や汗を垂らしながら言い訳を繰り広げた。
「その絆創膏……バレバレ」
「これはその……痒くて寝てるときに掻きむしっちゃって!」
「ふーん。どれ……見せてみろ」
「ちょ、折角貼ったばっかなんだ!」
「カナちゃんそれぐらいにして。そろそろ行かないと朝食抜きになるでしょ?」
悠斗のナイスフォローにより、剥がされることは回避できたが内心ドキドキものだ。由良りんの背中を押しながら「ご飯行こう!」と興味を違うほうへと向かわせる。
一日中詮索されそうだとそっとため息を吐きながら、無事修学旅行が終わりますようにと心の中で呟いた。
朝食を取りながら集合時間には遅れないようにと、注意事項を伝えられる。午前中には宮島を離れ、広島駅でお買い物予定だ。尾道のほうにも足を運びたかったが、三日間では時間も足りず詰め込むと内容も薄くなってしまうので、残念だが諦めていた。
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