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第10幕 新学年と不良くん 〜高校二年生編〜
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「いや、悠斗‼ ちょい待てよ! 俺、そこまで言ってないだろ⁉ 少し落ち着けよ。俺だって本当は、嬉しいんだからな!」
そう言うと、悠斗はパァーッと笑顔をみせた。
多澤と村上は俺達を呆れて眺めながらぼやいていた。
「……安い三文芝居だぜ」
「ははは……チョロいね……」
悠斗が言うように、高校生活なんてあっという間に終わってしまう。転校などされてしまったら、俺は罪悪感と寂しさで登校拒否してしまいそうだ。
「でもまぁ、プレゼントってのは言い過ぎだけど、ほかにも思うところがあってね? だから奇跡ってのもあながち間違いじゃない。学校側と王子の意見が合致した。それだけのことだよ。姫乃ちゃんが気に病むことではないから安心して」
「……そっか。それならいいけど。でも……」
そう、これは俺が引けないことだ。
「俺、ほかにも新しい友達作りたい!」
はっきりと言い放つと、みんなはどういう訳か唖然とした顔で一斉に俺を見てきた。
アレ? なに? 変なこと言った?
言っていないよね? 普通のことだよね?
仲いいとどうしてもつるんじゃうだろ?
「あ、友達ね……自然とそれはできるんじゃないかな?」
「まぁ、嫌でもできるだろ」
「瀬菜もしかして、俺が居るとできないと思ったの?」
「だって……悠斗……すぐにダメって言うから」
ボソリと呟くと、悠斗はギュッと手を握り首を横に振った。
「ん? 言う場合もあるかもしれないけど、瀬菜が危なくないなら言わない」
「へへっ……ならいいや!」
「ほら、過去のオレ様ぶりが今頃。王子ダメダメ星人だもんねぇ~」
「お泊まり禁止とかだろ?」
「あのときは村上君のこと、まだ信用していなかったし!」
「なになに⁉ 姫乃ちゃん! 今度うちにも泊まりに来る?」
「いや、行かない。先輩セクハラするから」
「偉いね瀬菜。いい子いい子♪」
そんなこんなで、事の真相は紐解くことができた。やはり先輩が絡んでいたのかと思うと少し複雑だ。カオスなクラス分けの見返り……なんてことにならないだろうか。
新学期は始まったばかり。
まだ未知なクラスで、どんな二年間になるかは分からない。それでも新しい友達や、新しい発見があればいいなと思った。
悠斗と同じクラスになるのは、実は今までなかったのだ。
今日新しいクラスでも、悠斗の人気ぶりがよく見えた。自己紹介では女の子達がキラキラと輝く瞳で、紅く頰を染めながら熱い視線を送っていた。その姿にちょっぴり嫉妬していた。
同じクラスになるのが嫌だなと、抵抗したもう一つの原因だったりもする。常に一緒というのは、見たくないものも見えてしまう。それは悠斗も同じはずだ。俺が楽しそうに誰かと話していたら、同じようにモヤっとするに違いない。
ただ、悠斗が言うように、二年間はイベントラッシュだ。それを一緒に過ごせるのは、後々宝物のような思い出になる。
俺は若干疑心暗鬼になっていた。この間、悠斗の記憶喪失事件があったばかりで、嬉しいことがあると、悪いことが起きる……そんな風に思ってしまうのだ。
気にし過ぎなのかな……。
どうか穏やかに過ごせますように……。
神様にお願いすることが多いこの頃。
桜がチラチラと舞う青空を眺め、澄み渡る春の日差しを浴びながら、新しい出発を胸に期待と不安を抱いていた。
そう言うと、悠斗はパァーッと笑顔をみせた。
多澤と村上は俺達を呆れて眺めながらぼやいていた。
「……安い三文芝居だぜ」
「ははは……チョロいね……」
悠斗が言うように、高校生活なんてあっという間に終わってしまう。転校などされてしまったら、俺は罪悪感と寂しさで登校拒否してしまいそうだ。
「でもまぁ、プレゼントってのは言い過ぎだけど、ほかにも思うところがあってね? だから奇跡ってのもあながち間違いじゃない。学校側と王子の意見が合致した。それだけのことだよ。姫乃ちゃんが気に病むことではないから安心して」
「……そっか。それならいいけど。でも……」
そう、これは俺が引けないことだ。
「俺、ほかにも新しい友達作りたい!」
はっきりと言い放つと、みんなはどういう訳か唖然とした顔で一斉に俺を見てきた。
アレ? なに? 変なこと言った?
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「あ、友達ね……自然とそれはできるんじゃないかな?」
「まぁ、嫌でもできるだろ」
「瀬菜もしかして、俺が居るとできないと思ったの?」
「だって……悠斗……すぐにダメって言うから」
ボソリと呟くと、悠斗はギュッと手を握り首を横に振った。
「ん? 言う場合もあるかもしれないけど、瀬菜が危なくないなら言わない」
「へへっ……ならいいや!」
「ほら、過去のオレ様ぶりが今頃。王子ダメダメ星人だもんねぇ~」
「お泊まり禁止とかだろ?」
「あのときは村上君のこと、まだ信用していなかったし!」
「なになに⁉ 姫乃ちゃん! 今度うちにも泊まりに来る?」
「いや、行かない。先輩セクハラするから」
「偉いね瀬菜。いい子いい子♪」
そんなこんなで、事の真相は紐解くことができた。やはり先輩が絡んでいたのかと思うと少し複雑だ。カオスなクラス分けの見返り……なんてことにならないだろうか。
新学期は始まったばかり。
まだ未知なクラスで、どんな二年間になるかは分からない。それでも新しい友達や、新しい発見があればいいなと思った。
悠斗と同じクラスになるのは、実は今までなかったのだ。
今日新しいクラスでも、悠斗の人気ぶりがよく見えた。自己紹介では女の子達がキラキラと輝く瞳で、紅く頰を染めながら熱い視線を送っていた。その姿にちょっぴり嫉妬していた。
同じクラスになるのが嫌だなと、抵抗したもう一つの原因だったりもする。常に一緒というのは、見たくないものも見えてしまう。それは悠斗も同じはずだ。俺が楽しそうに誰かと話していたら、同じようにモヤっとするに違いない。
ただ、悠斗が言うように、二年間はイベントラッシュだ。それを一緒に過ごせるのは、後々宝物のような思い出になる。
俺は若干疑心暗鬼になっていた。この間、悠斗の記憶喪失事件があったばかりで、嬉しいことがあると、悪いことが起きる……そんな風に思ってしまうのだ。
気にし過ぎなのかな……。
どうか穏やかに過ごせますように……。
神様にお願いすることが多いこの頃。
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