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第8幕 年越し湯けむり罰ゲーム?
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しおりを挟むゴーン……ゴーン……。
遠くからお腹に響くような鐘の音が聞こえる。
それから癒やしを誘うせせらぎ。
「気が付いた?」
「……ここ……は?」
「部屋の外湯。瀬菜、少し意識飛んでいたんだ。大丈夫?」
「うん……気持ちいい」
瞳をそっと閉じ悠斗に寄り掛かる。ぬるめのお湯が心地いい。
「聞こえる? 除夜の鐘」
「カウントダウン……行けなかった?」
みんなでお寺にお参りに行くはずだったが、この様子ではまず無理だ。
「行きたかった?」
「そりゃ、折角だし。二人には悪いことしちゃったな」
「まぁ、理解ある友人達だから。俺は瀬菜とこうして過ごす年越しも悪くないと思っているよ」
「そうだな。てか、もう年越しちゃった?」
お参りは無理でも、せめてカウントダウンぐらいはしたかった。しゅんとする俺に、悠斗はまだ年は明けていないと教えてくれる。
「除夜の鐘は今年中は百七回叩いて、年が明けたら最後の百八回目を叩くんだよ? お寺によって違うけどね?」
「そうなんだ。温泉入りながら年越しだなんて贅沢だな。もっと大人になったらさ、お酒飲みながらとかもしたいな」
「ふふっ……そうだね。今年は瀬菜と付き合えて、沢山色々して幸せだったな」
「俺も……まさか付き合うことになるなんて、去年までは想像できなかったけど……」
お互いに照れくさそうにしながら微笑み合う。
ゴーン……と鳴っていた鐘の音が途切れ、年が明けたのを知らせてくれた。
「へへっ、結局カウントダウンできなかった。なんだか年が明けたって感じしない」
「本当だね。なら、それらしく。今年もよろしくお願いします。瀬菜にとって、いい一年になりますように」
「こちらこそ、よろしく……お願いします……」
「クスッ……照れちゃってどうしたの?」
「改まってこういう挨拶するのって、なんだか照れる……へへっ」
「そう? 今年はどんな一年になるかな」
まだ見ぬ未来に悠斗は少年のようにわくわくとしている様子だ。けれどすぐにその表情は変化する。
口角を上げ濡れた瞳で俺を見つめてくる悠斗に、背筋がゾワリと震える。
「な、なにっ⁉」
「なにって……、姫始めしないとだよ?」
「姫……始め? なにそれ?」
「聞いたことないの?」
悠斗は驚いた表情で俺を見つめていた。
なにか始めるってことだよな?
姫、始める? まさか女装⁉
いや、でもここ風呂だし……俺、女装封印したし?
お正月だし、百人一首的な遊び?
ぐるぐると考えているうちに、悠斗はお湯の中で俺のお尻を持ち上げ侵入してきた。咄嗟のことに俺はおかしな声を上げてしまう。
「ひぃっ! おっ、お前ッなにしてッ、お湯……入ってッ!」
「温泉効果で、外も中もツルツルだね♡」
「ばかっ……んっふぅ、はぁはぁ……」
「これが姫始め。ああ、でも瀬菜は男の子だから、殿始めになるのかな?」
散々慣らされた内部はしっかりと悠斗を受け入れ、ギュウギュウと締め付けてしまう。掛け流しの温泉水が、浴槽から溢れバシャバシャと排水口に流れていく。
「うっ……殿って……お湯……勿体ないッ。ここっ、外……んんッ」
「瀬菜との大事な時間の始まり。新年早々エッチしておかないとね? 雅臣と村上君は今頃お寺だし、気にしないで?」
「挿れるなら、先に言えっ! ……ほかのお客さんだって……居るだろ……ッ」
「先に言ったら、瀬菜恥ずかしがって逃げるでしょ? 声は控えめにね♡」
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