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第7幕 ドキドキ☆クリスマス
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「王子? 昨日ぶり~。急に泊まりとかごめんね~。柳ちゃんは明日ちゃんと、現地に送り届けるから」
村上の顔がどんどん強張っていく。
「……入れ知恵って、ちゃうちゃう! わぉっ‼ 魔王降臨‼ なにかあったら、もち殺されますよ‼」
村上、悠斗が魔王ならお前は勇者だ……。
俺のためにお前ってばスゲーよな……骨は拾ってやるから。
なんとか悠斗を説得すると、二人で深いため息を吐いた。
明日悠斗に会ったときに怖い気もするが、実際やましいことはしていないし問題はないだろう。
念のため三浦さんのコスプレ写真集を餌に持って行こうと、お泊まりセットに忍ばせておいた。
物心付いたときから、お泊まりといえばお隣の立花家しかなかった俺は、村上の家に着くなり緊張モードです。お世話になるからと、お土産も持参する。村上には必要ないと言われたが、そんなことをすれば、おふくろに怒られてしまう。
村上の家族に「お邪魔します」と「お世話になります」を大きい声で伝え挨拶をすると、吾郎の友達だとは思えないしっかりした子だと驚かれた。
「いや~、柳ちゃんはしっかりさんだね。おばさんの教育のたわものだ」
「そんなの最低の礼儀だろ? お前の友達はそんなに非常識なのか?」
「いや、俺あんまし友達連れて来ることなかったし。なんつーか正直さ、上部付合い多かったから」
「へぇー、意外だな。なんだ? もしや根暗だったとか?」
「んにゃ……昔はちょいとんがってたっていうか?」
「なにそれ! 笑える。あとで昔の写真せてよ」
今の村上は穏やかで気配り屋だ。そんな村上がやんちゃだった時期があるなど想像もつかない。
「ははは……取り敢えず俺の部屋行こう」
「うん!」
初めて入った友達の部屋。
悠斗のインテリチックな感じとは全く異なり、高校生らしい男の子の部屋。俺の部屋とも違くて、キョロキョロしてしまった。
購入したものを広げ村上と相談していると、夕飯をおばさんが作ってくれ、村上の弟と妹、おばさん五人でご飯を食べた。気不味い雰囲気になることもなく、みんな和やかですっかり打ち解けられた。
そのあとも一番風呂をいただき……と、急に押し掛けた俺に良くしてくれた。アットホームな村上家に、俺の心はポカポカだ。
「村上の家族、俺好きだな。妹のマコちゃん可愛いし」
「おお! 今日は柳ちゃん来てるから大人しいけど、ああ見えて結構口悪いよ?」
「いいじゃん、賑やかで。俺ひとりっ子だし、兄妹居るの羨ましい!」
「たまにならいいけどね~。俺は長男だし我慢させられっぱなし! 兄妹の面倒も見ないとだし、母ちゃんの手伝いもさせられる」
普段の鬱憤が溜まっているのか、村上はブツブツと小言を言うが、全く嫌な顔をしていない。
「お互いないもの強請りだよな」
「そういうこと。明日何時に起きる?」
「色々支度もするし七時半ぐらいかな? 朝ごはん現地で一緒に食べられればいいんだけど……」
「そうだね。なら七時にして、早めに向かって王子をこっそり観察しますか!」
悠斗のことだ。早めに待ち合わせ場所に居るに違いない。悪戯心丸出しで、俺達は待ち惚けをしているだろう悠斗を、こっそり陰から観察することにした。
***
朝は村上が起こしてくれ、寝坊助な俺も人様の家だからか流石にスッと起きることができた。予定通り起きたあと、支度を妹のマコちゃんに手伝ってもらい奮闘する。
キョトン顔の村上のおばさんに頑張って口角を上げ、お世話になったお礼を言い、大声援で手を振るマコちゃんに「ありがとう。またね」と、控え目にスマイルを送る。
水族館のある駅まで緊張しながら村上と電車で向かった。
村上の顔がどんどん強張っていく。
「……入れ知恵って、ちゃうちゃう! わぉっ‼ 魔王降臨‼ なにかあったら、もち殺されますよ‼」
村上、悠斗が魔王ならお前は勇者だ……。
俺のためにお前ってばスゲーよな……骨は拾ってやるから。
なんとか悠斗を説得すると、二人で深いため息を吐いた。
明日悠斗に会ったときに怖い気もするが、実際やましいことはしていないし問題はないだろう。
念のため三浦さんのコスプレ写真集を餌に持って行こうと、お泊まりセットに忍ばせておいた。
物心付いたときから、お泊まりといえばお隣の立花家しかなかった俺は、村上の家に着くなり緊張モードです。お世話になるからと、お土産も持参する。村上には必要ないと言われたが、そんなことをすれば、おふくろに怒られてしまう。
村上の家族に「お邪魔します」と「お世話になります」を大きい声で伝え挨拶をすると、吾郎の友達だとは思えないしっかりした子だと驚かれた。
「いや~、柳ちゃんはしっかりさんだね。おばさんの教育のたわものだ」
「そんなの最低の礼儀だろ? お前の友達はそんなに非常識なのか?」
「いや、俺あんまし友達連れて来ることなかったし。なんつーか正直さ、上部付合い多かったから」
「へぇー、意外だな。なんだ? もしや根暗だったとか?」
「んにゃ……昔はちょいとんがってたっていうか?」
「なにそれ! 笑える。あとで昔の写真せてよ」
今の村上は穏やかで気配り屋だ。そんな村上がやんちゃだった時期があるなど想像もつかない。
「ははは……取り敢えず俺の部屋行こう」
「うん!」
初めて入った友達の部屋。
悠斗のインテリチックな感じとは全く異なり、高校生らしい男の子の部屋。俺の部屋とも違くて、キョロキョロしてしまった。
購入したものを広げ村上と相談していると、夕飯をおばさんが作ってくれ、村上の弟と妹、おばさん五人でご飯を食べた。気不味い雰囲気になることもなく、みんな和やかですっかり打ち解けられた。
そのあとも一番風呂をいただき……と、急に押し掛けた俺に良くしてくれた。アットホームな村上家に、俺の心はポカポカだ。
「村上の家族、俺好きだな。妹のマコちゃん可愛いし」
「おお! 今日は柳ちゃん来てるから大人しいけど、ああ見えて結構口悪いよ?」
「いいじゃん、賑やかで。俺ひとりっ子だし、兄妹居るの羨ましい!」
「たまにならいいけどね~。俺は長男だし我慢させられっぱなし! 兄妹の面倒も見ないとだし、母ちゃんの手伝いもさせられる」
普段の鬱憤が溜まっているのか、村上はブツブツと小言を言うが、全く嫌な顔をしていない。
「お互いないもの強請りだよな」
「そういうこと。明日何時に起きる?」
「色々支度もするし七時半ぐらいかな? 朝ごはん現地で一緒に食べられればいいんだけど……」
「そうだね。なら七時にして、早めに向かって王子をこっそり観察しますか!」
悠斗のことだ。早めに待ち合わせ場所に居るに違いない。悪戯心丸出しで、俺達は待ち惚けをしているだろう悠斗を、こっそり陰から観察することにした。
***
朝は村上が起こしてくれ、寝坊助な俺も人様の家だからか流石にスッと起きることができた。予定通り起きたあと、支度を妹のマコちゃんに手伝ってもらい奮闘する。
キョトン顔の村上のおばさんに頑張って口角を上げ、お世話になったお礼を言い、大声援で手を振るマコちゃんに「ありがとう。またね」と、控え目にスマイルを送る。
水族館のある駅まで緊張しながら村上と電車で向かった。
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