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第7幕 ドキドキ☆クリスマス
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「柳ちゃんは本当に色々あったよね」
「まぁーな。でもお前とも友達になれたし、いいこともいっぱいあった!」
「そう言ってもらえると嬉しいわ~。俺もいい友達に恵まれた~」
「そういえば、年越し旅行本当に平気か? 家族と過ごすのも村上は大切だろ?」
村上家は家族団欒で毎年年越しを迎えるそうだ。
「いやぁ~罰ゲームとはいえ、俺達逆に邪魔者じゃない? それに、たまには俺が居ない正月も家族的には新鮮かもね」
「そっか、ならいいんだけど。でもなんで旅行が罰ゲームなのか謎なんだけど。みんなで行ったほうが、旅は絶対楽しいだろ?」
「うーん……まぁ王子への嫌がらせみたいな……。友達と年越しなんて初めてだから、結構楽しみだったり!」
「嫌がらせ? 変なの。へへっ、俺も楽しみだよ」
村上は王子が気の毒だと言っていたが、俺には全然理解ができなかった。
村上と話し込んでいると、三浦さんが俺達のところにやって来た。どうやらコスプレ写真集ができあがったようだ。三浦さんは興奮した様子で目尻を下げ「かなりヤバイから!」と、意味深にしていた。
悠斗の分と合わせて二冊受け取り鞄に仕舞うと、村上が自分も見たいと駄々をこね始める。恥ずかしかったので、あとでとあやふやな回答をしておいた。
三浦さんは「いっぱい販売して来るね!」と、ピースサインを突き出し、まるで戦場に戦いに行くような顔付きで教室をあとにした。
「全然話変わるんだけどさ……ちょっと相談してもいいか?」
嵐のような三浦さんの姿が見えなくなると、俺は村上に悩みを打ち明ける。
「俺で役に立つか分からないけど、どしたの?」
「大したことじゃないんだけど……」
俺はことの顛末を村上に伝え、村上はそれに対して親身に相談に乗ってくれた。
村上に話したことで心に潜んでいたなにかが、スーッとなくなっていき、友達ってやっぱり頼りになるなと、感謝の気持ちでいっぱいになった。
村上と話し込んでいたが、いつも迎えに来る悠斗達が中々来ない。どうしたんだろと噂をしていると、ごめんと言いながら悠斗と多澤が教室にやって来た。
「遅かったな。どうかしたのか?」
「うん……ちょっと捕まっちゃって」
「久々って感じだよな。休みになるからか……クリスマス前にって感じだったわ」
「ああ……王子は罪深いよね」
みんなの会話で鈍感な俺もピンときた。
「告白でもされたのか?」
「まぁ……そんなところかな。でもちゃんと断って来たよ?」
「結構ゴネたけどな」
「最近ファンの子達大人しかったのにね。女子は強しだぁね~」
沈みそうになる気持ちをごまかすように帰り支度をする俺に、悠斗は気使うように言った。
「瀬菜、遅くなってごめんね。急だったから連絡できなくて」
「うん。いいんだ、仕方ないだろ? 帰ろうぜ!」
ポンと悠斗の背中を押し、努めて明るく振る舞う。けれど心の中はどうしてか上手く理解してくれない。
恋人が居ると分かっていても、一縷の望みをかけて告白する子達。勇気があるなと思う反面、俺のだぞと言いたくなってしまう。
「お前、なんつー顔してんだ? 俺は腹減った!」
「クスッ……瀬菜は食いしん坊だね」
ふわりと優しい笑顔で返される。その笑顔に心から自分は悠斗のことが好きなのだと実感させられる。
複雑に考えてしまうのは、きっと自分に余裕が生れてきたからなのかもしれない。ネガティブに考え出す思考に、今日は帰ったら悠斗に甘えまくって、ポジティブになろうと勝手に思っていた。
「まぁーな。でもお前とも友達になれたし、いいこともいっぱいあった!」
「そう言ってもらえると嬉しいわ~。俺もいい友達に恵まれた~」
「そういえば、年越し旅行本当に平気か? 家族と過ごすのも村上は大切だろ?」
村上家は家族団欒で毎年年越しを迎えるそうだ。
「いやぁ~罰ゲームとはいえ、俺達逆に邪魔者じゃない? それに、たまには俺が居ない正月も家族的には新鮮かもね」
「そっか、ならいいんだけど。でもなんで旅行が罰ゲームなのか謎なんだけど。みんなで行ったほうが、旅は絶対楽しいだろ?」
「うーん……まぁ王子への嫌がらせみたいな……。友達と年越しなんて初めてだから、結構楽しみだったり!」
「嫌がらせ? 変なの。へへっ、俺も楽しみだよ」
村上は王子が気の毒だと言っていたが、俺には全然理解ができなかった。
村上と話し込んでいると、三浦さんが俺達のところにやって来た。どうやらコスプレ写真集ができあがったようだ。三浦さんは興奮した様子で目尻を下げ「かなりヤバイから!」と、意味深にしていた。
悠斗の分と合わせて二冊受け取り鞄に仕舞うと、村上が自分も見たいと駄々をこね始める。恥ずかしかったので、あとでとあやふやな回答をしておいた。
三浦さんは「いっぱい販売して来るね!」と、ピースサインを突き出し、まるで戦場に戦いに行くような顔付きで教室をあとにした。
「全然話変わるんだけどさ……ちょっと相談してもいいか?」
嵐のような三浦さんの姿が見えなくなると、俺は村上に悩みを打ち明ける。
「俺で役に立つか分からないけど、どしたの?」
「大したことじゃないんだけど……」
俺はことの顛末を村上に伝え、村上はそれに対して親身に相談に乗ってくれた。
村上に話したことで心に潜んでいたなにかが、スーッとなくなっていき、友達ってやっぱり頼りになるなと、感謝の気持ちでいっぱいになった。
村上と話し込んでいたが、いつも迎えに来る悠斗達が中々来ない。どうしたんだろと噂をしていると、ごめんと言いながら悠斗と多澤が教室にやって来た。
「遅かったな。どうかしたのか?」
「うん……ちょっと捕まっちゃって」
「久々って感じだよな。休みになるからか……クリスマス前にって感じだったわ」
「ああ……王子は罪深いよね」
みんなの会話で鈍感な俺もピンときた。
「告白でもされたのか?」
「まぁ……そんなところかな。でもちゃんと断って来たよ?」
「結構ゴネたけどな」
「最近ファンの子達大人しかったのにね。女子は強しだぁね~」
沈みそうになる気持ちをごまかすように帰り支度をする俺に、悠斗は気使うように言った。
「瀬菜、遅くなってごめんね。急だったから連絡できなくて」
「うん。いいんだ、仕方ないだろ? 帰ろうぜ!」
ポンと悠斗の背中を押し、努めて明るく振る舞う。けれど心の中はどうしてか上手く理解してくれない。
恋人が居ると分かっていても、一縷の望みをかけて告白する子達。勇気があるなと思う反面、俺のだぞと言いたくなってしまう。
「お前、なんつー顔してんだ? 俺は腹減った!」
「クスッ……瀬菜は食いしん坊だね」
ふわりと優しい笑顔で返される。その笑顔に心から自分は悠斗のことが好きなのだと実感させられる。
複雑に考えてしまうのは、きっと自分に余裕が生れてきたからなのかもしれない。ネガティブに考え出す思考に、今日は帰ったら悠斗に甘えまくって、ポジティブになろうと勝手に思っていた。
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