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第6幕 計画は入念に、愛情込めて
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祐一さんが改めてハロウィンに乾杯と音頭を取ると、みんなでグラスを傾けチンと鳴らす。甘くて美味しいシャンパンはお子様な俺には丁度良く、お代わりしてしまうほどだった。グビグビと一気に飲み干す祐一さんは、かなりお酒が強いようで顔に似合わずそこは年齢相応だ。
しばらく歓談を楽しみ、村上はたまに写真を撮っている。大きな剣は流石に邪魔になったのか、壁に立て掛けられ飾りの一部に成り果てていた。多澤も悠斗もマントを取り外し、今やなんの仮装をしているのか分からない有様だ。そんな俺もスカートをパタパタとして風を送り込んでいた。
「佐伯さん、部屋暑くないですか? 暖房切りません?」
「暑いかな? 暖房入れていないけどな……」
悠斗が言うように暑いのだ。夜になると冷え込む気温でも、室内は大人数なのか暑くて堪らない。
「俺も結構暑い。飯食って腹いっぱいだからか?」
「三浦さんからの借り物だし、汗だくになる前に着替えたほうがいいかも」
折角の仮装パーティなのに口々に着替えたいと言い出す。みんなが立ち上がるのをぼんやりと見上げ、俺も着替えようと立ち上がる。
「……んー、なんれら?」
「瀬菜?」
フワフワした浮遊感がある。真っ直ぐ立っているはずだがピントが定まらない。傾く身体を悠斗が支えてくれていた。
「わぁっ~~。ゆうろ……ろうひてぇ~ふたいなろぉ?」
「瀬菜……もしかして酔っ払ってる?」
悠斗の言葉に佐伯さんがボトルを確認すると、しまったという顔になる。
「ああ……すまん。間違えた……」
「なにやっているの歩! しかもこれ、アルコール度数十二%じゃん! 瀬菜君かなりグピグピ飲んじゃっていたよ! フランケンシュタインだからってネジ緩みすぎだぞ!」
「そりゃ……熱くなる訳だ……」
「シャンパンにしては、パンチあったもんね~♪ 美味かったけど」
フワフワして気持ちがいい。
でも、身体が熱くて服を脱ぎたい。
みんながなんだか騒いでいるが、耳がもわーんとしていて聞き取りにくい。
「悠斗君お水お水! アルコール飲んだ分だけ飲むと次の日残りにくいから」
「瀬菜? お水飲める?」
悠斗が水と言っているが、水ってなんなのと今の俺の頭では理解できず、コテっと首を傾げる。
「……瀬菜やめて……」
やめてってなんだよ……。
俺、今超絶気分いいのに……。
悠斗の冷たい言葉にいい気分から一転、悲しくなり唇を噛み締める。
ぐらっと身体が傾き、安定感が一瞬なくなり気付くと悠斗に姫抱っこされていた。
「祐一さん、ゲストルームちょっと借りますよ」
「えっ⁉︎ あ、うん。僕お水持ってくね」
揺さぶられているうちに、頭がグワングワンと歪み世界も回り始める。安定しない脳みそが気持ちい反面、揺られたくなくてがっしりと悠斗に抱き付いてしまう。
ベッドに座らされると、悠斗は祐一さんに「変なことはしないので安心してくださいね」と、和かに微笑んでいた。心配そうにする祐一さんの話もそこそこに扉をパタリと閉め、水を手にしベッドに腰掛ける。
惚けながら悠斗を見ると、別に怒っている訳ではなさそうだが、ここに連れて来られた意味が理解できずにいた。
「ゆうたん? ろうしたの?」
「瀬菜、お口回っていないよ? 結構飲んだもんね。お水飲んで欲しいな」
「うぅーー。オレあちぃ……脱ぎらいのら!」
ゴソゴソとソックスを取ろうとして上手くいかずに腹が立つ。何度も爪先を引っ張ってバタついていると、悠斗が代わりに脱がしてくれた。パニエもシャカシャカして邪魔だ。それも悠斗が手際良く取り外し、俺を宥めるように穏やかな声を出す。
「ほら、これでいいでしょ? お水飲んでちょっと寝よ?」
「ゆうたんがのませれ」
「はぁ……地獄……」
しばらく歓談を楽しみ、村上はたまに写真を撮っている。大きな剣は流石に邪魔になったのか、壁に立て掛けられ飾りの一部に成り果てていた。多澤も悠斗もマントを取り外し、今やなんの仮装をしているのか分からない有様だ。そんな俺もスカートをパタパタとして風を送り込んでいた。
「佐伯さん、部屋暑くないですか? 暖房切りません?」
「暑いかな? 暖房入れていないけどな……」
悠斗が言うように暑いのだ。夜になると冷え込む気温でも、室内は大人数なのか暑くて堪らない。
「俺も結構暑い。飯食って腹いっぱいだからか?」
「三浦さんからの借り物だし、汗だくになる前に着替えたほうがいいかも」
折角の仮装パーティなのに口々に着替えたいと言い出す。みんなが立ち上がるのをぼんやりと見上げ、俺も着替えようと立ち上がる。
「……んー、なんれら?」
「瀬菜?」
フワフワした浮遊感がある。真っ直ぐ立っているはずだがピントが定まらない。傾く身体を悠斗が支えてくれていた。
「わぁっ~~。ゆうろ……ろうひてぇ~ふたいなろぉ?」
「瀬菜……もしかして酔っ払ってる?」
悠斗の言葉に佐伯さんがボトルを確認すると、しまったという顔になる。
「ああ……すまん。間違えた……」
「なにやっているの歩! しかもこれ、アルコール度数十二%じゃん! 瀬菜君かなりグピグピ飲んじゃっていたよ! フランケンシュタインだからってネジ緩みすぎだぞ!」
「そりゃ……熱くなる訳だ……」
「シャンパンにしては、パンチあったもんね~♪ 美味かったけど」
フワフワして気持ちがいい。
でも、身体が熱くて服を脱ぎたい。
みんながなんだか騒いでいるが、耳がもわーんとしていて聞き取りにくい。
「悠斗君お水お水! アルコール飲んだ分だけ飲むと次の日残りにくいから」
「瀬菜? お水飲める?」
悠斗が水と言っているが、水ってなんなのと今の俺の頭では理解できず、コテっと首を傾げる。
「……瀬菜やめて……」
やめてってなんだよ……。
俺、今超絶気分いいのに……。
悠斗の冷たい言葉にいい気分から一転、悲しくなり唇を噛み締める。
ぐらっと身体が傾き、安定感が一瞬なくなり気付くと悠斗に姫抱っこされていた。
「祐一さん、ゲストルームちょっと借りますよ」
「えっ⁉︎ あ、うん。僕お水持ってくね」
揺さぶられているうちに、頭がグワングワンと歪み世界も回り始める。安定しない脳みそが気持ちい反面、揺られたくなくてがっしりと悠斗に抱き付いてしまう。
ベッドに座らされると、悠斗は祐一さんに「変なことはしないので安心してくださいね」と、和かに微笑んでいた。心配そうにする祐一さんの話もそこそこに扉をパタリと閉め、水を手にしベッドに腰掛ける。
惚けながら悠斗を見ると、別に怒っている訳ではなさそうだが、ここに連れて来られた意味が理解できずにいた。
「ゆうたん? ろうしたの?」
「瀬菜、お口回っていないよ? 結構飲んだもんね。お水飲んで欲しいな」
「うぅーー。オレあちぃ……脱ぎらいのら!」
ゴソゴソとソックスを取ろうとして上手くいかずに腹が立つ。何度も爪先を引っ張ってバタついていると、悠斗が代わりに脱がしてくれた。パニエもシャカシャカして邪魔だ。それも悠斗が手際良く取り外し、俺を宥めるように穏やかな声を出す。
「ほら、これでいいでしょ? お水飲んでちょっと寝よ?」
「ゆうたんがのませれ」
「はぁ……地獄……」
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