王子×悪戯戯曲

そら汰★

文字の大きさ
上 下
224 / 716
第6幕 計画は入念に、愛情込めて

30

しおりを挟む
「乳首だけでイってみる? ずっとこうやって、コリコリしていたら腰砕けになれるかもよ?」
「うっ、ん……、そんなぁッ無理……だぁッ……はぁッ!」
「そうだ、今度ここにピアスしようか? 瀬菜の可愛い乳首なら、青いサファイアとか似合うかも」
「ダメ、痛いの……やぁんッ! あ……あッ、ひィッーー‼︎」

 ゴリッと犬歯で噛み付かれ引っ張られると、ジワッと少しだけ射精をしてしまう。

「クスッ、ちょっと出ちゃったね。びっくりしたのかな? それともピアスする想像でもした?」
「あっ、んっ……バカ……っ」

 息が整わないうちにうしろを向かされ、放たれた精液を掻き出されてしまう。どうやら今日はこれでお終いのようだ。
 期待をしていた分シュンとしてしまう。全身が燻り冷水にでも浸からなければ、落ち着きそうにない。淡い吐息をホーッと吐き出すと、悠斗は俺の唇を啄み耳元に顔を寄せた。

「瀬菜、ベッドでしよ?」

 悠斗の色気のある低音で囁かれただけで、ゾクリと身体が震える。瞳を潤ませながら、悠斗の誘いにコクリと小さく頷いた。


***


 朝目を覚ますと、隣で悠斗が俺の髪を弄りながら微笑んでいた。髪に触れる指先が妙に心地良く、瞼がまた下がってしまいそうだ。
 スリスリと悠斗の胸に頰を寄せると、頭にちゅっちゅっとキスをしてくれる。たったそれだけなのに、幸せ過ぎてベッドから出たくなくなってしまう。

「おはよう。ぐっすりだったね」
「はよ。おかげさまで……メチャ熟睡って感じ」
「三浦さん達とは、何時待ち合わせだっけ?」
「えっと……白桜駅に十三時待ち合わせ。もうちょっとこのままダラダラしてていい?」
「もちろん。俺もまだ瀬菜から離れたくない」
「へへっ……良かった♪」

 朝のこんなやり取りも久々で、顔がにやけてしまう。温かな体温に惹かれるように足を絡ませると、悠斗の股間に触れてしまう。そっと心の中で苦笑いを浮かべる。兆しをみせるそれに気付いていないふりをし、悠斗のぬくもりに大人しく浸っていた。

 布団から抜け出さずにただイチャイチャしているだけなのに、時間はどんどん過ぎていく。勉強をしているときは、一分でも長く感じるというのに、幸せな時間はあっという間だ。
 軽くご飯を食べて支度をすると、待ち合わせの時間が迫っていた。駅まで早歩きで向かうと、すでにみんな揃っており、多澤に「どうせイチャついてて遅くなったんだろ?」と、見抜かれてしまう。


 三浦さんの家に到着すると、忘れないうちに薄い本を返却しておく。瞳を輝かせながら三浦さんはアニメと本の感想を俺に要求して来た。そんな三浦さんにたじろぐ俺の代わりに、悠斗がキラキラ王子スマイルを携えながらも興奮した様子で伝えていた。

 悠斗くん……その笑顔でその卑猥極まりない発言どうかと思うぞ……。
 三浦さんも、もう少しオブラートに包んでくれないかな?

 二人はすっかり意気投合し、盛り上がりを見せている。悠斗はちゃっかり帰りに違う薄い本を借りる約束もしていた。もう一緒に見るのは勘弁して欲しい。

「話は尽きないけど時間も限られてるし、立花君からお願いできる?」

 三浦さんは俺達に待つように言うと、お茶とお菓子を振る舞ってくれた。変身過程も見てみたいが、完成した状態のほうがワクワク感が大きいというものだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)

美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!

大嫌いな幼馴染みは嫌がらせが好き

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照
BL
*表紙* 題字&イラスト:たちばな 様 (Twitter → @clockyuz ) ※ 表紙の持ち出しはご遠慮ください (拡大版は1ページ目に挿入させていただいております!) 子供の頃、諸星真冬(もろぼしまふゆ)の親友は高遠原美鶴(たかとおばらみつる)だった。 しかしその友情は、美鶴によって呆気無く壊される。 「もう放っておいてくれよっ! 俺のことが嫌いなのは、分かったから……っ!」 必死に距離を取ろうとした真冬だったが、美鶴に弱みを握られてしまい。 「怖いぐらい優しくシてやるよ」 壊れた友情だったはずなのに、肉体関係を持ってしまった真冬は、美鶴からの嫌がらせに耐える日々を過ごしていたが……? 俺様でワガママなモテモテ系幼馴染み×ツンデレ受難体質男子の、すれ違いラブなお話です! ※ アダルト表現のあるページにはタイトルの後ろに * と表記しておりますので、読む時はお気を付けください!! ※ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 ※序盤の方で少し無理矢理な表現があります……! 苦手な人はご注意ください!(ちっともハードな内容ではありません!)

契約書は婚姻届

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「契約続行はお嬢さんと私の結婚が、条件です」 突然、降って湧いた結婚の話。 しかも、父親の工場と引き替えに。 「この条件がのめない場合は当初の予定通り、契約は打ち切りということで」 突きつけられる契約書という名の婚姻届。 父親の工場を救えるのは自分ひとり。 「わかりました。 あなたと結婚します」 はじまった契約結婚生活があまー……いはずがない!? 若園朋香、26歳 ごくごく普通の、町工場の社長の娘 × 押部尚一郎、36歳 日本屈指の医療グループ、オシベの御曹司 さらに 自分もグループ会社のひとつの社長 さらに ドイツ人ハーフの金髪碧眼銀縁眼鏡 そして 極度の溺愛体質?? ****** 表紙は瀬木尚史@相沢蒼依さん(Twitter@tonaoto4)から。

その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました

海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。 しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。 偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。 御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。 これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。 【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】 【続編も8/17完結しました。】 「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785 ↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

処理中です...