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第6幕 計画は入念に、愛情込めて
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撮影部屋まで案内されると、その部屋の広さに驚く。天蓋付きの大きなベッドやゴシック調の応接セット、大きなクローゼットなどがある立派な作りだ。お金持ちは規模が違う。いや、趣味に投資する情熱が半端ないのだ。
「ちょっと用意するから待っていて?」
そう告げると三浦さんはクローゼットの中に消えた。俺と村上は手持ち無沙汰で、ソファーに腰掛け三浦さんの用意を待っていた。
「どんな格好させられるんだろ……三浦さんのテンションが恐怖でしかない」
「文化祭を思い出すね~。でもほら、お化粧もバッチリしてくれるだろうし」
「いやさ、先になにするかぐらいは教えて欲しいじゃん」
恐怖心剥き出しでそう村上に言うと、クローゼットから両手いっぱいになにかを抱えて三浦さんが現れた。
「お待たせ~♪ 瀬菜っち、ここ座って。お化粧しよ~♪」
三浦さんは鼻息荒く意気揚々としている。そんな姿に俺は青ざめながらゴクリと唾を飲み、お化粧台へと向かった。
「メイドさんも可愛らしくて良かったけど、今日は不思議系で攻めようと思うの」
何系でも構わないので、内容を是非教えてくれないだろうか。
頭にネットを被され地毛が出ないようにされると、パタパタと顔に化粧をされていく。前回は鏡もなく工程を見れなかったので、こんな風にお化粧をするのかと勉強になる。
……って俺、勉強してどうする……。
自分でやる日が来るみたいじゃないか……。
そんな突っ込みをひとりで入れながら、手際よく化粧をしていく三浦さんに感心してしまう。
目元に赤系のシャドーやラインを入れ、最後にエメラルド色と青色の左右異なるカラコンをセットされる。オッドアイのなんとも不思議な雰囲気に瞬きを繰り返す。化粧とカラコンをしただけで、ずいぶん印象が変わる。
「お化粧はこんなもんかなー。ウイッグは最後にするから、先にこれに着替えて?」
渡された服は複雑で、なにをどうしたらいいのやら。
「あの……これどうやって着るの? どこに袖を通したらいいのかも不明だけど……」
「あっ、そうだよね。えっとこれが見本!」
三浦さんは薄い冊子のような本を渡してきた。
「う……もしかして俺、このキャラやるの?」
その表紙には、ウサ耳に黄金色のような金髪の中性的なキャラクターが、アンニュイな表情をしているイラストが描かれていた。
少し長めのふわりとした金髪。胸元がはだけた短めな白いシャツの上に、短い黒の複雑そうなベスト。黒のショートパンツに、スラリと伸びた脚には黒いニーハイソックス。厚底の靴がさらに脚の長さを引き立てている。
幼く可愛らしいが、どことなく色気があり、見たことのないキャラクターだった。バニーガールの男の子バージョンのようにも見える。
「エロ可愛いでしょ? 最近人気のアニメキャラなんだけど知ってる?」
「いや、全然知らない。俺、あんまりアニメ見ないから」
「俺知っているかも。弟達が見ていた気がする。内容はよく分からないけど、ちらっと見たとき映像が凄く綺麗だなって思った」
「そうなのよー! キャラデザもいいし、ストーリーも面白いんだよ? 録画したのあるから帰りにあげるね♪」
三浦さんは興奮気味にそのアニメの良さを俺達に伝えてくる。
「ちょっと用意するから待っていて?」
そう告げると三浦さんはクローゼットの中に消えた。俺と村上は手持ち無沙汰で、ソファーに腰掛け三浦さんの用意を待っていた。
「どんな格好させられるんだろ……三浦さんのテンションが恐怖でしかない」
「文化祭を思い出すね~。でもほら、お化粧もバッチリしてくれるだろうし」
「いやさ、先になにするかぐらいは教えて欲しいじゃん」
恐怖心剥き出しでそう村上に言うと、クローゼットから両手いっぱいになにかを抱えて三浦さんが現れた。
「お待たせ~♪ 瀬菜っち、ここ座って。お化粧しよ~♪」
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「メイドさんも可愛らしくて良かったけど、今日は不思議系で攻めようと思うの」
何系でも構わないので、内容を是非教えてくれないだろうか。
頭にネットを被され地毛が出ないようにされると、パタパタと顔に化粧をされていく。前回は鏡もなく工程を見れなかったので、こんな風にお化粧をするのかと勉強になる。
……って俺、勉強してどうする……。
自分でやる日が来るみたいじゃないか……。
そんな突っ込みをひとりで入れながら、手際よく化粧をしていく三浦さんに感心してしまう。
目元に赤系のシャドーやラインを入れ、最後にエメラルド色と青色の左右異なるカラコンをセットされる。オッドアイのなんとも不思議な雰囲気に瞬きを繰り返す。化粧とカラコンをしただけで、ずいぶん印象が変わる。
「お化粧はこんなもんかなー。ウイッグは最後にするから、先にこれに着替えて?」
渡された服は複雑で、なにをどうしたらいいのやら。
「あの……これどうやって着るの? どこに袖を通したらいいのかも不明だけど……」
「あっ、そうだよね。えっとこれが見本!」
三浦さんは薄い冊子のような本を渡してきた。
「う……もしかして俺、このキャラやるの?」
その表紙には、ウサ耳に黄金色のような金髪の中性的なキャラクターが、アンニュイな表情をしているイラストが描かれていた。
少し長めのふわりとした金髪。胸元がはだけた短めな白いシャツの上に、短い黒の複雑そうなベスト。黒のショートパンツに、スラリと伸びた脚には黒いニーハイソックス。厚底の靴がさらに脚の長さを引き立てている。
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「エロ可愛いでしょ? 最近人気のアニメキャラなんだけど知ってる?」
「いや、全然知らない。俺、あんまりアニメ見ないから」
「俺知っているかも。弟達が見ていた気がする。内容はよく分からないけど、ちらっと見たとき映像が凄く綺麗だなって思った」
「そうなのよー! キャラデザもいいし、ストーリーも面白いんだよ? 録画したのあるから帰りにあげるね♪」
三浦さんは興奮気味にそのアニメの良さを俺達に伝えてくる。
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