185 / 716
第5幕 噂の姫乃ちゃん
48
しおりを挟む
はぁ……なにも言えねぇー。
俺、祐一さんにはいっぱい恩があるからな……。
悠斗と祐一さのノリノリなプランで、話がどんどん進んでいき次回の約束をさせられてしまった。
月曜までホテルでゆっくりしてってと言われたものの、学校があるため早めに帰ることにした。着替えるために紙袋を開封する。そこには明らかに女性用のワンピースが入っている。
「瀬菜君ならきっと可愛いかなーって思って、見た瞬間思わず買っちゃった♪」
「祐一さん良いセンスですね。瀬菜着れる? 手伝うからベッドルーム行こうか」
不満を叫びたい俺だが祐一さんの前ではなにも言えず、大人しく頷くと姫抱っこでベッドルームに連れて行かれた。祐一さんはワクワクと期待に満ちた表情で、ソファーにちょこんと座りにっこりしながら手を振っていた。
「瀬菜立っていられる? 俺に掴まっていて?」
「本当に着なきゃダメかな。祐一さんには否定的なこと言えないけど、なぜ女性用をわざわざ選んだんだろ」
「瀬菜が嫌って言えば無理強いはしないと思うよ? ほら、姫抱っこしてても女の子なら恥ずかしくないし、いいアイデアだと思うけどな」
「そっか、祐一さん俺のこと考えて選んでくれたのか。腰立たなくなるの見透かされていたのは恥ずいけど」
「そういうことだね。どうする? けどその場合、帰りはバスローブになっちゃうけど」
「うっ……着る……。でも笑うなよ! 化粧だってする訳じゃないしさ」
悠斗に手伝ってもらい細かい白い水玉模様の、黒のシフォンワンピースに身を包む。ウイッグもしっかりと用意されおり、ボブタイプの栗色だった。短いソックスを履き昨日の靴に足を通す。
「うん。また違った可愛さだね♡ お化粧しなくてもどこから見ても女の子」
「俺って分からない?」
「うん、俺には分かるけどね? 早速祐一さんに見てもらおう?」
祐一さんの居るリビングに悠斗に支えながらなんとか歩くと、ぴょんぴょん跳ねながら騒ぎ出す祐一さんが可愛い可愛いとご満悦だった。
「あはははは……そんなに喜んでもらって……リアクションに困ります。それとあの……パンツがないんですけど……」
そう伝えると、ぽやんとし首を傾げている。
「……あっ……ごめん、買い忘れてた……えへへっ」
祐一さんは結構おとぼけさんらしい。
苦笑いしていると悠斗が他人事に言う。
「まぁ、隠れてるし大丈夫だよ」
「お願いです。帰り掛けに買ってください……」
スースーと昨日以上に心許ない股間に、内股気味にパンツを要望する。
悠斗曰く、家に帰るだけだし問題ないよ……と片付けられてしまった。
立花の人間って変態ばっかりなんじゃ……。
問題ないってなんだよ……大アリだ……。
なんならお前もブラブラさせてみろ‼︎
今後、悠斗の言いつけ守ることが本当に正しいことなのか、不安に思う俺であった……。
俺、祐一さんにはいっぱい恩があるからな……。
悠斗と祐一さのノリノリなプランで、話がどんどん進んでいき次回の約束をさせられてしまった。
月曜までホテルでゆっくりしてってと言われたものの、学校があるため早めに帰ることにした。着替えるために紙袋を開封する。そこには明らかに女性用のワンピースが入っている。
「瀬菜君ならきっと可愛いかなーって思って、見た瞬間思わず買っちゃった♪」
「祐一さん良いセンスですね。瀬菜着れる? 手伝うからベッドルーム行こうか」
不満を叫びたい俺だが祐一さんの前ではなにも言えず、大人しく頷くと姫抱っこでベッドルームに連れて行かれた。祐一さんはワクワクと期待に満ちた表情で、ソファーにちょこんと座りにっこりしながら手を振っていた。
「瀬菜立っていられる? 俺に掴まっていて?」
「本当に着なきゃダメかな。祐一さんには否定的なこと言えないけど、なぜ女性用をわざわざ選んだんだろ」
「瀬菜が嫌って言えば無理強いはしないと思うよ? ほら、姫抱っこしてても女の子なら恥ずかしくないし、いいアイデアだと思うけどな」
「そっか、祐一さん俺のこと考えて選んでくれたのか。腰立たなくなるの見透かされていたのは恥ずいけど」
「そういうことだね。どうする? けどその場合、帰りはバスローブになっちゃうけど」
「うっ……着る……。でも笑うなよ! 化粧だってする訳じゃないしさ」
悠斗に手伝ってもらい細かい白い水玉模様の、黒のシフォンワンピースに身を包む。ウイッグもしっかりと用意されおり、ボブタイプの栗色だった。短いソックスを履き昨日の靴に足を通す。
「うん。また違った可愛さだね♡ お化粧しなくてもどこから見ても女の子」
「俺って分からない?」
「うん、俺には分かるけどね? 早速祐一さんに見てもらおう?」
祐一さんの居るリビングに悠斗に支えながらなんとか歩くと、ぴょんぴょん跳ねながら騒ぎ出す祐一さんが可愛い可愛いとご満悦だった。
「あはははは……そんなに喜んでもらって……リアクションに困ります。それとあの……パンツがないんですけど……」
そう伝えると、ぽやんとし首を傾げている。
「……あっ……ごめん、買い忘れてた……えへへっ」
祐一さんは結構おとぼけさんらしい。
苦笑いしていると悠斗が他人事に言う。
「まぁ、隠れてるし大丈夫だよ」
「お願いです。帰り掛けに買ってください……」
スースーと昨日以上に心許ない股間に、内股気味にパンツを要望する。
悠斗曰く、家に帰るだけだし問題ないよ……と片付けられてしまった。
立花の人間って変態ばっかりなんじゃ……。
問題ないってなんだよ……大アリだ……。
なんならお前もブラブラさせてみろ‼︎
今後、悠斗の言いつけ守ることが本当に正しいことなのか、不安に思う俺であった……。
1
お気に入りに追加
236
あなたにおすすめの小説
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
当たって砕けていたら彼氏ができました
ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。
学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。
教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。
諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
ハッピーエンド
藤美りゅう
BL
恋心を抱いた人には、彼女がいましたーー。
レンタルショップ『MIMIYA』でアルバイトをする三上凛は、週末の夜に来るカップルの彼氏、堺智樹に恋心を抱いていた。
ある日、凛はそのカップルが雨の中喧嘩をするのを偶然目撃してしまい、雨が降りしきる中、帰れず立ち尽くしている智樹に自分の傘を貸してやる。
それから二人の距離は縮まろうとしていたが、一本のある映画が、凛の心にブレーキをかけてしまう。
※ 他サイトでコンテスト用に執筆した作品です。
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
浮気されてもそばにいたいと頑張ったけど限界でした
雨宮里玖
BL
大学の飲み会から帰宅したら、ルームシェアしている恋人の遠堂の部屋から聞こえる艶かしい声。これは浮気だと思ったが、遠堂に捨てられるまでは一緒にいたいと紀平はその行為に目をつぶる——。
遠堂(21)大学生。紀平と同級生。幼馴染。
紀平(20)大学生。
宮内(21)紀平の大学の同級生。
環 (22)遠堂のバイト先の友人。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる