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第5幕 噂の姫乃ちゃん
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『只今より、第◯△回白桜祭を開催します。全校生徒の皆さんは速やかに所定の位置につき、準備を進めてください。また、白桜南高校生らしく……』
村上が表に出てすぐにアナウンスが流れ文化祭の幕が上がった。
「始まっちゃったね……柳君はオープンには間に合わないか」
「それならそれで完璧に仕上げようじゃないですか!」
裏方に回った衣装組の二人が気合を入れ始め、俺にエプロンと両手首にフリフリな小物を着けて行く。白のニーハイソックスを履いき、少しヒールのあるパンプスに足を通す。お化粧を施され、つけまつ毛もセットされる。フワフワなウエーブとカールが巻かれたウイッグを装着し、カチューシャをセットされていく。
「柳君上向いて? カラコン入れるね?」
「俺、コンタクトしたことないんだ。……痛い?」
「大丈夫だよ~。すぐ慣れるから。ホイできた~♪」
「カラコンってサングラスみたいに世界の色変わると思ってた。不思議だな~」
「ヤダ~! 天然? 瞳孔のところは色が抜いてあるから普段と変わらないよ?」
「そうなんだ。コンタクトは違和感ないけど、う~つけまつ毛パサパサしてまぶた重い。女子って大変だな?」
「それも慣れだよ。擦らないようにね? お化粧も崩れちゃうから。じゃ立って鏡見てみて?」
姿見の前に立ち視線を向けると、自分ではない自分がそこに映っていた。
………嘘だろ? 思いっきり女子じゃん!
これなら男って絶対バレない!
それに俺っぽくない‼︎
沢山フリルとリボンが付いた可愛らしいメイド服に、フワフワな長い髪が揺れてスラリと伸びた細い脚がヒールとスカートの短さでさらに長く見える。本当に自分なのだろうかと驚きだ。
「お化粧の力って半端ないんだな。これじゃ絶対に俺って分からないよね?」
「いやー素材っしょ! 誰も柳君だとは思わないね。喋んなければ完璧に女子だし。喋ってもまぁ男の娘的な?」
「本当本当~♪ いやー癒しだわ!」
くるりと回転しうしろ姿も見てみるが、やはり女子にしか見えない。
「瀬菜っちできた?」
三浦さんがひょこっりと顔を出し、進行状況を確認してくる。目を丸めてクッ~~ッと感嘆の声を上げる三浦さんは男装の麗人から一変、だらしない表情で地団駄を踏み興奮している。
「私の目に狂いはなかった!」
「ねぇ……スカートの中スースーするから、パンツやっぱ履き替えてもいい?」
ハイタッチを繰り広げるみんなは、俺の言葉に鬼のような形相で口を揃えて言葉を発した。
「「「ダメに決まっているでしょ‼︎」」」
速攻却下されました……。
「これ名刺! ニックネームは姫乃ね。接客したお客様にも名刺配ってアピールだよ? エプロンのポケットに入れとくから。喋らなくてもいいけど、笑顔は忘れないように!」
「……ははっ……頑張るよ……」
「じゃ、姫乃ちゃん、フロアーもう満員で外に行列出始めてるから行こうか!」
すっと三浦さんに手を差し伸べられ、表に出るように促される。慣れないヒールで歩き始めはグラついてしまい助かるが、男としては複雑な気持ちだ。
三浦さんが言ったように、まだ一時間も経っていないのに席は満席で、写真をお客さんと撮ったり、和やかに会話したり、お茶を提供したりと結構慌ただしそうだ。
大丈夫かなと不安になると三浦さんは姫乃ちゃんは初心者だから、村上君……じゃなくて、夏子ちゃんと一緒にお菓子出したりお客さんと会話したりしてと説明を受けた。
「夏子ちゃ~ん。ちょっと来て~」
村上が表に出てすぐにアナウンスが流れ文化祭の幕が上がった。
「始まっちゃったね……柳君はオープンには間に合わないか」
「それならそれで完璧に仕上げようじゃないですか!」
裏方に回った衣装組の二人が気合を入れ始め、俺にエプロンと両手首にフリフリな小物を着けて行く。白のニーハイソックスを履いき、少しヒールのあるパンプスに足を通す。お化粧を施され、つけまつ毛もセットされる。フワフワなウエーブとカールが巻かれたウイッグを装着し、カチューシャをセットされていく。
「柳君上向いて? カラコン入れるね?」
「俺、コンタクトしたことないんだ。……痛い?」
「大丈夫だよ~。すぐ慣れるから。ホイできた~♪」
「カラコンってサングラスみたいに世界の色変わると思ってた。不思議だな~」
「ヤダ~! 天然? 瞳孔のところは色が抜いてあるから普段と変わらないよ?」
「そうなんだ。コンタクトは違和感ないけど、う~つけまつ毛パサパサしてまぶた重い。女子って大変だな?」
「それも慣れだよ。擦らないようにね? お化粧も崩れちゃうから。じゃ立って鏡見てみて?」
姿見の前に立ち視線を向けると、自分ではない自分がそこに映っていた。
………嘘だろ? 思いっきり女子じゃん!
これなら男って絶対バレない!
それに俺っぽくない‼︎
沢山フリルとリボンが付いた可愛らしいメイド服に、フワフワな長い髪が揺れてスラリと伸びた細い脚がヒールとスカートの短さでさらに長く見える。本当に自分なのだろうかと驚きだ。
「お化粧の力って半端ないんだな。これじゃ絶対に俺って分からないよね?」
「いやー素材っしょ! 誰も柳君だとは思わないね。喋んなければ完璧に女子だし。喋ってもまぁ男の娘的な?」
「本当本当~♪ いやー癒しだわ!」
くるりと回転しうしろ姿も見てみるが、やはり女子にしか見えない。
「瀬菜っちできた?」
三浦さんがひょこっりと顔を出し、進行状況を確認してくる。目を丸めてクッ~~ッと感嘆の声を上げる三浦さんは男装の麗人から一変、だらしない表情で地団駄を踏み興奮している。
「私の目に狂いはなかった!」
「ねぇ……スカートの中スースーするから、パンツやっぱ履き替えてもいい?」
ハイタッチを繰り広げるみんなは、俺の言葉に鬼のような形相で口を揃えて言葉を発した。
「「「ダメに決まっているでしょ‼︎」」」
速攻却下されました……。
「これ名刺! ニックネームは姫乃ね。接客したお客様にも名刺配ってアピールだよ? エプロンのポケットに入れとくから。喋らなくてもいいけど、笑顔は忘れないように!」
「……ははっ……頑張るよ……」
「じゃ、姫乃ちゃん、フロアーもう満員で外に行列出始めてるから行こうか!」
すっと三浦さんに手を差し伸べられ、表に出るように促される。慣れないヒールで歩き始めはグラついてしまい助かるが、男としては複雑な気持ちだ。
三浦さんが言ったように、まだ一時間も経っていないのに席は満席で、写真をお客さんと撮ったり、和やかに会話したり、お茶を提供したりと結構慌ただしそうだ。
大丈夫かなと不安になると三浦さんは姫乃ちゃんは初心者だから、村上君……じゃなくて、夏子ちゃんと一緒にお菓子出したりお客さんと会話したりしてと説明を受けた。
「夏子ちゃ~ん。ちょっと来て~」
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