王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第5幕 噂の姫乃ちゃん

07

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「瀬菜そういう冗談毎回言うのやめて? 素直じゃないとお姫様の格好させるよ?」
「良かったな瀬菜。夫婦漫才みたいな撮影できんじゃん」
「むぅ~~! 多澤がうち来たときは、クッキーにワサビ挟んだお菓子出してやる!」
「柳ちゃん、ネタバラシしたら食べてもらえないじゃん!」

 しまった! と思うが、すでに言ってしまった言葉は取り消せない。ならば飲み物に仕込むまでだ。いつも口では多澤に敵わない俺は密かにほくそ笑んでいた。


 昼休みはあっという間で、教室に戻ると眠気を我慢しつつ午後の授業を乗り切った。来週からは文化祭準備週間で午後から授業がなくなる。出し物などが本格的で屋台も沢山出店される。中学生の頃とは規模も違うので、今からワクワクが止まらない。
 やることも多いが、授業も少なくなるので嬉しい気持ちが倍増だ。悠斗との時間が減ってしまうのは寂しいが、土日の休みで充電しようと浮つく気持ちを抑えられずにいた。


 放課後、悠斗のクラスは衣装のチェックで残らなければならないらしく、村上と先に帰ることになった。

「王子のところは衣装の用意が大変そうだよね」
「そうだな。うちのクラスもそろそろ衣装合わせあってもいいよな?」
「どんなデザインかね? 休み明けには上がって来るんじゃない? 柳ちゃん、王子と最近すれ違い気味だけど寂しくない?」
「寂しくない訳じゃないけど、俺には村上からこの間教えてもらったおまじないがあるから平気! それに、今は友達のお前が隣に居るしな!」

 村上から教わったおまじないは俺の気持ちを元気にしてくれていた。
 笑顔で言う俺に村上は安心したような顔をする。

「そっか良かった。文化祭まであと少しだし、しんどくなったら相談してね♪」
「うん、ありがとう。そういえば村上は飾り作り進んでる?」
「あはは~……まぁ~ボチボチ?」
「その反応あんまりだろ! 女子に怒られるぞ~」
「だぁね~。土日に弟達に手伝ってもらおうかな」
「それがいいよ……サボると当日休憩なくなりそうだし……」

 家まで到着してから違和感に気付く。

「なぁ……ところでさ、なんで村上俺んちまで来たんだ?」
「えっ、今? 王子から仰せつかった使命があってね? ナイトみたいな?」
「ナイト? 夜? 用事頼まれているなら寄って行けない? お前も大変だな……」
「夜⁉︎ いやいや違うっしょ! まぁ、用事は今終わったみたいなもんだし……お邪魔してもいい?」
「ん? なんだよ変な奴だな?」

 村上の謎の返しに首を傾げるが、用が済んだなら問題ないかと家に上がってもらった。
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