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第5幕 噂の姫乃ちゃん
06
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「当日だけってことは、一緒に回る時間あんましないのかな?」
「そこは時間作ってもらう。瀬菜の休憩時間分かったら教えて?」
「うん。お前作るの早くね?」
「ふふっ、こういう単純作業結構好きなんだ」
文化祭もなんだかんだ一ヶ月後だ。早々に優斗と文化祭の約束をし、二人でフラワーポンポン作りに没頭した。
色々な色を重ね段々に折ったあと、輪ゴムで真ん中を止めて両端に丸くハサミを入れてから広げる。紙を中から起こしていくと、ポップで可愛らしいお花ができあがる。
「華やかだね。フワフワでいっぱい飾ったら雰囲気出そう」
「うん。透明な紐とか付けて、天井から吊るしたりするんだって」
「へー、瀬菜も執事姿でお店出るの? 接客しているときに行きたいな」
「一応みんなの分用意するって。夏休み中に色々用意していたみたいだし。あっ、悠斗がうちのクラスに来たらいい宣伝になりそう」
「ふふふっ、瀬菜のクラスに貢献できる? 楽しみだなー♪」
「俺も悠斗のクラス、村上と行くから!」
作業をしているうちに日も暮れ、おふくろが戻ると夕飯を三人で食べてから悠斗は自分の家に帰って行った。
***
悠斗と俺は夏休み中のようにべったりとはいかず、文化祭準備で帰宅時間が合わない日もあった。その分お昼休みは屋上で悠斗と多澤、村上と俺の四人で過ごすことが多くなった。
まぁ……夏休みがイレギュラーだった訳だけど……。
身体の負担が軽減されて、俺ってば逆に元気過ぎてしまう。
気がかりなのは悠斗がいつ爆発するかだな……。
「結局さ、悠斗のクラスなにするの?」
「王子んとこはアレじゃん? 王子が居る訳だし!」
村上の言葉に悠斗は苦笑いでため息を吐くと、多澤が代弁するように答えてくれる。
「うちのクラス、お客さんと一緒に仮装して写真撮るっていう撮影スタジオ」
ほかにはない変わった模様しものだ。
「いいアイデアだな。悠斗は着るもの決まったのか?」
「あー……うん。この間の衣装合わせで王子の格好させられた……」
悠斗の言葉に俺と村上は吹き出してしまう。
「へへっ、そのままじゃん‼」
「王子が王子ってベタだね。けど長蛇の列できそうだ~ね」
「それを見込んで一応先着順で人数制限はするんだと。まぁ、お客さんだけ仮装して撮影できるから、出突っ張りにはならねぇと思うけど」
先着順となると早く行かなければならない。うちのクラスのスケジュールでは中々厳しそうだ。
「瀬菜には先にチケットあげるね?」
「俺は貰えないの? 俺も王子と撮りたい!」
「なんで僕が村上君とツーショット撮らなきゃいけないの?」
「それなら俺のチケット村上にやるよ。俺、恥ずいし……」
そう言う俺の本心は言動とは実際違っていた。
悠斗が王子で俺が執事であれば撮影するには丁度いいではないか。
「そこは時間作ってもらう。瀬菜の休憩時間分かったら教えて?」
「うん。お前作るの早くね?」
「ふふっ、こういう単純作業結構好きなんだ」
文化祭もなんだかんだ一ヶ月後だ。早々に優斗と文化祭の約束をし、二人でフラワーポンポン作りに没頭した。
色々な色を重ね段々に折ったあと、輪ゴムで真ん中を止めて両端に丸くハサミを入れてから広げる。紙を中から起こしていくと、ポップで可愛らしいお花ができあがる。
「華やかだね。フワフワでいっぱい飾ったら雰囲気出そう」
「うん。透明な紐とか付けて、天井から吊るしたりするんだって」
「へー、瀬菜も執事姿でお店出るの? 接客しているときに行きたいな」
「一応みんなの分用意するって。夏休み中に色々用意していたみたいだし。あっ、悠斗がうちのクラスに来たらいい宣伝になりそう」
「ふふふっ、瀬菜のクラスに貢献できる? 楽しみだなー♪」
「俺も悠斗のクラス、村上と行くから!」
作業をしているうちに日も暮れ、おふくろが戻ると夕飯を三人で食べてから悠斗は自分の家に帰って行った。
***
悠斗と俺は夏休み中のようにべったりとはいかず、文化祭準備で帰宅時間が合わない日もあった。その分お昼休みは屋上で悠斗と多澤、村上と俺の四人で過ごすことが多くなった。
まぁ……夏休みがイレギュラーだった訳だけど……。
身体の負担が軽減されて、俺ってば逆に元気過ぎてしまう。
気がかりなのは悠斗がいつ爆発するかだな……。
「結局さ、悠斗のクラスなにするの?」
「王子んとこはアレじゃん? 王子が居る訳だし!」
村上の言葉に悠斗は苦笑いでため息を吐くと、多澤が代弁するように答えてくれる。
「うちのクラス、お客さんと一緒に仮装して写真撮るっていう撮影スタジオ」
ほかにはない変わった模様しものだ。
「いいアイデアだな。悠斗は着るもの決まったのか?」
「あー……うん。この間の衣装合わせで王子の格好させられた……」
悠斗の言葉に俺と村上は吹き出してしまう。
「へへっ、そのままじゃん‼」
「王子が王子ってベタだね。けど長蛇の列できそうだ~ね」
「それを見込んで一応先着順で人数制限はするんだと。まぁ、お客さんだけ仮装して撮影できるから、出突っ張りにはならねぇと思うけど」
先着順となると早く行かなければならない。うちのクラスのスケジュールでは中々厳しそうだ。
「瀬菜には先にチケットあげるね?」
「俺は貰えないの? 俺も王子と撮りたい!」
「なんで僕が村上君とツーショット撮らなきゃいけないの?」
「それなら俺のチケット村上にやるよ。俺、恥ずいし……」
そう言う俺の本心は言動とは実際違っていた。
悠斗が王子で俺が執事であれば撮影するには丁度いいではないか。
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