王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第4幕 盛り沢山な夏休み

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「そういえば瀬菜、うさ耳着けなくて良かったの?」
「へっ⁉︎ ヤダよ! あーいうのは女の子が着けるから可愛いんだろ!」
「えっ? 瀬菜も可愛いよ。絶対似合うのにな♡」
「お前、昨日ショップで見ていただろ! お土産交換に選ぶなよ! コンセプトは自分も欲しいものだからな!」
「ああっ! 瀬菜盗み見~! 反則にはお仕置きだよ?」

 頬を両手で押さえられ、今にもキスをしてきそうな悠斗を躱す。

「……ちょっと見えちゃったんだ! でも同じショップ内だと見ちゃうし、ほかにもグッツ売ってる店舗あるから、お土産買うのは別々の店にしねぇ?」
「それもそうだけど……なにかあったら電話してね?」
「おうっ! もう十五時過ぎたし、これ飲んだら買い物しよ! で、待ち合わせはエントランスのココな! ベンチもあったしそこで一時間後に合流でいい?」
「うん、分かった。その前に瀬菜、そのまま動かないで?」

 まさかこんなところで、キスとか止めろよ……。
 しばらくお別れだからとか言いそう~~っ‼︎

 そんな俺の想像とは異なり、ヘアピンを取り手ぐしで髪を撫でられる。

「絶叫系乗ったから髪が乱れてる」
「ああ……なんだ、またエロいことされるかと思ったじゃん」
「うわー酷い! 人を歩く卑猥物みたいに言わないでくれる?」
「いや……日頃の行いだろ……?」

 フンと顎を反らす俺に、悠斗は目を細めて言ってくる。

「……瀬菜ってばエッチ。エロい期待に添えなくて残念だったね?」

 髪をセットし終わった悠斗は、俺の唇をひとなでしニヤリと笑う。色気のある瞳で見られた俺は、真っ赤になり俯いてしまう。

 うぅ……その顔、俺弱いんだよなぁ……。
 悠斗にエッチ禁止したとはいえ、俺もそうとう?

 下肢がソワソワし出す前に立ち上がり、これ以上煽られないようにお先にと、目当てのショップにひとり急いで駆け出した。



 うーんどうしたものか……。
 ベタにマスコットのキーホルダーにするか?
 イヤイヤ……結構みんな付けてるからなぁ。

 俺、現在猛烈に悩み中です。

 取り敢えず昨日ざっと見たときに、目星を付けていたみんなへのお土産を購入してから、悠斗とお揃いのなにかを物色しています。

 おじさんとおばさん、両親には何個あっても困らない夫婦系マグマップをチョイスし、美久さんにはウサギのピアスを選んだ。多澤と村上にはウサギーランドキャラのナノブロック。祐一さんと佐伯さんにはちょっと豪華なボールペンをそれぞれに。あとは学校用のお菓子をいくつか。
 意外と一時間はあっという間で、どうしたものかと悩んでしまう。ストラップとかスマホケースにしようかなと見て回り、コレだと思えるものにやっとこ出会えた。
 ウキウキと会計を済ませ集合場所に行くと、すでに悠斗はベンチに座ってスマホを弄っていた。

「ごめん! ちょっと時間オーバーした」
「ううん、大丈夫かなって今連絡しようと思っていたところ。いっぱい買ったね?」
「結構悩んじゃって。悠斗は意外と少ないな?」
「うん、小ぶりのものと家にはあんまり買わなかったから」
「結構満喫できたし、暗くなる前に帰る?」
「そうだね。泊まりだったから十分楽しめたよね」
「だよな。楽しかった~♪ 荷物回収して帰ろう~」
「うん。お土産半分持つよ?」

 悠斗はさり気なく重そうな袋を俺の手から取っていく。

 悠斗も疲れてるのに……。
 本当に優しいな……。

 うしろから悠斗の背中を見つめこっそりと微笑む。
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