王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第4幕 盛り沢山な夏休み

09

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 夏のホテルは空調が効きすぎていて少し寒い。
 布団を手繰り寄せようとすると、ぬくもりを感じて抱きしめる。

 アレ……昨日は別々に寝たから……コレはなんだろう……。

 ギュッと抱え込まれ寝ぼけながらも、スリスリと頭を擦り付ける。今何時だと時計を確認しようと身を捩り起き上がろうとすると、身体をロックされて動けなくなる。

 なんで悠斗、俺のベッドに居るんだ……。
 別々に寝ようって言ったのは悠斗なのに、昨日の挙動不審な態度といい……。

「ん……瀬菜……まだ早いよ……もうちょっと寝よ……」
「んー……寒い……」

 なんでかな~と思いながらも眠くて堪らず、布団を肩まで掛けられ抱きしめ返されると、ぬくぬくと熱を与えられすぐに眠ってしまった。



 時間になると優しく起こされ、パークに向かうために支度をする。チェックアウトも済まさなければならない。若干バタバタしてしまう。パークに向かうバスは早い割に結構混んでおり、椅子には座れず立ちながらになってしまった。

「瀬菜まだ眠そうだね? 昨日はいっぱい寝たのに」
「うーん。眠い……飯食べたから余計に。そういえばお前、なんで俺のベッドに潜り込んでいたんだ?」
「ああ、まぁ……なんとか治ったしね。大変だったけど……」

 なにをおさめたの? なにが大変⁇
 いいけどさ……ベッド結局ほとんど一台しか使わなかったな……。

 急停車するバスに身体がぐらっとすれば、悠斗が支えてくれて倒れずに済む。

「危なッ、わり……俺、平衡感覚ないのかな?」
「大丈夫? 眠いからじゃない? 危ないからちゃんと手すり持っていてね?」

 自分の体感を疑問に思ってしまうが、悠斗がサポートしてくれるので安心だ。そうこうしているうちにパークに到着し、荷物をロッカーに預けると、優待特典の入場口に並び開場を待つ。
 今日もお天気は快晴で、日差しが朝から強く並んでいるだけで汗をかいてしまう。ハンカチで額の汗をぬぐい、ハッと思い出して悠斗にお願いをする。

「悠斗、コレまた着けて! あとコレも!」
「瀬菜……持って来てくれたの? ふふっ嬉しい♪」

 巾着に入った悠斗にプレゼントされたブレスレットを取り出すと、手首に巻きフックを掛けてもらう。次に初デート記念のヘアピンを着けてもらう。今日は横に流してバッテンにしようかと、器用にアレンジをしてくれる。
 二人で並びランドの背景をうしろに、記念を兼ねて自撮りする。

「うん、いい感じ~♪」
「よく撮れてる。瀬菜は写真上手に撮るよね」
「へへっ、俺の唯一の特技だな。それより悠斗くん、プランだよ。一番最初どこ行く⁉︎」
「そうだね~瀬菜くん、森の狼の絶叫コースターが人気だしそこ一番かな? 並んでたらパスを先に取って、幻想ペガサス夢飛行ってのはどう?」
「うん、いいプランだね。それで決まりだ! いっぱい乗れたらいいな♪」


 悠斗の読みが良かったのか、午前中だけでも五つもアトラクションに乗ることができた。昼ご飯は食べ歩きで人気のフードを堪能する。一番美味しかったのが骨付きの原始人が食べてるようなスモークされた肉だった。
 午後からも効率的に沢山アトラクションに乗り、終始テンション高めで園内を回った。流石に疲れて来ると、カフェに入り休憩しながら足を休ませる。
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