116 / 716
第4幕 盛り沢山な夏休み
09
しおりを挟む
夏のホテルは空調が効きすぎていて少し寒い。
布団を手繰り寄せようとすると、ぬくもりを感じて抱きしめる。
アレ……昨日は別々に寝たから……コレはなんだろう……。
ギュッと抱え込まれ寝ぼけながらも、スリスリと頭を擦り付ける。今何時だと時計を確認しようと身を捩り起き上がろうとすると、身体をロックされて動けなくなる。
なんで悠斗、俺のベッドに居るんだ……。
別々に寝ようって言ったのは悠斗なのに、昨日の挙動不審な態度といい……。
「ん……瀬菜……まだ早いよ……もうちょっと寝よ……」
「んー……寒い……」
なんでかな~と思いながらも眠くて堪らず、布団を肩まで掛けられ抱きしめ返されると、ぬくぬくと熱を与えられすぐに眠ってしまった。
時間になると優しく起こされ、パークに向かうために支度をする。チェックアウトも済まさなければならない。若干バタバタしてしまう。パークに向かうバスは早い割に結構混んでおり、椅子には座れず立ちながらになってしまった。
「瀬菜まだ眠そうだね? 昨日はいっぱい寝たのに」
「うーん。眠い……飯食べたから余計に。そういえばお前、なんで俺のベッドに潜り込んでいたんだ?」
「ああ、まぁ……なんとか治ったしね。大変だったけど……」
なにをおさめたの? なにが大変⁇
いいけどさ……ベッド結局ほとんど一台しか使わなかったな……。
急停車するバスに身体がぐらっとすれば、悠斗が支えてくれて倒れずに済む。
「危なッ、わり……俺、平衡感覚ないのかな?」
「大丈夫? 眠いからじゃない? 危ないからちゃんと手すり持っていてね?」
自分の体感を疑問に思ってしまうが、悠斗がサポートしてくれるので安心だ。そうこうしているうちにパークに到着し、荷物をロッカーに預けると、優待特典の入場口に並び開場を待つ。
今日もお天気は快晴で、日差しが朝から強く並んでいるだけで汗をかいてしまう。ハンカチで額の汗をぬぐい、ハッと思い出して悠斗にお願いをする。
「悠斗、コレまた着けて! あとコレも!」
「瀬菜……持って来てくれたの? ふふっ嬉しい♪」
巾着に入った悠斗にプレゼントされたブレスレットを取り出すと、手首に巻きフックを掛けてもらう。次に初デート記念のヘアピンを着けてもらう。今日は横に流してバッテンにしようかと、器用にアレンジをしてくれる。
二人で並びランドの背景をうしろに、記念を兼ねて自撮りする。
「うん、いい感じ~♪」
「よく撮れてる。瀬菜は写真上手に撮るよね」
「へへっ、俺の唯一の特技だな。それより悠斗くん、プランだよ。一番最初どこ行く⁉︎」
「そうだね~瀬菜くん、森の狼の絶叫コースターが人気だしそこ一番かな? 並んでたらパスを先に取って、幻想ペガサス夢飛行ってのはどう?」
「うん、いいプランだね。それで決まりだ! いっぱい乗れたらいいな♪」
悠斗の読みが良かったのか、午前中だけでも五つもアトラクションに乗ることができた。昼ご飯は食べ歩きで人気のフードを堪能する。一番美味しかったのが骨付きの原始人が食べてるようなスモークされた肉だった。
午後からも効率的に沢山アトラクションに乗り、終始テンション高めで園内を回った。流石に疲れて来ると、カフェに入り休憩しながら足を休ませる。
布団を手繰り寄せようとすると、ぬくもりを感じて抱きしめる。
アレ……昨日は別々に寝たから……コレはなんだろう……。
ギュッと抱え込まれ寝ぼけながらも、スリスリと頭を擦り付ける。今何時だと時計を確認しようと身を捩り起き上がろうとすると、身体をロックされて動けなくなる。
なんで悠斗、俺のベッドに居るんだ……。
別々に寝ようって言ったのは悠斗なのに、昨日の挙動不審な態度といい……。
「ん……瀬菜……まだ早いよ……もうちょっと寝よ……」
「んー……寒い……」
なんでかな~と思いながらも眠くて堪らず、布団を肩まで掛けられ抱きしめ返されると、ぬくぬくと熱を与えられすぐに眠ってしまった。
時間になると優しく起こされ、パークに向かうために支度をする。チェックアウトも済まさなければならない。若干バタバタしてしまう。パークに向かうバスは早い割に結構混んでおり、椅子には座れず立ちながらになってしまった。
「瀬菜まだ眠そうだね? 昨日はいっぱい寝たのに」
「うーん。眠い……飯食べたから余計に。そういえばお前、なんで俺のベッドに潜り込んでいたんだ?」
「ああ、まぁ……なんとか治ったしね。大変だったけど……」
なにをおさめたの? なにが大変⁇
いいけどさ……ベッド結局ほとんど一台しか使わなかったな……。
急停車するバスに身体がぐらっとすれば、悠斗が支えてくれて倒れずに済む。
「危なッ、わり……俺、平衡感覚ないのかな?」
「大丈夫? 眠いからじゃない? 危ないからちゃんと手すり持っていてね?」
自分の体感を疑問に思ってしまうが、悠斗がサポートしてくれるので安心だ。そうこうしているうちにパークに到着し、荷物をロッカーに預けると、優待特典の入場口に並び開場を待つ。
今日もお天気は快晴で、日差しが朝から強く並んでいるだけで汗をかいてしまう。ハンカチで額の汗をぬぐい、ハッと思い出して悠斗にお願いをする。
「悠斗、コレまた着けて! あとコレも!」
「瀬菜……持って来てくれたの? ふふっ嬉しい♪」
巾着に入った悠斗にプレゼントされたブレスレットを取り出すと、手首に巻きフックを掛けてもらう。次に初デート記念のヘアピンを着けてもらう。今日は横に流してバッテンにしようかと、器用にアレンジをしてくれる。
二人で並びランドの背景をうしろに、記念を兼ねて自撮りする。
「うん、いい感じ~♪」
「よく撮れてる。瀬菜は写真上手に撮るよね」
「へへっ、俺の唯一の特技だな。それより悠斗くん、プランだよ。一番最初どこ行く⁉︎」
「そうだね~瀬菜くん、森の狼の絶叫コースターが人気だしそこ一番かな? 並んでたらパスを先に取って、幻想ペガサス夢飛行ってのはどう?」
「うん、いいプランだね。それで決まりだ! いっぱい乗れたらいいな♪」
悠斗の読みが良かったのか、午前中だけでも五つもアトラクションに乗ることができた。昼ご飯は食べ歩きで人気のフードを堪能する。一番美味しかったのが骨付きの原始人が食べてるようなスモークされた肉だった。
午後からも効率的に沢山アトラクションに乗り、終始テンション高めで園内を回った。流石に疲れて来ると、カフェに入り休憩しながら足を休ませる。
0
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【本編完結】隣国が戦を仕掛けてきたので返り討ちにし、人質として王女を娶ることになりました。三国からだったのでそれぞれの王女を貰い受けます。
しろねこ。
恋愛
三国から攻め入られ、四面楚歌の絶体絶命の危機だったけど、何とか戦を終わらせられました。
つきましては和平の為の政略結婚に移ります。
冷酷と呼ばれる第一王子。
脳筋マッチョの第二王子。
要領良しな腹黒第三王子。
選ぶのは三人の難ありな王子様方。
宝石と貴金属が有名なパルス国。
騎士と聖女がいるシェスタ国。
緑が多く農業盛んなセラフィム国。
それぞれの国から王女を貰い受けたいと思います。
戦を仕掛けた事を後悔してもらいましょう。
ご都合主義、ハピエン、両片想い大好きな作者による作品です。
現在10万字以上となっています、私の作品で一番長いです。
基本甘々です。
同名キャラにて、様々な作品を書いています。
作品によりキャラの性格、立場が違いますので、それぞれの差分をお楽しみ下さい。
全員ではないですが、イメージイラストあります。
皆様の心に残るような、そして自分の好みを詰め込んだ甘々な作品を書いていきますので、よろしくお願い致します(*´ω`*)
カクヨムさんでも投稿中で、そちらでコンテスト参加している作品となりますm(_ _)m
小説家になろうさんでも掲載中。
有能社長秘書のマンションでテレワークすることになった平社員の俺
高菜あやめ
BL
【マイペース美形社長秘書×平凡新人営業マン】会社の方針で社員全員リモートワークを義務付けられたが、中途入社二年目の営業・野宮は困っていた。なぜならアパートのインターネットは遅すぎて仕事にならないから。なんとか出社を許可して欲しいと上司に直談判したら、社長の呼び出しをくらってしまい、なりゆきで社長秘書・入江のマンションに居候することに。少し冷たそうでマイペースな入江と、ちょっとビビりな野宮はうまく同居できるだろうか? のんびりほのぼのテレワークしてるリーマンのラブコメディです
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない
バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《 根暗の根本君 》である地味男である< 根本 源 >には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染< 空野 翔 >がいる。
ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない??
イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる