王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第4幕 盛り沢山な夏休み

02

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 流れるプールはゆったりとしていて、夏の日差しはキツイけど水に浸かっている部分が冷たくて気持ちがいい。浮き輪を二個借りようとしたが、悠斗に一つでいいと言われた。悠斗は俺が乗る浮き輪に腕を掛け、人にあたりそうになると方向転換をしてくれている。

「悠斗、交代する?」
「ううん、平気だよ? なんかゲームしてるみたいで楽しいし」
「ゲーム? なにそれ。悠斗がいいなら……まぁ俺はプカプカできて楽ちんだけど♪」
「ふふっ、瀬菜を障害物から守れみたいな? それにこうやって瀬菜と密着できるし」

 悠斗は俺のお腹に手を回しギュッと抱きついてくる。男同士でも側から見れば友達同士でじゃれ合っているようにも……見えなくはないはず……。

 にしても……どんなゲームだよ。
 周りの方々ごめんなさい。
 悠斗にしたら皆さまは障害物らしいです……。

 流れに身を任せるのも飽き始めた頃、お昼を食べることにした。身体の内部が冷え切ってしまうといけないからと、温かいものをチョイスする。

「ラーメンうまーー♪」
「日差しで塩分抜けちゃっているから、濃いめで丁度いいね」
「だなー♪ あ、悠斗のチャーシューもーらい♪」
「ああっ! 瀬菜酷い! なら俺は半熟タマゴいただきます♪」
「あー! 俺の好物! 半熟タマゴは最強食材なんだぞ‼︎」
「ふふっ♪ 半熟タマゴが最強って、瀬菜ってば本当に欲がないんだから」

 ひとしきり食材について口論すると、お腹も満たされパラソルの下で長椅子に腰掛け休憩をする。満腹なのと水で体力が意外と奪われておりウトウトしてしまう。



「……な……せーな……起きて。起きないとみんなの前で、ちゅうするよ?」

 不穏な気配を感じ一気に覚醒できました!
 パチッと目を見開くと悠斗が覗き込み、肩を揺すっておりました。

「なんかその反応、傷付くんだけど……」

 俺の俊敏さに悠斗は凹んだ様子だ。

「はははぁ~。なんか本能的に危機を感じて……。てか俺寝てた! 超スッキリ!」
「うん、この暑い中でよく寝てたよね。まぁ、二十分ぐらいだしお昼寝には丁度いいかな?」
「あ~~気持ち良かった~♪ 暑くても眠いものは眠いんだ。悠斗は寝た?」
「俺は瀬菜見て癒されていた。まぁちょっと疲れさせないとね?」

 疲れさせる? なんで?

 ハテナマークが飛び交うが元気になった俺は、今度は二人で乗ることができる、ウォータースプラッシュの浮き輪バージョンに誘った。二つの穴が空いている浮き輪に乗り込み滑り落ちるので、一緒に楽しめるし、なんといっても最後の水溜りに身体が沈まないのがいい!
 それはそれは楽しくて、三回も階段を往復することになった。

「ヤバイ楽しかった! 二人で笑えていいよな!」
「うん、瀬菜の笑い声引っ切りなしで、俺はそっちのが面白かったけどね」
「だってお腹ピクピクして、笑いが止まらかったんだよ。男がぎゃ~って叫ぶのダサいじゃんか!」
「誰もそんなの気にしないのに。もう一回乗る?」
「流石にもういいや。上まで階段登るの結構シンドイし」
「そうだね。明日は遊園地ゾーンで結構歩くし、今日は温室で身体温めてからホテルに行こ」
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