王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第2幕 逃亡劇の果てに

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「瀬菜、ほっぺにケチャップ付いているよ」
「へっ? どこ?」

 手の甲で拭おうとすると、腕を掴まれ苦笑いされる。悠斗は頬に顔を寄せ、ペロリと舐め取ると満足そうに微笑んでいる。
 甘い雰囲気に俺は舐められた頰を押さえ真っ赤になる。

「ケチャップだけでも美味しいなんて、朝から幸せだよね♡」
「お前……黙ってとっとと食べろよ!」
「照れてる瀬菜も可愛いなー♡」
「~~~~!」

 悠斗のペースに巻き込まれないように、目の前の食事を黙々と食べることに専念した。


 どの料理も凄く美味しくて、いつも以上に食べてしまう。流石に食べ過ぎてしまい、座っているのがシンドくて堪らない。

「もう食べられないや……。残すの勿体ないなー」
「でも気持ち悪くなったら、もっと勿体ないことになるからやめておこ?」
「だよなー。横になりたいーー」
「歯磨きしたら、もうちょっと眠る?」
「それ大賛成ー‼︎」
 
 歯磨きををしながらふと洗面台の鏡を見ると、身体中キスマークだらけでびっくりする。

「……マジでかよ……これ明日までに取れるかな……?」

 プールの授業が月曜日になかったか、授業の内容を思い浮かべホッとする。首の痣が酷く制服の襟で隠れますようにと祈り、付いてしまったものはどうしようもないかと諦める。
 口をゆすぎベッドルームにひとり先に向かい、キングサイズのベッドにダイブした。昨夜あまり味わえなかったこともあり、フカフカな感触と大きさにご満悦だ。
 悠斗はホテルの従業員に食べ終えた食事を片してもらうと、ベッドルームではしゃぐ俺の姿にクスクスと笑い寝転び、自分の横をポンポンと叩いて俺を呼び寄せた。

「こんなに広いのに、なんだよ……」
「瀬菜ってツンデレだけど、デレが少ない……。早く来ないとまた色んなところ縛るよ?」

 笑顔で恐ろしいことを言い出す悠斗に危険を感じ、ウッと声を詰まらせる。

「いっ……行きます……」

 ゴロゴロと転がりながら、悠斗の元に辿り着くと、胸に顔を埋めて恥ずかしさを隠す。

「んー。ちょっと違うかも……」
「えっ? なにが?」

 悠斗は起き上がると俺をしばら眺め頷き、自身の服を脱ぎ捨て裸になり、俺のバスローブも脱がせていった。

 まさか……またエッチするんじゃ……。

 つい数時間前まで味わった快感を思い出し、身体中がビリビリとしてしまう。

「おっ……俺、無理だからな! マジで苦しいからリバースするし!」
「……違うし。ほら、腕枕。ここ来て」

 オズオズと悠斗の腕に頭を置くと、ギュッと抱きしめられる。

「うん、このほうが瀬菜を感じらて気持ちいい……」

 スンスンと鼻を鳴らし、悠斗は俺の髪にちゅちゅとキスをしてくる。胸の中に収まった俺も悠斗のぬくもりを感じ、胸元にスリスリと頭を擦り付ける。お互いの熱でお互いを感じ、お腹がいっぱいだったこともあり、すぐに眠気が訪れてしまう。

「……もう寝ちゃった。可愛い……おやすみ、瀬菜……」
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