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第2幕 逃亡劇の果てに
08
しおりを挟む俺、男子高校生から──奴隷にジョブチェンジしました。
「瀬菜、取り敢えずフェラして?」
ドヤ顔で悠斗は俺にそう言ってきた。
「はぁ……フェラ? なんだよそれ」
「そっか、瀬菜だった。フェラはフェラチオのことだよ? えっと、フェラチオの基本的なやり方は、この可愛いお口を広げて、俺のおちんちん咥えてから、舌で舐める。それから、唇を窄めて舌をおちんちんに絡めながら、お口から出し入れするんだよ? 分かったかな?」
唇をちょんちょんと人差し指で突きながら、悠斗は懇切丁寧にフェラのやり方を俺に伝授した。
「それじゃ、ペニス舐めて?」
「……お前、馬鹿なの? 親友に対してちんこ舐めろはなくね?」
「でもほら、なんでもいうこと聞いてくれるんでしょ? 奴隷だし」
自分が言ってしまったことを後悔する。
取り敢えず椅子に座る悠斗の足元に跪き、お許しを得ようと試みているのです。
ここに至るまでに押し問答しましたが、俺は逆らえません。
俺は悠斗を振り回した挙句、周りの言葉を鵜呑みにし、大親友を傷付けた最低人間だからです。
でもね、俺も男の子ですよ?
「なぜ私がご奉仕いたさねばならぬのか……理解しかねます」
「傷ついた主人の心と身体を癒やすのは、奴隷の務めじゃない? 奴隷は主人のいうこと聞くものだし、聞かない奴隷がどうなるか知ってる?」
でもね、悠斗くん。
手始めに取り敢えずフェラしてって……なんですかね?
男が男のを舐めるって……あまり、イヤかなり聞きませんよ?
そんなに今溜まってるってことですか?
逃げられない状況に、覚悟を決め浴衣の前を開き下着をずらす。半勃ち状態でも大きいペニスに、ゴクリと唾を飲み込む。唇を開け迎え入れようとするが、いざ目の前にするとやはり躊躇してしまう。
どれぐらい悠斗のペニスを凝視していたか分からないが、先に痺れを切らした悠斗は俺の頬に両手を伸ばしてきた。
「瀬菜……こっち向いて」
顔を上げると悠斗の指先が唇を撫でてくる。
「緊張して唇……乾いちゃっているね」
そのまま指が唇を伝い顎を固定すると、自然と開いた口腔に親指を入れられた。舌先を拭われ口腔を蹂躙されると、親指が出ていき乾いた唇に潤いを与えられる。口腔を嬲られただけのことなのに、なぜか快感が生まれ、もっと舐めていたくなる。
離れて行く親指を追いかけるように舌先を出すと、悠斗の舌先で絡め取られ唇を塞がれた。ちゅっ、くちゅと音をさせる口付けに、息を忘れてしまうほど酔いしれた。
「ん……んっ……」
悠斗の舌が歯列をなぞり、舌を愛撫する度にお互いの唾液がこぼれ落ちそうになる。下唇を甘噛みされ、優しい口付けに変わる頃、二度三度と啄ばむようにチュッチュとキスを交わす。うっとりとしながら瞼を開けると、悠斗は俺様な態度から一変、柔らかな声で囁いた。
「今はこれで許してあげる。口直しもできたしね。浴衣着付け直すから立って?」
「あ……う、ん」
口内の甘い痺れが取れていないのか、空返事をしノロノロと立ち上がると、悠斗に浴衣の紐を外されぼーっとしている間に綺麗に着付け直されていた。
「はい、できたよ。俺も直すからちょっと待っていて?」
「えっ、あー……うん……」
んん?
──ちょっと……待てよ?
この間もそういえば……。
内容がハードなことばかりだったから、すっかりスルーしていたけど……。
俺って悠斗に……。
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