15 / 716
第1幕 物知り王子と無知な俺 〜高校一年生編〜
13
しおりを挟む「これならさっき一緒に入れば良かったな。したら悠斗のも洗えたし」
「そうだけど、まさか瀬菜があんなコントみたいに転げるとは思わなかったし、すぐに出て行くつもりだったから。でもこうして入るのも久々だね」
そう言われれば確かに久々だ。
悠斗とは昔はこうして良く一緒に風呂に入ったものだ。中学後半頃からだったか、自然と別々に入るようになっていた。丁度、身体の作りの変化を感じ、恥じらいを持つようになってからだった。
「うん、そうだな。けど俺、自分があんなに小心者だとは思わなかった」
「ふふっ……、ごめんね? 脅かしちゃって」
そう言って頭を洗い上げると、美容院でやるときみたいに悠斗の手が首筋に掛かる。
その瞬間──。
「ひゃっぁん‼︎」
咄嗟的に手で口を抑えたものの、女の子みたいな声が出てしまった。気付かれてはないかなと、冷静を保ちつつ大人しくしてみる。
首って人に触られると、こそばゆいんだよな。
「──んッ、んっーっ!」
ちょっ、ちょい待ち!
「……首……弱い?」
──こいつ! 確信犯かよっ‼︎
シャンプーのヌメリと微妙な指使いで、何度も撫で上げてくる悠斗に泣きそうになってしまう。
ゾクゾクとする感覚に全身が震えてしまう。それと同時に自分のものが少し勃ちあがってしまい、ばれないように膝を合わせて隠す。シャワーの音と一緒に泡が排水溝に流れていく。俯いて水の流れをしばらく見つめ無心になろうと瞼を閉じた。
「はい、終わり。ちゃんとお詫び、できたかな?」
「う、うん……さ、サンキュー……先上がっていてよ。おっ、俺、身体洗ってから出るし」
先ほど洗ったばかりだが、兆しているのを悟られないように嘘をつく。赤らむ顔を背けぶっきら棒に早く出て行けと促すと、くすくす笑われてしまう。
「それじゃ先に二階に行っているね?」
「うん、すぐに俺も行くよ……」
パタンと扉が閉じる音がすると、詰めていた息を大きく吐き出し力を抜く。
下に視線を向けると、タオル越しでも分かるほど勃ち上がっているペニスに動揺してしまう。
──ヤバイ……ちっちゃくなんない……。
これ、昨日と同じようにしたら……縮まるかな……。
悠斗があんなことするからだ。
今までこんなことなかったのにな……。
ゴクンと喉を鳴らす。
昨日覚えたばかりの快感を思い出し、タオルを取って恐る恐るペニスに手を伸ばす。
「……瀬菜?」
名前を呼ぶ声にビクッと肩を跳ねさせ目を見開く。サーっと血の気が引き身体が硬直した。気配は確かになかったはずだ。ここには居ないはずの声の主が、うしろから覗き込んでいる。
「ねぇ、自分でするの?」
クスクスと笑い官能を引き出すような美声が鼓膜に注がれた。
──ヒドイっ! 騙されたっ!
二階行くってっ!
俺は悠斗の声にただただ身をすくめ、固まるのが精一杯だった。
1
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
愛する者の腕に抱かれ、獣は甘い声を上げる
すいかちゃん
BL
獣の血を受け継ぐ一族。人間のままでいるためには・・・。
第一章 「優しい兄達の腕に抱かれ、弟は初めての発情期を迎える」
一族の中でも獣の血が濃く残ってしまった颯真。一族から疎まれる存在でしかなかった弟を、兄の亜蘭と玖蘭は密かに連れ出し育てる。3人だけで暮らすなか、颯真は初めての発情期を迎える。亜蘭と玖蘭は、颯真が獣にならないようにその身体を抱き締め支配する。
2人のイケメン兄達が、とにかく弟を可愛がるという話です。
第二章「孤独に育った獣は、愛する男の腕に抱かれ甘く啼く」
獣の血が濃い護は、幼い頃から家族から離されて暮らしていた。世話係りをしていた柳沢が引退する事となり、代わりに彼の孫である誠司がやってくる。真面目で優しい誠司に、護は次第に心を開いていく。やがて、2人は恋人同士となったが・・・。
第三章「獣と化した幼馴染みに、青年は変わらぬ愛を注ぎ続ける」
幼馴染み同士の凛と夏陽。成長しても、ずっと一緒だった。凛に片思いしている事に気が付き、夏陽は思い切って告白。凛も同じ気持ちだと言ってくれた。
だが、成人式の数日前。夏陽は、凛から別れを告げられる。そして、凛の兄である靖から彼の中に獣の血が流れている事を知らされる。発情期を迎えた凛の元に向かえば、靖がいきなり夏陽を羽交い締めにする。
獣が攻めとなる話です。また、時代もかなり現代に近くなっています。
なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる