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第1幕 物知り王子と無知な俺 〜高校一年生編〜
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リビングのソファーでバラエティー番組を見ながら寛いでいると、風呂から戻った悠斗が隣に腰掛けた。ボディーソープとシャンプーのいい香りを纏う悠斗は、まさに水も滴るいい女もとい、いい男だ。お前は本当に高校一年生なのか? と思ってしまう。上半身裸で特にジム通いをしている訳でもないのに、鍛えあげられ引き締まった身体は、羨ましいとしかいいようがない。
「お前、Tシャツ置いといただろ?」
「暑くて無理。誰も見ていないし」
「俺が見るだろが!」
「瀬菜には見られても、別に……ね?」
「うわぁ~、なんの嫌味だよ」
俺の貧弱な身体を揶揄しているのか、クスクス笑う悠斗に風邪でも引いてしまえと悪態を付き、汗臭い自分にゲンナリするとフローラル男子になるために俺も風呂に向かった。
鏡に写る自分と先ほどの悠斗の引き締まった体型の違いに、がっくりと肩を落としてしまう。
悠斗は見えないところまでパーフェクトだよな……。
俺も鍛えたほうがいい気がする。
なにをしたら、ああなるのやら。
貧相という訳ではないが、ガタイがいい訳でもない細身な標準体系。
腕を曲げて頑張って力こぶを出そうとしていると、突然ガタンッと扉が開く。
「うゎぁっ‼︎ な、なに‼︎」
今日のホラー映画のワンシーンのような登場をする悠斗に、俺は思わず叫び声を上げ、洗い場の風呂椅子から滑り落ちる。人間突然のことには驚く習性があるらしい。いくらホラーが好きな俺でも、不意打ちを喰らえばこのザマだ。
「……大丈夫?」
「ビックリした──! なんだよ急に……ポルターガイストかと思ったわ!」
お尻を思いきり床にぶつけた俺に近づく悠斗は、お尻を撫でてくる。
微妙にくすぐったいんですけど!
てか、俺裸なんですけど!
いくらお前でも恥ずいわ!
「ちょっと……大丈夫だから、さわんなよ!」
「凄い綺麗な着地だったけど、痛そうだし心配で……」
そう悠斗は言いながら、俺のお尻の具合を確かめてくる。
「本当に、平気だってば……てか、いきなりどうしたんだよ」
「あぁ、そうそうおばさんから電話があって、緊急外来が入ったから今日も帰れないって伝えてくれって」
「おふくろ? そんなの風呂上がってからでいいだろ?」
「まぁ、そうなんだけど……それと……これのことで聞きたくて」
「それって……へっ⁉︎」
悠斗の手の中にある物を見て、俺の頭の中ハテナマークで一杯です。
それも風呂上がってからで良くない?
そんな急を要することなのか?
「これってパッケージなかったの?」
「袋に入ってただけで、元々そんなのなかったけど……。なんで? やっぱ使い方分からない?」
「ん? 分からなくはないけど、どこのメーカーのかなって。まぁいいや……折角だし、頭洗ってあげるよ。ビックリさせたお詫びを兼ねて」
シャカシャカとリズミカルに洗われてます。
あー気持ちいいー。
人の手ってやっぱり繊細で凄いよな。
結局悠斗は濡れるからと先ほど入ったにもかかわらず全裸になり、腰にタオルを巻いた状態だ。俺も昨日見られてるとはいえ、恥ずかしいので息子はちゃんとベールに包んでいます。
「お前、Tシャツ置いといただろ?」
「暑くて無理。誰も見ていないし」
「俺が見るだろが!」
「瀬菜には見られても、別に……ね?」
「うわぁ~、なんの嫌味だよ」
俺の貧弱な身体を揶揄しているのか、クスクス笑う悠斗に風邪でも引いてしまえと悪態を付き、汗臭い自分にゲンナリするとフローラル男子になるために俺も風呂に向かった。
鏡に写る自分と先ほどの悠斗の引き締まった体型の違いに、がっくりと肩を落としてしまう。
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腕を曲げて頑張って力こぶを出そうとしていると、突然ガタンッと扉が開く。
「うゎぁっ‼︎ な、なに‼︎」
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「……大丈夫?」
「ビックリした──! なんだよ急に……ポルターガイストかと思ったわ!」
お尻を思いきり床にぶつけた俺に近づく悠斗は、お尻を撫でてくる。
微妙にくすぐったいんですけど!
てか、俺裸なんですけど!
いくらお前でも恥ずいわ!
「ちょっと……大丈夫だから、さわんなよ!」
「凄い綺麗な着地だったけど、痛そうだし心配で……」
そう悠斗は言いながら、俺のお尻の具合を確かめてくる。
「本当に、平気だってば……てか、いきなりどうしたんだよ」
「あぁ、そうそうおばさんから電話があって、緊急外来が入ったから今日も帰れないって伝えてくれって」
「おふくろ? そんなの風呂上がってからでいいだろ?」
「まぁ、そうなんだけど……それと……これのことで聞きたくて」
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それも風呂上がってからで良くない?
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「ん? 分からなくはないけど、どこのメーカーのかなって。まぁいいや……折角だし、頭洗ってあげるよ。ビックリさせたお詫びを兼ねて」
シャカシャカとリズミカルに洗われてます。
あー気持ちいいー。
人の手ってやっぱり繊細で凄いよな。
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