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疲れが取れきれていなかったのか、いつの間にか眠っていた。外はすっかり薄暗くなっている。鎮痛剤が効いているのか、腰の痛みは緩和され重だるい程度だ。
クローゼットから大きなパーカーを引っ張り出し勝手に着ると寝室を抜け、リビングに向かうが住人達は戻っていない様子だ。そのまま洗面所へ行き、自分と久々に対面する。パーカーの襟口を引っ張り首を反らす。
「……はぁ……、キスマークだらけじゃん……」
鏡に映る自分の姿に呆れてしまう。自分にではなく、もちろん双子にだ。
こんなことになるとは、数ヶ月前までは思ってもいなかった。それでも自分は受け入れた。そして受け入れる以上に今は求めてしまう。昨日は告白はしたものの、今後のことを放置してしまった。うやむやにすれば、自分の性格上無駄に考えてしまうのは目に見えている。
一応学習能力はあるつもりだ。ひとりで考えても仕方ない。
「これ、蒼海のだよな。よくもまぁ育ったもんだ」
太もも辺りまですっぽり身を包むブカブカなパーカーの裾を広げ、小さな双子を脳裏に浮かべる。腕捲りをし洗面所をあとにすると、リビングに山積みにされた段ボールを漁り始めた。
おお、これは笑えない……。
てか……あいつらなに持っているんだよ……。
リビングの床に座り込み三つの段ボールを並べると、片っ端から床へ広げていく。
「あっ、あった! アルバムぐらい作ればいいのに」
サビついた長方形のお菓子缶に、目当ての写真が入っていた。無造作に放り込まれた写真は日付が入っているものもあるが、順番もなにもあったものではない。ご両親は忙しいと聞いている。きっとアルバムにする時間もなかったのだろう。
当時の二人の悲しそうな顔が蘇ってくる。愛情に飢えたような目をしていた。けれど、生まれたばかりの姿や成長する過程の写真が存在するということは、全く愛されていなかったという訳ではないような気もする。
一枚一枚丁寧に確認していると、自然と頬が緩みニヤついてしまう。好きという気持ちは不思議なものだ。これを見て二人の感情までは読み取れないが、多少なりとも過去に触れることができたような気分になる。それは心の中を温かくしてくれる。
そうこうしているうちに玄関から物音が聞こえ振り返ると、呆れた様子の双子がリビングの入り口付近で佇んでいた。
「ただい……ま……って、なにやっているの……」
「うわぁ~、派手にやらかしたね?」
「よっ、おかえりー」
クローゼットから大きなパーカーを引っ張り出し勝手に着ると寝室を抜け、リビングに向かうが住人達は戻っていない様子だ。そのまま洗面所へ行き、自分と久々に対面する。パーカーの襟口を引っ張り首を反らす。
「……はぁ……、キスマークだらけじゃん……」
鏡に映る自分の姿に呆れてしまう。自分にではなく、もちろん双子にだ。
こんなことになるとは、数ヶ月前までは思ってもいなかった。それでも自分は受け入れた。そして受け入れる以上に今は求めてしまう。昨日は告白はしたものの、今後のことを放置してしまった。うやむやにすれば、自分の性格上無駄に考えてしまうのは目に見えている。
一応学習能力はあるつもりだ。ひとりで考えても仕方ない。
「これ、蒼海のだよな。よくもまぁ育ったもんだ」
太もも辺りまですっぽり身を包むブカブカなパーカーの裾を広げ、小さな双子を脳裏に浮かべる。腕捲りをし洗面所をあとにすると、リビングに山積みにされた段ボールを漁り始めた。
おお、これは笑えない……。
てか……あいつらなに持っているんだよ……。
リビングの床に座り込み三つの段ボールを並べると、片っ端から床へ広げていく。
「あっ、あった! アルバムぐらい作ればいいのに」
サビついた長方形のお菓子缶に、目当ての写真が入っていた。無造作に放り込まれた写真は日付が入っているものもあるが、順番もなにもあったものではない。ご両親は忙しいと聞いている。きっとアルバムにする時間もなかったのだろう。
当時の二人の悲しそうな顔が蘇ってくる。愛情に飢えたような目をしていた。けれど、生まれたばかりの姿や成長する過程の写真が存在するということは、全く愛されていなかったという訳ではないような気もする。
一枚一枚丁寧に確認していると、自然と頬が緩みニヤついてしまう。好きという気持ちは不思議なものだ。これを見て二人の感情までは読み取れないが、多少なりとも過去に触れることができたような気分になる。それは心の中を温かくしてくれる。
そうこうしているうちに玄関から物音が聞こえ振り返ると、呆れた様子の双子がリビングの入り口付近で佇んでいた。
「ただい……ま……って、なにやっているの……」
「うわぁ~、派手にやらかしたね?」
「よっ、おかえりー」
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