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──沈黙する。
不穏な冷たい空気が漂っている。
動揺し過ぎて言わなくてもいいことまで言ってしまった。
「……尚君。気持ち良かったら許していたの? 射精はしたの? 尚君のちんこは節操がないからね」
「し、してねぇって! 痛かったんだよ!」
「指で痛い? 雪ちゃんのうしろのお口、僕達のをあんなに美味しそうに頬張っていたのに? それ本当に指だった? 佐藤君のちんこを挿れていたんでしょ?」
「ちっ、違うってッ!! てか、お前らにとやかく言われたくない」
ぶすっと頬を膨らませ口を尖らす。そもそも俺はこいつらの恋人でもなんでもない。浮気をしたときのような言い訳をする必要も、こんなに焦る必要もないのだ。
「俺、お前らのもんじゃねぇもん……」
「可愛くないな。雪ちゃんはとっくの昔に僕達のものだよ」
「はあ? 昔? いつそんな約束をした」
「尚君忘れっぽいから。まぁ思い出さなくても、僕達のものにするのは変わらないから問題ないけどね」
「いや、問題大ありですよ」
双子はニヤリと笑い、ジリジリと俺を追い詰めていく。背中に手すりがぶつかる。
「ふふっ……遠慮しないでいいんだよ?」
「愛してるだけじゃ、納得できない?」
耳元で交互に甘い言葉が囁かれる。
「──ッ……それは……お前達の気持ちだろ……」
「そう? なら雪ちゃんのここはなんでこんなになっているの?」
「えっ……?」
「想像しちゃったの? 僕達に愛されること。それとも……」
ツーッとズボンの膨らみを二本の指先が形を辿るように這わされる。ビクンッと身体が跳ねると、陰茎が膨張しズボンの前を押し上げていた。
「これ、は……ッ、その……」
「「尚雪」」
ゾクッと鼓膜から低音の囁く声が身体中に響き渡る。媚薬のように身体中を駆け巡り下肢にピリピリと降りかかる。
ガクンと膝が崩れると、空気が抜ける風船のように地面にへにゃりとくず折れる。
顎を掬われ上向かされると、欲情した面差しで見つめ返してしまう。ほんのり開く俺の唇に交互に口付けし、満足そうに見下ろす双子の姿に惚けてしまう。
すげぇ……綺麗だな。
左右対象だ……。
見惚れていた自分にハッとすると、俯き震えながら両肩を抱き締める。
「どうする? 雪ちゃんに選ばせてあげる」
「僕達、尚君優先だから。優しいでしょ?」
雄の顔を振り撒きながら、優しい言葉で投げかけられる。触れたいのはお前らだろと心の中で悪態を付く。けれどそれは俺も同じだ。
逃げられないのは分かっている。双子からも自分自身からも。唇をギュッと噤むと小さな声で呟く。
「……外はいやだ……ベッドに連れていけ……」
不穏な冷たい空気が漂っている。
動揺し過ぎて言わなくてもいいことまで言ってしまった。
「……尚君。気持ち良かったら許していたの? 射精はしたの? 尚君のちんこは節操がないからね」
「し、してねぇって! 痛かったんだよ!」
「指で痛い? 雪ちゃんのうしろのお口、僕達のをあんなに美味しそうに頬張っていたのに? それ本当に指だった? 佐藤君のちんこを挿れていたんでしょ?」
「ちっ、違うってッ!! てか、お前らにとやかく言われたくない」
ぶすっと頬を膨らませ口を尖らす。そもそも俺はこいつらの恋人でもなんでもない。浮気をしたときのような言い訳をする必要も、こんなに焦る必要もないのだ。
「俺、お前らのもんじゃねぇもん……」
「可愛くないな。雪ちゃんはとっくの昔に僕達のものだよ」
「はあ? 昔? いつそんな約束をした」
「尚君忘れっぽいから。まぁ思い出さなくても、僕達のものにするのは変わらないから問題ないけどね」
「いや、問題大ありですよ」
双子はニヤリと笑い、ジリジリと俺を追い詰めていく。背中に手すりがぶつかる。
「ふふっ……遠慮しないでいいんだよ?」
「愛してるだけじゃ、納得できない?」
耳元で交互に甘い言葉が囁かれる。
「──ッ……それは……お前達の気持ちだろ……」
「そう? なら雪ちゃんのここはなんでこんなになっているの?」
「えっ……?」
「想像しちゃったの? 僕達に愛されること。それとも……」
ツーッとズボンの膨らみを二本の指先が形を辿るように這わされる。ビクンッと身体が跳ねると、陰茎が膨張しズボンの前を押し上げていた。
「これ、は……ッ、その……」
「「尚雪」」
ゾクッと鼓膜から低音の囁く声が身体中に響き渡る。媚薬のように身体中を駆け巡り下肢にピリピリと降りかかる。
ガクンと膝が崩れると、空気が抜ける風船のように地面にへにゃりとくず折れる。
顎を掬われ上向かされると、欲情した面差しで見つめ返してしまう。ほんのり開く俺の唇に交互に口付けし、満足そうに見下ろす双子の姿に惚けてしまう。
すげぇ……綺麗だな。
左右対象だ……。
見惚れていた自分にハッとすると、俯き震えながら両肩を抱き締める。
「どうする? 雪ちゃんに選ばせてあげる」
「僕達、尚君優先だから。優しいでしょ?」
雄の顔を振り撒きながら、優しい言葉で投げかけられる。触れたいのはお前らだろと心の中で悪態を付く。けれどそれは俺も同じだ。
逃げられないのは分かっている。双子からも自分自身からも。唇をギュッと噤むと小さな声で呟く。
「……外はいやだ……ベッドに連れていけ……」
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