上 下
133 / 161
第8章 想いに×砂糖は清らかであれ5%

12

しおりを挟む
 ペロリと唇を舐めあげ恍惚とした顔付きをする宮下に、郁哉の肌はゾワゾワと鳥肌を立てた。

「郁……お前はどんな風に鳴くんだろうなぁ~」

 宮下相手に快感など不要だが、流石に郁哉は青褪めた。
 アナルが濡れるといっても、それは郁哉が昂ぶっていなければ潤わない。後孔は解されていないどころか、ローションすら与えられていないのだ。
 嫌な汗が全身から吹き出てくる。

「──やめッ、やめろッ! 離せッ!」
「あー、それだぁ……もっと喚けッ! 俺を昂ぶらせろッ!」

 狂喜に声を張り上げる宮下から、郁哉はただでは済まないことを思い知る。
 昔から他人を蔑み萎縮させ、気に入らなければ癇癪を起こし暴力で従わせるような男だった。けれど郁哉に対してはなぜか違っていた。
 それは精神的に追い詰め頃合いを見計らい、郁哉自ら陥落することを待ち侘びていたからだ。まるで蜘蛛の巣に掛かった哀れな羽虫だ。

「真っ白で柔らけぇいいケツだぁ……。その割に良く締まりそうだぜ。この小せぇ穴が血塗れになったら、さぞ映えるだろうなぁ~」
「──いッ! うぅ……」

 宮下の手指がみずみずしい果実をもぐように、尻たぶを割り開らいていき、爪が肉を刺すようにギリギリと食い込んでいく。
 痛みに顔を歪めると、身体に力が入り衝撃に備えることすら叶わない。

(……那津……ごめん……俺、那津だけのものでいたかった……)

 唇を噛み締めながらきつく瞼を閉じ床に顔を埋めると、悲鳴など上げるものかと最後の抵抗をみせる。
 痛みを感じるのは郁哉だけではない。
 後孔を締め食いちぎってやる腹積もりでそのときを待っていた。

「はぁあぁ、ゾクゾクするぜ。挿れんぞっ、おら──ッ!!」


 それは一瞬だった──。


 ガツンッ! と突き破るような衝撃が全身に流れ込んでくる。

「うっ、あぁぁーーーーッ!!」

 大きな悲鳴が室内を揺さぶっていた。
 何度も、何度も……ガツンッ……ガツンッ! と、肉を打ち付ける衝撃に、眉間にシワを寄せ息を詰めながら身体をビクッビクッと跳ねさせた。

 ──血の匂いがする。

「ヒィ──ッ! イッ、うはっ! ぐっ……!」

 ポタリ……ポタリと赤い雫が落ち、床に雨粒のような染みを広げていく。
 血を滴らせるほどだ。
 痛みに甲高い呻き声を上げてしまうのは仕方がないことだ。
 鷲掴みされ堰き止められていた尻の血液が巡り始め、ジンジンと皮膚が焼けるような感覚が頭の中を支配していた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺の番が変態で狂愛過ぎる

moca
BL
御曹司鬼畜ドS‪なα × 容姿平凡なツンデレ無意識ドMΩの鬼畜狂愛甘々調教オメガバースストーリー!! ほぼエロです!!気をつけてください!! ※鬼畜・お漏らし・SM・首絞め・緊縛・拘束・寸止め・尿道責め・あなる責め・玩具・浣腸・スカ表現…等有かも!! ※オメガバース作品です!苦手な方ご注意下さい⚠️ 初執筆なので、誤字脱字が多々だったり、色々話がおかしかったりと変かもしれません(><)温かい目で見守ってください◀

[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん
BL
【縦読み推奨】 ■ 第一章(第1話〜第9話)  アラディーム国の第七王子であるノモクは、騎士団長ローエの招きを受けて保養地オシヤクを訪れた。ノモクは滞在先であるローエの館で、男奴隷エシフと出会う。  滞在初日の夜、エシフが「夜のデザート」と称し、女奴隷とともにノモクの部屋を訪れる。しかし純潔を重んじるノモクは、「初体験の手ほどき」を断り、エシフたちを部屋から追い返してしまう。 ■ 第二章(第1話〜第10話)  ノモクが「夜のデザート」を断ったことで、エシフは司祭ゼーゲンの立合いのもと、ローエから拷問を受けることになってしまう。  拷問のあと、ノモクは司祭ゼーゲンにエシフを自分の部屋に運ぶように依頼した。それは、持参した薬草でエシフを治療してあげるためだった。しかしノモクは、その意図を悟られないように、エシフの前で「拷問の仕方を覚えたい」と嘘をついてしまう。 ■ 第三章(第1話〜第11話)  ノモクは乳母の教えに従い、薬草をエシフの傷口に塗り、口吻をしていたが、途中でエシフが目を覚ましてしまう。奴隷ごっこがしたいのなら、とエシフはノモクに口交を強要する。 ■ 第四章(第1話〜第9話)  ノモクは、修道僧エークから地下の拷問部屋へと誘われる。そこではギーフとナコシュのふたりが、女奴隷たちを相手に淫らな戯れに興じていた。エークは、驚くノモクに拷問の手引き書を渡し、エシフをうまく拷問に掛ければ勇敢な騎士として認めてもらえるだろうと助言する。 ◾️第五章(第1話〜第10話)  「わたしは奴隷です。あなたを悦ばせるためなら……」  こう云ってエシフは、ノモクと交わる。 ◾️第六章(第1話〜第10話)  ノモクはエシフから新しい名「イェロード」を与えられ、またエシフの本当の名が「シュード」であることを知らされる。  さらにイェロード(=ノモク)は、滞在先であるローエの館の秘密を目の当たりにすることになる。 ◾️第七章(第1話〜第12話)  現在、まとめ中。 ◾️第八章(第1話〜第10話)  現在、まとめ中。 ◾️第九章(第一話〜)  現在、執筆中。 【地雷について】  「第一章第4話」と「第四章第3話」に男女の絡みシーンが出てきます(後者には「小スカ」もあり)。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。  「第二章第10話」に拷問シーンが出てきます。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。

冷酷組長の狂愛

さてぃー
BL
関東最大勢力神城組組長と無気力美男子の甘くて焦ったい物語 ※はエロありです

可愛いだけが取り柄の俺がヤクザの若頭と番になる話

ivy
BL
生活の為にαを騙してお金を稼いでいた処女ビッチの夏姫が揉め事に巻き込まれてヤクザの若頭と形だけの番になることに。 早速偽の新婚生活を始める2人だが最初は反発するものの少しずつ絆されていく夏姫。 そこに賢士の恋人が現れて?! 2人は無事に本物の番になることが出来るのか! 切なく甘いコメディ調のラブストーリー。 元気で気が強く計算高いと見せかけて天然純情Ωの夏姫(なつき)18歳 若くして組を任されている育ちのいいインテリヤクザの賢士(けんし)28歳α 金に生活にだらしない組長の1人息子。 チョロくて人のいい浩二(こうじ)β

ドSな義兄ちゃんは、ドMな僕を調教する

天災
BL
 ドSな義兄ちゃんは僕を調教する。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子
BL
Dom/subユニバース ★が多くなるほどえろ重視の作品になっていきます。 ぼちぼち更新

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

処理中です...