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第7章 砂に落ちた砂糖は赤黒く塗れる0.1%
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信じられないことをサラリと言う七瀬は一度頷くと、説明を続けた。
「チョコに限らず、血糖値が上がると性欲の減退に繋がります。通常なら治まる訳ですが、坊っちゃんは男性ホルモンの関係で、血糖値が上がりにくい。そこで市販のチョコレートに、減退に繋がる物質を独自で調合し、コーティングしています。謂わば抑制剤です。チョコレートを選んだのは、保存も効きますし、坊っちゃんの好物でして……」
医学的なことを言われ混乱する郁哉だが、尾鷹の性欲は確かに果てしない。過ぎる……以上のものは経験済みだ。郁哉の意識が途切れなければ、まだ足りないと永遠に続けているかもしれない。
そして七瀬が抑制剤というチョコレートを、郁哉も毎日口にしている。
「あの、先生。それはおかしいです。俺もチョコを毎日食べています。けど前に話した通り、性欲は治まるどころか……。それに……薬のような味は感じられませんでしたよ?」
「ええ、心配なさらずとも、有害なものは使用していませんから。日常の食生活で良く口にする物質を厳選し調合したものです。今までのものは、気休めにしかなりませんでした」
なにか引っ掛かるものを感じる。
難しいことを言われ頭の中がぐちゃぐちゃだ。
郁哉もだがチョコレートを食べている尾鷹は変わらず精力的だ。
「しかし、おかしいですね……最近も坊っちゃんと毎日されてるんで?」
「あっ……いえ、そういえば……最近、なぜか落ち着いています」
「そうですよね? 当初凩君が食べられていたチョコと、最近食べられたチョコでは、濃度調製が異なります」
「それじゃ、発情期が終わった訳じゃなくて……」
「ええ、抑制しているって訳です」
七瀬の説明に放心していまうが、疑問は膨れ上がる一方だった。
(那津はどうしてそんな体質なんだろ……あれ? 俺は? あ~う~、訳が分からなくなってきた。もう、駄目だ……)
プスンプスンと、頭から蒸気が上がってしまう。
「……あの、先生。那津がそれを服用しなくなったら……どうなるんです? 危険なんですか?」
「ハハハ……確かに危険かもしれないですね。まぁ、その場合坊っちゃんが、というよりも凩君が、になりますがね」
眉を下げ首を傾げる郁哉に、七瀬は今にも吹き出しそうに笑いを堪えている。
「暴走した坊っちゃんの相手は、さぞかし大変でしょうね。腰が立たない……で、済めばいいですがね。凩君が受け身ですし、身体がいくつあっても足りなくなりますよ?」
うッ……と息を詰め言葉をなくす。それは郁哉がヤリ倒されるということだ。
遠回しにお尻の事情を心配され、郁哉は真っ赤になってしまう。
「物足りなさを感じられていますか? それなら……」
「い、いえッ! 問題ないですッ!!」
恥ずかしさに喉が渇くと一気にアルコールを流し込む。
「チョコに限らず、血糖値が上がると性欲の減退に繋がります。通常なら治まる訳ですが、坊っちゃんは男性ホルモンの関係で、血糖値が上がりにくい。そこで市販のチョコレートに、減退に繋がる物質を独自で調合し、コーティングしています。謂わば抑制剤です。チョコレートを選んだのは、保存も効きますし、坊っちゃんの好物でして……」
医学的なことを言われ混乱する郁哉だが、尾鷹の性欲は確かに果てしない。過ぎる……以上のものは経験済みだ。郁哉の意識が途切れなければ、まだ足りないと永遠に続けているかもしれない。
そして七瀬が抑制剤というチョコレートを、郁哉も毎日口にしている。
「あの、先生。それはおかしいです。俺もチョコを毎日食べています。けど前に話した通り、性欲は治まるどころか……。それに……薬のような味は感じられませんでしたよ?」
「ええ、心配なさらずとも、有害なものは使用していませんから。日常の食生活で良く口にする物質を厳選し調合したものです。今までのものは、気休めにしかなりませんでした」
なにか引っ掛かるものを感じる。
難しいことを言われ頭の中がぐちゃぐちゃだ。
郁哉もだがチョコレートを食べている尾鷹は変わらず精力的だ。
「しかし、おかしいですね……最近も坊っちゃんと毎日されてるんで?」
「あっ……いえ、そういえば……最近、なぜか落ち着いています」
「そうですよね? 当初凩君が食べられていたチョコと、最近食べられたチョコでは、濃度調製が異なります」
「それじゃ、発情期が終わった訳じゃなくて……」
「ええ、抑制しているって訳です」
七瀬の説明に放心していまうが、疑問は膨れ上がる一方だった。
(那津はどうしてそんな体質なんだろ……あれ? 俺は? あ~う~、訳が分からなくなってきた。もう、駄目だ……)
プスンプスンと、頭から蒸気が上がってしまう。
「……あの、先生。那津がそれを服用しなくなったら……どうなるんです? 危険なんですか?」
「ハハハ……確かに危険かもしれないですね。まぁ、その場合坊っちゃんが、というよりも凩君が、になりますがね」
眉を下げ首を傾げる郁哉に、七瀬は今にも吹き出しそうに笑いを堪えている。
「暴走した坊っちゃんの相手は、さぞかし大変でしょうね。腰が立たない……で、済めばいいですがね。凩君が受け身ですし、身体がいくつあっても足りなくなりますよ?」
うッ……と息を詰め言葉をなくす。それは郁哉がヤリ倒されるということだ。
遠回しにお尻の事情を心配され、郁哉は真っ赤になってしまう。
「物足りなさを感じられていますか? それなら……」
「い、いえッ! 問題ないですッ!!」
恥ずかしさに喉が渇くと一気にアルコールを流し込む。
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