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第4章 甘い砂糖には裏がある75%
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ひんやりと冷たい空気に肌が粟立つ。
うしろを振り向く間もなく、後孔に熱いものが触れ、蕾を捲り上げながら侵入してくる。
メリメリと肉壁が音を立てるような錯覚に唇が戦慄く。アルコールのせいで火照った粘膜が、さらに熱く焼かれていくようだ。
「うぅっ……いやらッ……ふああ──ッ!」
「ンッ……ヤバ……っ、熱ッ……癖になる」
「はぅ……っ、な……つ、こんなのやら……ッ」
「郁哉……声、抑えていろよ」
「そんなぁ……ッ、はっあう……っ」
瞳に涙を湛えながら郁哉は揺さぶられた。
後孔が痛いのは一瞬で、すぐに尾鷹のものが馴染みだす。
涙が零れるのは痛いからではなかった。
嫌がりながらも浅ましく貪欲に求めている自分と、尾鷹がなぜこんなにも乱暴に自分を抱くのかが分からなかったからだ。
荒々しく抽挿する尾鷹に、郁哉は唇を噛み締めながら声を飲み込んでいた。
一方的なセックスはそう長くは続かなかった。
尾鷹は小さく詰めた息を吐くと、郁哉の中に射精した。
掌を前に回してきた尾鷹に、郁哉のペニスも強制的に扱かれすぐに達した。ドクドクと跳ねる陰茎から白濁が煉瓦塀に叩かれ、どろりとゆっくり垂れていく。
陰茎が抜き取られると、蕾から尾鷹の精液が零れ内腿にツーっと伝い落ちてくる。
掌に付いた郁哉の精液を、甘味を食べるように舐め飲み込む尾鷹にゾクゾクと身体の芯が震える。
「やっぱり郁哉は甘いな……」
「……うう……っ、こんなの最悪ら。那津なんて嫌い……」
「そう? それは困った」
「もうやらょ……うち帰るぅ……」
「それは駄目。もう郁哉は逃げられない」
綺麗に笑う尾鷹は郁哉にそっとキスをする。乱暴なセックスだったはずなのに、優しいキスに溶かされる。
ギュッと抱き締められ「帰ろう」と言われると、なぜか嫌と言えなくなってしまう。
ふらつく足取りに尾鷹が支えながらタクシーを拾うと、そのまま尾鷹のマンションに連れて帰られた。
マンションに戻るとぬるめのシャワーで汚れを落とされた。警戒しまくる郁哉に尾鷹は優しく触れ、いつものように甲斐甲斐しく振る舞う。
(訳か分からない……俺をどうしたいんだ)
お陰で酔はすっかり冷めてしまった。
まさか二度目のセックスで青姦されるとは思ってもいなかったのだ。
酔っていたのがせめてもの救いだったかもしれない。現実ではないと断片的に抜けた記憶に縋ってしまいそうだった。
ソファーで火照った身体を冷ましながら膝を抱えてこうべを垂らす郁哉に、尾鷹は猫でも呼ぶように声を掛ける。
「郁哉、そんな隅っこで座ってないで、こっちにおいで」
「嫌だ……那津また変なことするし」
「変なことはしたつもりないけど? そもそも郁哉が自分のアパートに戻るとか言うから、カッとなって止まらなくなったんだよ」
「だから! 戻るって言っても今日と明日だけのつもりだったんだ。たまには換気とか掃除しないと、家が痛むし、家賃だって馬鹿にならない。借りてる意味なくなっちゃうだろ!? なんなんだよ……ラブホの次は青姦だなんて……もっと普通に──っ」
うしろを振り向く間もなく、後孔に熱いものが触れ、蕾を捲り上げながら侵入してくる。
メリメリと肉壁が音を立てるような錯覚に唇が戦慄く。アルコールのせいで火照った粘膜が、さらに熱く焼かれていくようだ。
「うぅっ……いやらッ……ふああ──ッ!」
「ンッ……ヤバ……っ、熱ッ……癖になる」
「はぅ……っ、な……つ、こんなのやら……ッ」
「郁哉……声、抑えていろよ」
「そんなぁ……ッ、はっあう……っ」
瞳に涙を湛えながら郁哉は揺さぶられた。
後孔が痛いのは一瞬で、すぐに尾鷹のものが馴染みだす。
涙が零れるのは痛いからではなかった。
嫌がりながらも浅ましく貪欲に求めている自分と、尾鷹がなぜこんなにも乱暴に自分を抱くのかが分からなかったからだ。
荒々しく抽挿する尾鷹に、郁哉は唇を噛み締めながら声を飲み込んでいた。
一方的なセックスはそう長くは続かなかった。
尾鷹は小さく詰めた息を吐くと、郁哉の中に射精した。
掌を前に回してきた尾鷹に、郁哉のペニスも強制的に扱かれすぐに達した。ドクドクと跳ねる陰茎から白濁が煉瓦塀に叩かれ、どろりとゆっくり垂れていく。
陰茎が抜き取られると、蕾から尾鷹の精液が零れ内腿にツーっと伝い落ちてくる。
掌に付いた郁哉の精液を、甘味を食べるように舐め飲み込む尾鷹にゾクゾクと身体の芯が震える。
「やっぱり郁哉は甘いな……」
「……うう……っ、こんなの最悪ら。那津なんて嫌い……」
「そう? それは困った」
「もうやらょ……うち帰るぅ……」
「それは駄目。もう郁哉は逃げられない」
綺麗に笑う尾鷹は郁哉にそっとキスをする。乱暴なセックスだったはずなのに、優しいキスに溶かされる。
ギュッと抱き締められ「帰ろう」と言われると、なぜか嫌と言えなくなってしまう。
ふらつく足取りに尾鷹が支えながらタクシーを拾うと、そのまま尾鷹のマンションに連れて帰られた。
マンションに戻るとぬるめのシャワーで汚れを落とされた。警戒しまくる郁哉に尾鷹は優しく触れ、いつものように甲斐甲斐しく振る舞う。
(訳か分からない……俺をどうしたいんだ)
お陰で酔はすっかり冷めてしまった。
まさか二度目のセックスで青姦されるとは思ってもいなかったのだ。
酔っていたのがせめてもの救いだったかもしれない。現実ではないと断片的に抜けた記憶に縋ってしまいそうだった。
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「郁哉、そんな隅っこで座ってないで、こっちにおいで」
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「だから! 戻るって言っても今日と明日だけのつもりだったんだ。たまには換気とか掃除しないと、家が痛むし、家賃だって馬鹿にならない。借りてる意味なくなっちゃうだろ!? なんなんだよ……ラブホの次は青姦だなんて……もっと普通に──っ」
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