38 / 89
観光会議
しおりを挟む
食事は基本的にドームス内にあるレストランで行う事になっている。
夕食の為にイヴェット達はそこへ向かった。
すぐさまピスカートル名物の魚料理や珍しい果実などがテーブルに並べられる。
皮はパリッと、身はふっくらジューシーに焼き上げられた新鮮な白身魚は王都ではなかなか食べられない。
ソースは白ワインを基調としたバターソースで、さっぱりとした味付けの魚に絡めて口に運ぶと素晴らしい調和を示してくれた。
「魚? 魚など食わん! 肉にしろ!」
と叫んで肉料理を選択したグスタフやパウラも、運ばれてきた魚料理を羨ましそうに見ている。
(きっと明日からは大人しくお魚を食べるわね。私も明日からは少しコルセット緩めようかしら)
食事が進む中でイヴェットが口火を切る。
「事前に説明させて頂いた通り、明日はピスカートルの有名な観光地を周ろうと思います。ガイド兼護衛を一人つけて、まずは馬車でピスカートルの鐘へ向かいます。そこである程度自由に過ごした後船でピラート島へ向かいます」
「島? そんなところに何位があるのよ」
「海賊の歴史的な信仰建築物があるそうよ」
「お母さま、海賊とか建築物に興味あったっけ」
パウラが不思議奏にしている。
「私の知り合いがピスカートルに行くならそこに行くべきだって言っていてね。有名な所に行ってないって思われるのもなんだから」
どこまでも見栄の為だというのがダーリーンらしいが、ピラート島は確かに有名な観光場所だ。
潮の流れが速いため熟練の船乗りしか近づけない為、海賊の異教信仰の跡が色濃く残る島である。
「少し歩くようなので明日はその二か所で切り上げる予定です。お渡しした資料の通り明日、明後日は皆で有名どころに向かいますがその後はほぼ自由ですわ」
(ピスカートルの事は事前に調べておいたけれどそれにしては興味がなさそうなのよね)
ダーリーン達はとにかく楽しく過ごしたいという割に下調べに関して興味が無かった。
常に「それはあなたの仕事でしょう」と言って現地でイヴェットに働かせる心づもりらしい。
有名どころは抑えたいというダーリーンの要望に従って予定を立てたものの、いまいちピンときていないようだ。
(まあ観光スポットっていう考え方が出来たのも最近だし当然かもしれないわね。実際に見てみたら実感がわくかしら)
イヴェットも話を聞いているだけでどんなところなのか、なぜ有名地になったのかはよく分かっていない。
同行者に気が滅入るのだからせめてこの土地を楽しもうと思うのだった。
夕食の為にイヴェット達はそこへ向かった。
すぐさまピスカートル名物の魚料理や珍しい果実などがテーブルに並べられる。
皮はパリッと、身はふっくらジューシーに焼き上げられた新鮮な白身魚は王都ではなかなか食べられない。
ソースは白ワインを基調としたバターソースで、さっぱりとした味付けの魚に絡めて口に運ぶと素晴らしい調和を示してくれた。
「魚? 魚など食わん! 肉にしろ!」
と叫んで肉料理を選択したグスタフやパウラも、運ばれてきた魚料理を羨ましそうに見ている。
(きっと明日からは大人しくお魚を食べるわね。私も明日からは少しコルセット緩めようかしら)
食事が進む中でイヴェットが口火を切る。
「事前に説明させて頂いた通り、明日はピスカートルの有名な観光地を周ろうと思います。ガイド兼護衛を一人つけて、まずは馬車でピスカートルの鐘へ向かいます。そこである程度自由に過ごした後船でピラート島へ向かいます」
「島? そんなところに何位があるのよ」
「海賊の歴史的な信仰建築物があるそうよ」
「お母さま、海賊とか建築物に興味あったっけ」
パウラが不思議奏にしている。
「私の知り合いがピスカートルに行くならそこに行くべきだって言っていてね。有名な所に行ってないって思われるのもなんだから」
どこまでも見栄の為だというのがダーリーンらしいが、ピラート島は確かに有名な観光場所だ。
潮の流れが速いため熟練の船乗りしか近づけない為、海賊の異教信仰の跡が色濃く残る島である。
「少し歩くようなので明日はその二か所で切り上げる予定です。お渡しした資料の通り明日、明後日は皆で有名どころに向かいますがその後はほぼ自由ですわ」
(ピスカートルの事は事前に調べておいたけれどそれにしては興味がなさそうなのよね)
ダーリーン達はとにかく楽しく過ごしたいという割に下調べに関して興味が無かった。
常に「それはあなたの仕事でしょう」と言って現地でイヴェットに働かせる心づもりらしい。
有名どころは抑えたいというダーリーンの要望に従って予定を立てたものの、いまいちピンときていないようだ。
(まあ観光スポットっていう考え方が出来たのも最近だし当然かもしれないわね。実際に見てみたら実感がわくかしら)
イヴェットも話を聞いているだけでどんなところなのか、なぜ有名地になったのかはよく分かっていない。
同行者に気が滅入るのだからせめてこの土地を楽しもうと思うのだった。
0
お気に入りに追加
1,095
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?
ふゆ
恋愛
気づいたら見知らぬ土地にいた。
衣食住を得るため偽の婚約者として契約獲得!
だけど……?
※過去作の改稿・完全版です。
内容が一部大幅に変更されたため、新規投稿しています。保管用。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
眼鏡をこよなく愛する人畜無害の貧乏令嬢です。この度、見習い衛生兵となりましたが軍医総監様がインテリ眼鏡なんてけしからんのです。
甘寧
恋愛
「……インテリ眼鏡とかここは天国か……?」
「は?」
シルヴィ・ベルナールの生家である男爵家は首皮一枚で何とか没落を免れている超絶貧乏令嬢だ。
そんなシルヴィが少しでも家の為にと働きに出た先が軍の衛生兵。
実はシルヴィは三度の飯より眼鏡が好きという生粋の眼鏡フェチ。
男女関係なく眼鏡をかけている者がいれば食い入るように眺めるのが日々の楽しみなのだが、この国の眼鏡率は低く人類全てが眼鏡をかければいいと真剣に願うほど信仰している。
そんな折出会ったのが、軍医施設の責任者兼軍医総監を務めるアルベール・ウィルム。
実はこの人、イケメンインテリア眼鏡だったりする。
見習い衛生兵として頑張るシルヴィだが、どうしてもアルベールの尻を追いかけてしまう。
更には色眼鏡の大佐が現れたり、片眼鏡のいけ好かない宰相様まで……
自分の恋心に気づかない総監様と推しは推しとして愛でたいシルヴィの恋の行方は……?
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる