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観光会議

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 食事は基本的にドームス内にあるレストランで行う事になっている。
 夕食の為にイヴェット達はそこへ向かった。
 
 すぐさまピスカートル名物の魚料理や珍しい果実などがテーブルに並べられる。
 皮はパリッと、身はふっくらジューシーに焼き上げられた新鮮な白身魚は王都ではなかなか食べられない。
 ソースは白ワインを基調としたバターソースで、さっぱりとした味付けの魚に絡めて口に運ぶと素晴らしい調和を示してくれた。

「魚? 魚など食わん! 肉にしろ!」

 と叫んで肉料理を選択したグスタフやパウラも、運ばれてきた魚料理を羨ましそうに見ている。

(きっと明日からは大人しくお魚を食べるわね。私も明日からは少しコルセット緩めようかしら)

 食事が進む中でイヴェットが口火を切る。

「事前に説明させて頂いた通り、明日はピスカートルの有名な観光地を周ろうと思います。ガイド兼護衛を一人つけて、まずは馬車でピスカートルの鐘へ向かいます。そこである程度自由に過ごした後船でピラート島へ向かいます」

「島? そんなところに何位があるのよ」

「海賊の歴史的な信仰建築物があるそうよ」

「お母さま、海賊とか建築物に興味あったっけ」

 パウラが不思議奏にしている。

「私の知り合いがピスカートルに行くならそこに行くべきだって言っていてね。有名な所に行ってないって思われるのもなんだから」

 どこまでも見栄の為だというのがダーリーンらしいが、ピラート島は確かに有名な観光場所だ。
 潮の流れが速いため熟練の船乗りしか近づけない為、海賊の異教信仰の跡が色濃く残る島である。

「少し歩くようなので明日はその二か所で切り上げる予定です。お渡しした資料の通り明日、明後日は皆で有名どころに向かいますがその後はほぼ自由ですわ」

(ピスカートルの事は事前に調べておいたけれどそれにしては興味がなさそうなのよね)

 ダーリーン達はとにかく楽しく過ごしたいという割に下調べに関して興味が無かった。
 常に「それはあなたの仕事でしょう」と言って現地でイヴェットに働かせる心づもりらしい。

 有名どころは抑えたいというダーリーンの要望に従って予定を立てたものの、いまいちピンときていないようだ。

(まあ観光スポットっていう考え方が出来たのも最近だし当然かもしれないわね。実際に見てみたら実感がわくかしら)

 イヴェットも話を聞いているだけでどんなところなのか、なぜ有名地になったのかはよく分かっていない。
 同行者に気が滅入るのだからせめてこの土地を楽しもうと思うのだった。
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