私の大好きなドラゴン

どら娘

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始めての外出

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オジさんは私をおんぶしながら、走っていた。
違う...飛んでいるように走っていた。
普通に走るんじゃないの!オジさんは尋常じゃない速さと跳躍で走ってるんです。


すると、突然上へ飛び上がりジェットコースターが頂上のてっぺんから
落ていくように落ちたかと思うと、
急ブレーキをして足で土を削るように進み着地した。
砂埃が舞って、しばらく前が見えなかったが、
関所みたいな所の前で門番の人が声をかけてきた。

(カイル様お久しぶりでーす。しばらく来られなかったですが、
 相変わらずいつも怖い顔っすねー?何か抱えて獲物ですか?
 ....................子供?
 まさか.........さらって...バシッ!いってーーーー)


オジさんの顔をチラッと見たらビクついていたのに、
それにしては親しいような話し方をしているお兄さんだなあと
私が思っていると後ろから現れた五十代?位の人が平手で頭を殴ってきた。


(ロイ!何バカなことを言ってる!馬鹿者!
 お前はいつも一言余計なんだ
 攫った子供が抱き着いてニコニコする分けが無かろうが!
 分からないのかお前は!お前は一旦頭の中で考えて話せ!
 この村の評判を落とす気か!
 後できつく叱っておきますので許してください。
 改めまして、うちの若い者が失礼致しました。
 カイル様お久しゅうございます。来て下さりありがとうございます。
 お待ちしておりました。)
 

 背筋よく立ち、身長も高めで何か鍛えてるような体つきをしている
 五十代位の人が、怒りながらも、丁寧に挨拶してきた。


【ゲイル・ロイ元気にしてたか?
 俺は陰でコソコソ言われるよりロイみたいに
 明け透けに言ってる真っ正直な奴は 好きだぜ!まあ許してやってくれ
 この子は俺の連れのライルでしゃべれねーがよろしくな!】


私は初めてオジさん以外の人と会うので
緊張しながらもニコニコとしてペコリと頭を下げた。


(分かっていらっしゃるとは思いますが、この村は特殊です。
 念の為にライル様と必ず離れないで下さい。びっくりされると思います。)




(そうですよ!カイル様ライル?は、この村の子じゃないし
 絶対泣き出すか怖がるかもしれないっすよ
 まあーカイル様を怖がってないなら大丈夫そうかも...
 もしかして....隠し子ガツン!うーーーーーーっつ)


この村の長のゲイルは今度はこぶしで殴り、ロイを黙らせた後

 (恐れ入りますが、一つご相談がございます。本日はお時間は大丈夫でしょうか。
  それとも、明日お時間をいただけますでしょうか。)


【相談ってなんだ?内容によっては明日にするが....
   今日はこいつと”出会いの森”で遊ばしてやろうと思ってた所だったんだが....】


(あそこは子供が遊ぶ所では無いですが...
 まさに、”出会いの森”にて問題がありまして、
   ご存知の通り契約したいドラゴンと会う場所として出会いの森がこの村で有名ですが、
 最近現れた大型のドラゴンが、いつも来るドラゴン達よりも
 気性が激しく、厳つく、怖い風貌でして
 他のドラゴン達が怯えるほど力も強いようでして...
 近くに来た者に火を噴き出して攻撃をして誰も近寄れない有り様で、
 大型のドラゴンと契約されているカイル様でしたらそのドラゴンと
 話ができると思い相談させて頂きました。)

【ちょうど良かった!面白そうだな
 俺よりこいつの方が解決できるかもしれねーな、じゃ一緒に行こう】


(は....?分かりました)


その後、ロイと別れてゲイルと一緒に私とオジさんと村の中を歩いていると、
何と!ドラゴンが至る所にいる事に私はビックリして興奮して
キョロキョロと見てしまいオジさんの背中でモゾモゾと動きまくった。

馬ぐらいの大きさのドラゴンが荷馬車を引いていたり
犬ぐらいのサイズのドラゴンがまるで地球の飼い犬のように地面に寝そべったり
とかげのサイズのドラゴンが村人の肩に乗ってたりしていた。
うわー!すごい何この村!普通じゃ無いって事は分かった。
そんな楽しそうにしての背中でニコニコしている私を
村の人は遠巻きにビックリしてるなんてその時の私は気づいていなかった。


しばらくすると、村には場違いな50mの高さは十分にある
凱旋門らしき門が立ち、まるでギリシャ神話に出てきそうな神殿みたいな
とても重々しい雰囲気が漂っていた。
大理石みたいなキレイな10m位の高さの石柱が終わりが見えない位
広大な土地を横並びに囲んでいた。

そんな凱旋門をくぐると、また景色がガラッと変わって
牧草地みたいなきれいな緑の芝が広がり、奥の方には花畑もあるようだった。
近くに、比較的小さめのドラゴン達が寝そべり日向ぽっこをしていた。
そこへゲイルがピューっと口笛を吹いたら、
中型サイズのドラゴン達が何匹か空の上空からやってきた。

【お前のクレイも元気にしてそうじゃないか!
 だが、体に複数のキズができているがどうしたんだ?】

(問題の新しく来たドラゴンにつけられたんですが、
 普段はもう少し奥にいった所で大人しくしてるんですが
 一定の距離を超えて近づくと火を吐いて攻撃をしてくるみたいで
 ある日契約しようとした者が怒らせたみたいで、クレイの複数のキズも
 その時に助けだした時に付けたキズなんです。
 その件があった日から、近くに来る者やドラゴン全てに威嚇し始めて、
 前よりもドラゴンや人も近寄らなくなってしまいまして..
 この村に来る者達も減っていってしまい困っております。)

【攻撃は近づいてしてくるのか?色は何色だ?
 大型のドラゴンは頭が良いやつが多く無駄な攻撃はしないはずだが、...】
 
(実際近づいた者から聞いた話ですが、近づくと必ず
 火を噴いたあと、威嚇してくる真っ赤なドラゴンらしいです。)


【赤のドラゴン...なら、意外と大丈夫かもしれねーな
 とにかくそのドラゴンのいる場所へ連れて行ってくれ
 だが、クレイは帰してくれ
 近くにドラゴンがいると警戒するかもしれねーからな】

(は?....分かりました。)




ゲイルがクレイを帰した後、しばらく歩くと、その問題のドラゴンがいる所に着いた。
お兄ちゃんより気持ち大きめの大型のドラゴンで、ゲイルが言っていた通りの
気が強そうに見え、気性が激しいのか尻尾を何回も地面にバシバシとたたきながら
イライラしてる雰囲気の赤いドラゴンが横たわっていた。

イライラしてる雰囲気だったが、私は全然怖いと思えなくて、
オジさんに地面に下ろしてもらうと走ってそのドラゴンの方へ走っていった。

ゲイルは慌てて止めようとしたが、カイルが片手で大丈夫と言って止めた。



そこに寝そべったドラゴンは起きて私に首を向けると
怒ってる風な不機嫌なオーラをまき散らして
威厳のあるような怖い声でしゃべったのである。




そう....2回言わせていただきたい。!
そのドラゴンは低ーい正に大人の男性声で勢いよく話し始めた。



 (誰よ!子供じゃないの子供は泣き叫ぶから、うっとうしいの!
  あっちに行ってちょうだい!
  ここの場所は、ドラゴンの聖地で美味しい花がいっぱいで
  良い人間がいるって聞いたから出会いを求めて来たのに.....  
  私が声をかけるだけで逃げていくんだもの...
  薄情な人ばかり...私寂しい.の...)


 側にいた、ゲイルはまるで襲う勢いで鳴いてるようにしか聞こえない声の低さに
 思わず助けに行こうとしたが、カイルがまた、手をかざして止めた。


  私は、しゃべり方が女言葉だが、
  体格からはオスかメスなんて見分けがつかないから念のため尋ねた。
  
 【あなた、メスなの?】


 (あなた!私の何処をどう見てそんな事いってるの! 
  私は誇り高い赤ドラゴンの中でも強いよ!
  私の素敵な完璧なボディと翼をどう見たらメスに見えるってゆうの!
  あなたの目がおかしいんじゃないの?
  そんな事言われたれたこと今まで1度もないわよ......
  って言葉が分かるの?......)


 【言葉は分かるよ?....】

  (なら!私の話を聞いてちょうだい!
   ここの人達は皆して私の事を無視するのよ!
   ひどいと思わない?こんなにも私は人を求めているのに
   同族たちは自分第一だし、私の御じじ様は契約した御ばば様と
   楽しく暮らしてるから羨ましいと御じじ様に言ったら
   ”出会いの森”に行けば面白い奴がいるって
   言うから来たのに!ここに来てから来る人にずっと
   話しかけてるのに逃げていくんだからー!
   私の心はとても繊細なのよ!もうズタズタなんだから~
   寂しさのあまり私のキレイな体もツヤがイマイチなのよ...)
  


 私はクスクスと笑ってしまった。
 なになに..このギャップ、
 人間で例えると筋肉モリモリマッチョマン?もしくは、
 プロレスや喧嘩が強そうな厳つい男が、
 女言葉で話をしてるって感じ.....っふふふふ
 これこそ、ギャップ萌えってやつじゃない?しかも、寂しいだって...
 とーっても、かわいく思えてきた。
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