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囚われた歌姫

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シズナは可哀想な少年だ。
そして、誰よりも幸福な少年だ。
シズナはリツトのカナリヤで、歌うことが好きだ。
そんなシズナは、愛ゆえにリツトに目と足を奪われて目はみえず足も動かない体になった。
理由は、リツト以外見れなくするためとどこにもいけなくするため。
シズナは愛ゆえに不自由な体になった。
リツト「あぁ、可愛いシズナ。僕だけの可愛い歌姫。その美しい歌は世界で一番美しい至高!」
うっとりとした表情でシズナのほほを舐めるリツト。
シズナ「くすぐったいよ。リツトはいくつになっても変わらないね」
シズナはリツトを責めない。
シズナは知っているから。
リツトが、本当はもう壊れていることに。
だから、せめて僕だけは味方でいよう。
リツトになにをされても許そう。
それが、僕にできるたった一つのことだから。

今日もシズナは歌う。
リツトのために歌う。
暗闇に囚われた歌姫は、光を求めない。
愛ゆえに、落ちていく。
どこまでも、どこまでも…。
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