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~最終章~◆◆◆物語はハッピーエンドが良いよね?◆◆◆
417ページ目…物語はハッピーエンドが良いよね?【2】
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「オギャーオギャー!」
周囲に響くほど、元気に鳴き声を上げるのは、生まれて6ヶ月程過ぎたばかりの愛娘である。
寝ている状態なら大丈夫かと思っていたが、どうやら空間を渡った時の不快感で目を覚ましてしまった様だ。
「あらあら、夢幻ちゃん、よく来たわね。
それに、お嫁さん達だけじゃなく、子供達まで…よく来てくれたわね。」
ばぁちゃんは笑顔でそう言うと、俺達を迎え入れてくれた。
「急に来てゴメン…迷惑だったかな?」
「まぁ、何言ってるの!可愛い孫が、家族を連れて帰って来たのですよ?
それに、こんな可愛い『ひ孫達』まで連れて来て…迷惑なんて言ったらバチが当たっちゃうわ。」
その言葉が本心であるかの様に、ばぁちゃんは終始、笑顔である。
「お祖母様、お初にお目に掛かります、私はプリンと申します。」
「わ、私はクズハです。」
「ローラは、ローラ。」
「お嬢様、お久しぶりです。」
「皆さん、初めまして…あと、アリスちゃんは、お久しぶりね。
でもね?みんなは初めてと言うけれど、私は、皆の事を良~く知っているのよ?」
そう言うと、悪戯が成功した時の様な笑顔を見せる。
そして、視線の先には一冊の本が…そればかりか、泣き出した愛娘を、プリンから受け取ると『よしよし』と声を掛けて、あやしてくれる。
すると、先程まで大声を上げて泣いていた愛娘は、直ぐに『キャッキャッ』と笑い出す。
その場面だけ見ても、流石は、ばぁちゃんだと言わざるを得ない。
「流石、ばぁちゃん…子守もお手の物だね。」
「何言ってるんだか…私は、こう見えても二児の母だったんだよ。
夢幻ちゃんも、知ってるでしょ?」
そう、ばぁちゃんの息子であり、俺の父親でもある長男の『天馬』。
そして、俺の叔母さんであり、父親の妹でもある『鈴歌』。
ばぁちゃんは、お姫様でありながら、右も左も分からないこの世界で、二人の子供を立派に育て上げているのだ。
しかも、今みたいに何でも直ぐに揃う時代ではなかったにも関わらずに…だ。
そんな厳しい時代を経験しているからか、プリン達と違い、危なげなく子守を始める。
しかし、それでも激戦の猛者であっても、一人で全員を見るのは厳しいだろう。
何せ、子供達は5人もいるのだから…。
え?数が合わないって?
プリン、クズハ、ローラ、アリス…そして、もう一人。
約束の物が出来たから…と、わざわざメルトの町まで届けに来た時に、プリンに新たな嫁~ズに加わる許しを得た女性、アルテイシアさんである。
ちなみに、先程、自己紹介をしなかったのは、転移をして直ぐにオシメを取り替えに行ったからである。
元々、俺の為に聖剣を鍛えた事で、プリン達の好感度は上がっていた。
それは全員纏めて『融合』した時に、分かっている事である。
その際、俺自身が気が付かなかった心を、彼女達は敏感に感じ取っていた。
そして、ドワーフとは言え、人の身でありながら、神器とも言える『不壊』の付いた武器を鍛えて来た事により、その覚悟を皆に認められたのだった。
そんな訳で、彼女もまた俺の嫁となり、その…アレだ、出来てしまったのである。
もちろん、こちらの世界で言えば、問題ありまくりの関係ではあるが、あちらの世界であれば問題はない。
養えるだけの稼ぎがあれば、問題はないのだ。
そして、俺は『娯楽施設』を兼ねた、タワー型のダンジョンのお陰で、かなりの稼ぎを出している。
しかも、ダンジョンだけあってか、税金すら掛からないのだから、そこで稼いだお金は、そのまま丸儲けとも言える。
故に、金銭的な面では、何不自由なく過ごす事が出来ているのである。
ただ、一つ問題があるとすれば…それは嫁~ズのみんなは、負けず劣らず、俺を愛している事。
それは、夜になると行動を伴って、襲いかかってくるのだ。
まぁ、それが今に繋がっていて、その結果に、まんざらではない自分がいるのだから、問題と言えないのかもしれない。
何はともあれ…多少なりとも無茶な事をしたが、ばぁちゃんに子供達を見せれて良かったと思う。
まぁ、帰りでも同様に無茶をするが、それに関しては先生に頑張って貰うとしよう。
里帰りをする度に、先生には迷惑掛ける事になるけど…ね。
そんな事を考えながら、平和な時は静かに過ぎていくのだった…。
周囲に響くほど、元気に鳴き声を上げるのは、生まれて6ヶ月程過ぎたばかりの愛娘である。
寝ている状態なら大丈夫かと思っていたが、どうやら空間を渡った時の不快感で目を覚ましてしまった様だ。
「あらあら、夢幻ちゃん、よく来たわね。
それに、お嫁さん達だけじゃなく、子供達まで…よく来てくれたわね。」
ばぁちゃんは笑顔でそう言うと、俺達を迎え入れてくれた。
「急に来てゴメン…迷惑だったかな?」
「まぁ、何言ってるの!可愛い孫が、家族を連れて帰って来たのですよ?
それに、こんな可愛い『ひ孫達』まで連れて来て…迷惑なんて言ったらバチが当たっちゃうわ。」
その言葉が本心であるかの様に、ばぁちゃんは終始、笑顔である。
「お祖母様、お初にお目に掛かります、私はプリンと申します。」
「わ、私はクズハです。」
「ローラは、ローラ。」
「お嬢様、お久しぶりです。」
「皆さん、初めまして…あと、アリスちゃんは、お久しぶりね。
でもね?みんなは初めてと言うけれど、私は、皆の事を良~く知っているのよ?」
そう言うと、悪戯が成功した時の様な笑顔を見せる。
そして、視線の先には一冊の本が…そればかりか、泣き出した愛娘を、プリンから受け取ると『よしよし』と声を掛けて、あやしてくれる。
すると、先程まで大声を上げて泣いていた愛娘は、直ぐに『キャッキャッ』と笑い出す。
その場面だけ見ても、流石は、ばぁちゃんだと言わざるを得ない。
「流石、ばぁちゃん…子守もお手の物だね。」
「何言ってるんだか…私は、こう見えても二児の母だったんだよ。
夢幻ちゃんも、知ってるでしょ?」
そう、ばぁちゃんの息子であり、俺の父親でもある長男の『天馬』。
そして、俺の叔母さんであり、父親の妹でもある『鈴歌』。
ばぁちゃんは、お姫様でありながら、右も左も分からないこの世界で、二人の子供を立派に育て上げているのだ。
しかも、今みたいに何でも直ぐに揃う時代ではなかったにも関わらずに…だ。
そんな厳しい時代を経験しているからか、プリン達と違い、危なげなく子守を始める。
しかし、それでも激戦の猛者であっても、一人で全員を見るのは厳しいだろう。
何せ、子供達は5人もいるのだから…。
え?数が合わないって?
プリン、クズハ、ローラ、アリス…そして、もう一人。
約束の物が出来たから…と、わざわざメルトの町まで届けに来た時に、プリンに新たな嫁~ズに加わる許しを得た女性、アルテイシアさんである。
ちなみに、先程、自己紹介をしなかったのは、転移をして直ぐにオシメを取り替えに行ったからである。
元々、俺の為に聖剣を鍛えた事で、プリン達の好感度は上がっていた。
それは全員纏めて『融合』した時に、分かっている事である。
その際、俺自身が気が付かなかった心を、彼女達は敏感に感じ取っていた。
そして、ドワーフとは言え、人の身でありながら、神器とも言える『不壊』の付いた武器を鍛えて来た事により、その覚悟を皆に認められたのだった。
そんな訳で、彼女もまた俺の嫁となり、その…アレだ、出来てしまったのである。
もちろん、こちらの世界で言えば、問題ありまくりの関係ではあるが、あちらの世界であれば問題はない。
養えるだけの稼ぎがあれば、問題はないのだ。
そして、俺は『娯楽施設』を兼ねた、タワー型のダンジョンのお陰で、かなりの稼ぎを出している。
しかも、ダンジョンだけあってか、税金すら掛からないのだから、そこで稼いだお金は、そのまま丸儲けとも言える。
故に、金銭的な面では、何不自由なく過ごす事が出来ているのである。
ただ、一つ問題があるとすれば…それは嫁~ズのみんなは、負けず劣らず、俺を愛している事。
それは、夜になると行動を伴って、襲いかかってくるのだ。
まぁ、それが今に繋がっていて、その結果に、まんざらではない自分がいるのだから、問題と言えないのかもしれない。
何はともあれ…多少なりとも無茶な事をしたが、ばぁちゃんに子供達を見せれて良かったと思う。
まぁ、帰りでも同様に無茶をするが、それに関しては先生に頑張って貰うとしよう。
里帰りをする度に、先生には迷惑掛ける事になるけど…ね。
そんな事を考えながら、平和な時は静かに過ぎていくのだった…。
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