417 / 421
~最終章~◆◆◆物語はハッピーエンドが良いよね?◆◆◆
417ページ目…物語はハッピーエンドが良いよね?【2】
しおりを挟む
「オギャーオギャー!」
周囲に響くほど、元気に鳴き声を上げるのは、生まれて6ヶ月程過ぎたばかりの愛娘である。
寝ている状態なら大丈夫かと思っていたが、どうやら空間を渡った時の不快感で目を覚ましてしまった様だ。
「あらあら、夢幻ちゃん、よく来たわね。
それに、お嫁さん達だけじゃなく、子供達まで…よく来てくれたわね。」
ばぁちゃんは笑顔でそう言うと、俺達を迎え入れてくれた。
「急に来てゴメン…迷惑だったかな?」
「まぁ、何言ってるの!可愛い孫が、家族を連れて帰って来たのですよ?
それに、こんな可愛い『ひ孫達』まで連れて来て…迷惑なんて言ったらバチが当たっちゃうわ。」
その言葉が本心であるかの様に、ばぁちゃんは終始、笑顔である。
「お祖母様、お初にお目に掛かります、私はプリンと申します。」
「わ、私はクズハです。」
「ローラは、ローラ。」
「お嬢様、お久しぶりです。」
「皆さん、初めまして…あと、アリスちゃんは、お久しぶりね。
でもね?みんなは初めてと言うけれど、私は、皆の事を良~く知っているのよ?」
そう言うと、悪戯が成功した時の様な笑顔を見せる。
そして、視線の先には一冊の本が…そればかりか、泣き出した愛娘を、プリンから受け取ると『よしよし』と声を掛けて、あやしてくれる。
すると、先程まで大声を上げて泣いていた愛娘は、直ぐに『キャッキャッ』と笑い出す。
その場面だけ見ても、流石は、ばぁちゃんだと言わざるを得ない。
「流石、ばぁちゃん…子守もお手の物だね。」
「何言ってるんだか…私は、こう見えても二児の母だったんだよ。
夢幻ちゃんも、知ってるでしょ?」
そう、ばぁちゃんの息子であり、俺の父親でもある長男の『天馬』。
そして、俺の叔母さんであり、父親の妹でもある『鈴歌』。
ばぁちゃんは、お姫様でありながら、右も左も分からないこの世界で、二人の子供を立派に育て上げているのだ。
しかも、今みたいに何でも直ぐに揃う時代ではなかったにも関わらずに…だ。
そんな厳しい時代を経験しているからか、プリン達と違い、危なげなく子守を始める。
しかし、それでも激戦の猛者であっても、一人で全員を見るのは厳しいだろう。
何せ、子供達は5人もいるのだから…。
え?数が合わないって?
プリン、クズハ、ローラ、アリス…そして、もう一人。
約束の物が出来たから…と、わざわざメルトの町まで届けに来た時に、プリンに新たな嫁~ズに加わる許しを得た女性、アルテイシアさんである。
ちなみに、先程、自己紹介をしなかったのは、転移をして直ぐにオシメを取り替えに行ったからである。
元々、俺の為に聖剣を鍛えた事で、プリン達の好感度は上がっていた。
それは全員纏めて『融合』した時に、分かっている事である。
その際、俺自身が気が付かなかった心を、彼女達は敏感に感じ取っていた。
そして、ドワーフとは言え、人の身でありながら、神器とも言える『不壊』の付いた武器を鍛えて来た事により、その覚悟を皆に認められたのだった。
そんな訳で、彼女もまた俺の嫁となり、その…アレだ、出来てしまったのである。
もちろん、こちらの世界で言えば、問題ありまくりの関係ではあるが、あちらの世界であれば問題はない。
養えるだけの稼ぎがあれば、問題はないのだ。
そして、俺は『娯楽施設』を兼ねた、タワー型のダンジョンのお陰で、かなりの稼ぎを出している。
しかも、ダンジョンだけあってか、税金すら掛からないのだから、そこで稼いだお金は、そのまま丸儲けとも言える。
故に、金銭的な面では、何不自由なく過ごす事が出来ているのである。
ただ、一つ問題があるとすれば…それは嫁~ズのみんなは、負けず劣らず、俺を愛している事。
それは、夜になると行動を伴って、襲いかかってくるのだ。
まぁ、それが今に繋がっていて、その結果に、まんざらではない自分がいるのだから、問題と言えないのかもしれない。
何はともあれ…多少なりとも無茶な事をしたが、ばぁちゃんに子供達を見せれて良かったと思う。
まぁ、帰りでも同様に無茶をするが、それに関しては先生に頑張って貰うとしよう。
里帰りをする度に、先生には迷惑掛ける事になるけど…ね。
そんな事を考えながら、平和な時は静かに過ぎていくのだった…。
周囲に響くほど、元気に鳴き声を上げるのは、生まれて6ヶ月程過ぎたばかりの愛娘である。
寝ている状態なら大丈夫かと思っていたが、どうやら空間を渡った時の不快感で目を覚ましてしまった様だ。
「あらあら、夢幻ちゃん、よく来たわね。
それに、お嫁さん達だけじゃなく、子供達まで…よく来てくれたわね。」
ばぁちゃんは笑顔でそう言うと、俺達を迎え入れてくれた。
「急に来てゴメン…迷惑だったかな?」
「まぁ、何言ってるの!可愛い孫が、家族を連れて帰って来たのですよ?
それに、こんな可愛い『ひ孫達』まで連れて来て…迷惑なんて言ったらバチが当たっちゃうわ。」
その言葉が本心であるかの様に、ばぁちゃんは終始、笑顔である。
「お祖母様、お初にお目に掛かります、私はプリンと申します。」
「わ、私はクズハです。」
「ローラは、ローラ。」
「お嬢様、お久しぶりです。」
「皆さん、初めまして…あと、アリスちゃんは、お久しぶりね。
でもね?みんなは初めてと言うけれど、私は、皆の事を良~く知っているのよ?」
そう言うと、悪戯が成功した時の様な笑顔を見せる。
そして、視線の先には一冊の本が…そればかりか、泣き出した愛娘を、プリンから受け取ると『よしよし』と声を掛けて、あやしてくれる。
すると、先程まで大声を上げて泣いていた愛娘は、直ぐに『キャッキャッ』と笑い出す。
その場面だけ見ても、流石は、ばぁちゃんだと言わざるを得ない。
「流石、ばぁちゃん…子守もお手の物だね。」
「何言ってるんだか…私は、こう見えても二児の母だったんだよ。
夢幻ちゃんも、知ってるでしょ?」
そう、ばぁちゃんの息子であり、俺の父親でもある長男の『天馬』。
そして、俺の叔母さんであり、父親の妹でもある『鈴歌』。
ばぁちゃんは、お姫様でありながら、右も左も分からないこの世界で、二人の子供を立派に育て上げているのだ。
しかも、今みたいに何でも直ぐに揃う時代ではなかったにも関わらずに…だ。
そんな厳しい時代を経験しているからか、プリン達と違い、危なげなく子守を始める。
しかし、それでも激戦の猛者であっても、一人で全員を見るのは厳しいだろう。
何せ、子供達は5人もいるのだから…。
え?数が合わないって?
プリン、クズハ、ローラ、アリス…そして、もう一人。
約束の物が出来たから…と、わざわざメルトの町まで届けに来た時に、プリンに新たな嫁~ズに加わる許しを得た女性、アルテイシアさんである。
ちなみに、先程、自己紹介をしなかったのは、転移をして直ぐにオシメを取り替えに行ったからである。
元々、俺の為に聖剣を鍛えた事で、プリン達の好感度は上がっていた。
それは全員纏めて『融合』した時に、分かっている事である。
その際、俺自身が気が付かなかった心を、彼女達は敏感に感じ取っていた。
そして、ドワーフとは言え、人の身でありながら、神器とも言える『不壊』の付いた武器を鍛えて来た事により、その覚悟を皆に認められたのだった。
そんな訳で、彼女もまた俺の嫁となり、その…アレだ、出来てしまったのである。
もちろん、こちらの世界で言えば、問題ありまくりの関係ではあるが、あちらの世界であれば問題はない。
養えるだけの稼ぎがあれば、問題はないのだ。
そして、俺は『娯楽施設』を兼ねた、タワー型のダンジョンのお陰で、かなりの稼ぎを出している。
しかも、ダンジョンだけあってか、税金すら掛からないのだから、そこで稼いだお金は、そのまま丸儲けとも言える。
故に、金銭的な面では、何不自由なく過ごす事が出来ているのである。
ただ、一つ問題があるとすれば…それは嫁~ズのみんなは、負けず劣らず、俺を愛している事。
それは、夜になると行動を伴って、襲いかかってくるのだ。
まぁ、それが今に繋がっていて、その結果に、まんざらではない自分がいるのだから、問題と言えないのかもしれない。
何はともあれ…多少なりとも無茶な事をしたが、ばぁちゃんに子供達を見せれて良かったと思う。
まぁ、帰りでも同様に無茶をするが、それに関しては先生に頑張って貰うとしよう。
里帰りをする度に、先生には迷惑掛ける事になるけど…ね。
そんな事を考えながら、平和な時は静かに過ぎていくのだった…。
0
お気に入りに追加
296
あなたにおすすめの小説
憧れの先輩に抱かれたくて尿道開発している僕の話
聖性ヤドン
BL
主人公の広夢は同じ学生寮に住む先輩・日向に恋をしている。
同性同士だとわかっていながら思い余って告白した広夢に、日向は「付き合えないが抱けはする」と返事。
しかしモテる日向は普通のセックスには飽きていて、広夢に尿道でイクことを要求する。
童貞の広夢に尿道はハードルが高かった。
そんな中、広夢と同室の五十嵐が広夢に好意を抱いていることがわかる。
日向に広夢を取られたくない五十嵐は、下心全開で広夢の尿道開発を手伝おうとするのだが……。
そんな三つ巴の恋とエロで物語は展開します。
※基本的に全シーン濡れ場、という縛りで書いています。
魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される
日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。
そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。
HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!
【完結】愛されなかった私が幸せになるまで 〜旦那様には大切な幼馴染がいる〜
高瀬船
恋愛
2年前に婚約し、婚姻式を終えた夜。
フィファナはドキドキと逸る鼓動を落ち着かせるため、夫婦の寝室で夫を待っていた。
湯上りで温まった体が夜の冷たい空気に冷えて来た頃やってきた夫、ヨードはベッドにぽつりと所在なさげに座り、待っていたフィファナを嫌悪感の籠った瞳で一瞥し呆れたように「まだ起きていたのか」と吐き捨てた。
夫婦になるつもりはないと冷たく告げて寝室を去っていくヨードの後ろ姿を見ながら、フィファナは悲しげに唇を噛み締めたのだった。
【R18】白い結婚なんて絶対に認めません! ~政略で嫁いだ姫君は甘い夜を過ごしたい~
瀬月 ゆな
恋愛
初恋の王子様の元に政略で嫁いで来た王女様。
けれど結婚式を挙げ、いざ初めての甘い夜……という段階になって、これは一年限りの白い結婚だなどと言われてしまう。
「白い結婚だなどといきなり仰っても、そんなの納得いきません。先っぽだけでもいいから入れて下さい!」
「あ、あなたは、ご自身が何を仰っているのか分かっておられるのですか!」
「もちろん分かっておりますとも!」
初恋の王子様とラブラブな夫婦生活を送りたくて、非常に偏った性の知識を頼りに一生懸命頑張る王女様の話。
「ムーンライトノベルズ」様でも公開しています。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる