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~最終章~◆◆◆物語はハッピーエンドが良いよね?◆◆◆

396ページ目…魔王の帰還【6】

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「兄上…そんな…兄上の死が無駄死にだったなんてッ!?
 嘘よ、嘘に決まってるわ!だって、私は…私はッ!!」

 次の瞬間、レスターさんの身体から、ドス黒い物が湧き出してくる。

「あ、あれは…瘴気かッ!?」

 瘴気とは、本来、人から出る筈のない物のはず…アレは特定の魔物から湧き出す事のある物で、人が使う聖なる力とは、性質が真逆な物なのである。
 もっとも、〖魔王化〗した俺からも普通に出るので、本来は、そこまで驚く物ではないのだが、問題は〖勇者〗であるレベッカから、それが出ている事である。

【来た、来た、来たーーー!コレコレ、僕はコレを待ってたんだよ!】
【〖勇者〗の闇堕ち!本当は彼女が魔王を倒した時に真実を教えて、闇堕ちさせ様と思ってたんだけどさ。】
【まぁ、順番が変わっちゃったけど、コレはコレで面白いから良いかな(笑)。】

「…どう言う事だ?」

 理由に関しては先程までの会話で分かってる。
 ただ、此奴は自分が楽しむ為だけに他神他人の世界に干渉し、あまつさえ人や魔族、魔物達を使って遊んでいたのだ。
 その過程で、人族に〖勇者〗の力を与える代わりに、殺し合いをさせた。
 だが、レキの言う『闇堕ち』とは、いったい…?

【君、そんなのも分からないのかい?】
【正義の味方が、悪に走る…面白いと思わないかい?】
【信じていた者に裏切られ、今まで味方だった者が敵になるんだよ?】
【それも、最強の正義である〖勇者〗の闇堕ちだ!魔王以上の脅威の誕生なんだよハハハハハッ!!】

 なるほど、ダース○イダーが、フ○ースの暗黒面に堕ちたのと同じか…。
 しかし、それを面白そうだからと言う理由だけで実行するとは、何と胸糞の悪い話だ。

 だが、それならそれで、こちらにも考えがある。
 喧嘩を売ってきたのは向こうが先なんだから、その喧嘩、9割引で買ってやろうじゃないか…。
 しかも、先程から俺の中でずっと燻っている炎がある…コレは〖憤怒・・〗か?

 そりゃそうだ…何せ、一連の事件の真犯人を見付けたのだ。
 俺の中のもう一つの魂がブチ切れ寸前…これには、流石の俺も同情するしか無い。

「プリ「〖融合〗!」

 おっと…こちらはこちらで、プリンも同じ気持ちだった様で、俺の言葉に被せる様にスキル〖融合〗を発動させる。
 こちらの意を汲んで、最後まで言う前に発動させた様だ。
 そして、ほんの僅かな一瞬、刹那と呼べる程の時間で〖融合〗が完了し、俺達は禁断の力を開放するのだった…。

☆★☆★☆

「〖魔神化〗ッ!!」

 何度か使って思った事がある…〖魔神化それ〗は、地上で使うには強すぎると言う事。
 只でさえ、〖魔王化〗するだけでも大幅なパワーアップを果たす。
 だが、その〖魔王化〗すらも軽く凌駕するパワーアップは、正直、気軽に使って良い物ではない。
 否、むしろ使う事自体、本来なら許されない物なのではないだろうか?

 その証拠に…。

【な、何じゃとッ!?お主、地上でそんな力を使ってはいかんのじゃ!!】

 と、まぁ…創造神が慌てた事からも想像するのは容易い。
 だが、そんなのはこっちの知った事ではない。
 そもそも、これは俺の意志であって、俺の意志ではない。

 ゼロと、そして、彼の愛した***の意志なのだから…。

「とは言え、まずは彼女を助けないと…な。」

『パチンッ!』

 対象をレスター改め、レベッカに標的を定め、指を鳴らす。
 ご存知、俺の最強のチートスキルである〖森羅万象〗の発動である。

 その結果、彼女の身体から湧き出ていた瘴気が、意図も容易く霧散する。
 やはり、この程度の事であれば、〖森羅万象〗を使えば、簡単に解決する様だ。

【き、貴様、何をした!僕の…僕の玩具にッ!!】

 玩具…『遊戯神・レキ』は確かに、彼女を玩具と呼んだ。
 その結果、俺の身体から、先程から燻っていた〖憤怒・・〗の炎が湧き出てくる。

「もう良い…黙れ、クソガキ…。」

 思わず、口から出てきた言葉は語彙力ごいりょくは皆無だが、間違いなく俺自身の言葉。
 だが、そんな俺の態度に『レキ』は…。

【黙れだと!クソガキだと!!僕は神だぞ?虫けら同然の貴様より偉いんだぞ!】
【そんな僕に対して、そんな口を利くなんて、神罰を与えるぞ!!】

 何とも自己中な物言いである。

【やめるのじゃ、レキよ!お主にはワシがキツイ罰を与える!】

「爺さん、ちょっと邪魔するぞ?」

【な、何じゃと?】

 創造神を爺さん呼ばわりするのもどうかと思うが、今は、そんな事は些細なの事で…。

『パチンッ!』

 指を鳴らした瞬間、俺は、この世界から消滅えたのだった…。
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