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~第七章:魔神復活編~

379ページ目…そして、元の世界へ…。

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『いやーーーーー!』

 そんなプリンの悲鳴を聞きながら、僕の意識は遠のいていく…。
 こんな事で、プリンとは永遠の別れになると思うと悔しい思いが込み上げてくる。
 だが、そんな思いも、僕と共に、この世界から消滅えていくのだった…。

☆★☆★☆

 次に目を覚ました時・・・・・・・、僕は驚いた。
 何故なら、僕は確かに、あの時、死んだはずなのだから…しかし、本当に僕が驚いたのは別の事だった。

 何故なら…。

「え?ここは…僕の部屋?」

 そう…ここは紛れもなく僕の部屋である。
 しかも、僕が装備してた『|《あちらの世界》異世界』の装備ではなく、『あちらの世界』へ行く前の寝間着代わりに着ていたジャージ姿だった。
 しかも、驚いた事に、時計の針も、僕が『異世界』へ旅だった時間から1分と時間は経っていなかったのだ…。

 つまり、これは…。

「まさか、今までのは全部、夢…なのか?」

 だが、床に座っている僕の足の上には一冊の本がある。
 そして、僕はおもむろにその本をめくる。

 すると、そこには、白紙だったページに、今まで僕が経験して来た出来事が物語として書かれていた。
 僕は今までの出来事を思い返すかの様に、夢中になり読み進めていく…。

 そして…僕がプリンとの融合を強制的に排除して、魔王エギンにより倒されている所で物語は終了していた。

 しかも、その最後のページには『~fin終わり~』と書いてはいるものの、何故か違和感がある。
 その原因が分からないまま、ただ時間だけが過ぎていった…。

 そして、そのまま昼頃までボ~っとしていたのだが、突如、スマホのアラームが鳴り出した事により、ある事を思い出した。
 そう、この日、僕は後輩と遊ぶ約束をしていたのだ。

 しかし、異世界の事が、どうしても夢だとは思えない僕は、後輩と遊ぶ事をキャンセルしようと考え、スマホを手に取った時、自分の指に填めていた指輪が無くなっている事に気が付いた。
 そう…異世界に行く前…本を読む前に表紙の竜の口から取り外し指に填めた、あの不思議な指輪である。

 何処かに落としたのか?そう思い、部屋中をくまなく探す…しかし、結局、指輪は見付からなかった。
 まるで、最初から無かったかの様に…。

 そうこうしている内に、後輩と遊ぶ時間が近付いて来る。
 そして…そう言えば『砕神サイガミのヤツ、この手の小説ラノベとか詳しかったよな…。』と、何かに導かれる様に呟いた。

 何故、この様な事を呟いたのか、自分でもこの時は分からない。
 だが、この時の僕は、何故か今まで断ろうとしていた後輩に、絶対に会わなければ行けないんだ…と危機感に襲われた。
 それ故、断ろうとしていた遊ぶ約束を守る為、急いで着替えると、僕は後輩の家へと出掛けていった。
 そう…リュックに、例の本を詰めて…。

☆★☆★☆

『ピンポーン!』

 20分ほど、時間が過ぎた頃、僕は後輩の家へ着いた。
 いつもの様に、呼び鈴を鳴らすと、後輩が出迎えてくれた。

「先輩、いらっしゃい。
 って、先輩、何かやつれてませんか?もしかして…何かあったんですか?」
「あ~…いや、詳しい事は部屋で言うよ…それより、上がっても良いかな?」
「えぇ、どうぞ…何か冷たい飲み物持って行くんで、先に部屋で待ってて下さい。」
「あぁ、分かった…お邪魔します。」

 勝手知ったる何とやら…ではないが、既に何度も遊びに来ている後輩の家である。
 『お邪魔します』と挨拶だけ済ませると、遠慮無く後輩の部屋へと向かう。
 後輩も、飲み物を…と言うだけあって、予め用意していたのか、直ぐに2人分のコップとよく冷えた炭酸飲料コーラを持って戻ってきた。

「それで…先輩、何があったんですか?」

 先輩後輩の関係ではあるが、親友と呼んでも良いほどの友達である。
 遠慮も何も無く、言いたい事を言い聞きたい事もズバッと聞いてくる後輩に、思わず苦笑してしまう。
 だが、今は、その方が気楽で良い…その為、僕は重い口を開いて説明を始めるのだった…。

「自分で言うのも何だけど、凄く可笑しな話をするが良いか?」
「…それ、言う必要あります?今更ですよ、今更。」
「確かに、そうだよな…。」

 今までも、さんざん馬鹿な事を言ってきているのだ
 今更、一つや二つ、可笑しな話をした所で、どうこうなる関係ではない。
 そもそも、そんなんで壊れる関係であれば、既に友達なんて止めている。

「んじゃ、まずは手始めに…これを読んで感想を聞かせてくれ。」

 僕はそう言うと、後輩…砕神へと例の本を渡すのだった…。
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