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~第七章:魔神復活編~
378ページ目…魔王vs魔王【3】
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『融合』と呟いたプリンは、一瞬で俺と一つとなり新たな姿へと変化させた。
そして、これこそが俺達の奥の手であり最強の姿でもあった。
〖魔神化〗…俺とプリン、そして勇者セイギにより魂の半分を俺の中に封じ込められた魔王・零…それと、もう一人の魂…その全てがプリンの融合により、その存在を、正しく神のレベルにまで引き上げた姿である。
もっとも、全ての魂が完全に一つになっているのではなく、完璧な形となるのに足りない部分を繋ぎ合わせて作られた魂が、神のレベルに達している為、余った部分も当然ある。
その為、余ってる部分に関しては、別途、体内に作られた魔石の核に保存されている状態であった。
何はともあれ、本来ならば地上に神は存在しない…その最たる理由として、神が地上で活動するには、あまりにもこの世界は脆かったからである。
その為、神は地上に降りてはならない…そんな理由から魔神であった零は、己の魂を分け何とか地上に存在出来るレベルまで下げ、魔王として地上に降臨していたのである。
だが、そんな神々が決めたルールなどお構いなし…と、ばかりに俺は地上で〖魔神化〗したのである。
「さて…魔神化すると、もう手加減は出来ないが、覚悟は良いかな?」
相手はまだ子供である…少し大人げないとも思わないでもないが、エギンは色々としでかしていた。
しかも、〖魔王化〗した俺のステータスを追加で上書きした為、彼を止めるには、もうこの方法しか残っていなかったのだ。
「な、何だよそれ…チートじゃん!」
「…それ、お前が言うのか?」
そもそもな話、彼は望んで覚醒した訳ではない様だが、それでも魔王だからと言って悪事を働く行動をしない手もあったはずなのだ。
しかも、魔族は魔王には逆らえない存在…まぁ、一部、例外はあるみたいだが…を、まるで玩具の様に扱っていたのだ。
何はともあれ、〖魔神化〗した俺のステータスを確認出来ないはずのエギンも、この身体に秘めている力に対し、何か感じる物がある様で、ジリジリと後ずさりをしている。
「く、来るな!来るなー!…何てね?」
エギンの姿が掻き消える。
だが、正直、この状態の俺の前では、何をしても無意味に近い。
その証拠に…
「ぬべらッ!?」
と、声を上げて壁にぶつかって止まったエギンを溜め息混じりで見ていたからだ。
「お前さ…もう少し考えて行動した方が良いぞ?
さっきも言ったが、今の俺は魔神だぞ?
魔王であるお前より、何倍も強いんだぞ?」
「クソッ!クソッ!クソッ!こんなの認めない!
僕は、この世界で一番強いんだ!
お前から残りの魔王の力を全部奪って、元の世界に戻るんだ!」
言いたい事は何となく分かる…俺だって、元の世界に未練がないかと言われたら、未練はありまくりだ。
だが、それ以上に、俺はこの世界を…そして、プリン達『嫁~ズ』を愛している。
その他、どちらかを選ばないと行けないとなれば、多少悩む事はあっても、間違いなく、この世界を選ぶであろう。
だが、彼は?彼は元の世界を選ぶのは今の態度を見ると一目瞭然である。
「あのさ…そんなに戻りたいなら、手を貸そうか?
ただし、直ぐに戻れるかは分からないけど…。」
確証がある訳ではない…エギンは転移ではなく転生なのだから…。
だが、聖都で暴れていた『零の使い魔』を名乗る集団も、結局の所、魔王の力で元の世界に戻るのを夢見た集団だったのだ。
だが、魔王が完全復活したら元の世界に戻れると言い出したのは魔族の策略で、嘘か本当かは分からない。
そんな不確かな情報でも、彼等は藁をも掴む程の情報だったのだ。
ただ、火のない所に煙は立たぬ…と言う諺もある。
もしかしたら、本当に何かしらの方法があるのかも知れない。
「ほ、本当?お兄さんは、本当に僕を元の世界に戻してくれるの?」
「あぁ、だから、もう悪い事はしないと約束してくれるか?
それと、君の願いを叶える為に、色々と協力して貰わないと困るかな?」
「うん…分かった…。
それで、これから僕は何をすれば良いの?」
やはり、気の所為だったのか?どうやら中身は子供なのだろう…俺の言う事を素直に信じてくれたのか、戦闘態勢を解除する。
まぁ、そのまま戦っても勝ち目はないのだから、中身が子供じゃなくても賢い選択とも言えるだろう。
「そうだな…まずは仲直りとして、握手をしようか?」
我ながら、バカげていると思わないでもないが、やはり仲直りと言えば握手ではないだろうか?
それに、例の上書きの能力も〖神眼〗で見たが、一度きりの切る札なのは分かってる事だし…ね。
そんな訳で、俺はゆっくりと壁際で座り込んでいる彼に近付くと、起き上がらせる様に手を差し伸べた。
エギンは俺の手を取り、起き上がる。
そして、ニッコリ微笑んだかと思うと、こう言った…。
「やっぱり、お兄さんって甘いね。
簡単に人を信じちゃダメなんだよ?」
何とも不気味で背中に寒気が走る。
次の瞬間、自分でも驚くほどの速度で、強制的にプリンとの〖融合〗を解除してプリンを後方へと吹き飛ばす。
その直後、魔神から魔王に戻り始めた俺の胸に、エギンの手が差し込まれる。
そして、その手には僕の心臓が握られていて…。
「これで魔王の力は全部僕の物だーーー!!」
その言葉が真実である様に、急速に僕の身体から力が抜けていく。
しかも、心臓を破壊されている為、僕の死は免れないであろう事も…。
油断していた僕が悪い…とは言え、プリン達を残したまま消えてしまう事になるなんて…。
『いやーーーーー!』
プリンの悲鳴を聞きながら、僕はこの世界から消滅したのだった…。
そして、これこそが俺達の奥の手であり最強の姿でもあった。
〖魔神化〗…俺とプリン、そして勇者セイギにより魂の半分を俺の中に封じ込められた魔王・零…それと、もう一人の魂…その全てがプリンの融合により、その存在を、正しく神のレベルにまで引き上げた姿である。
もっとも、全ての魂が完全に一つになっているのではなく、完璧な形となるのに足りない部分を繋ぎ合わせて作られた魂が、神のレベルに達している為、余った部分も当然ある。
その為、余ってる部分に関しては、別途、体内に作られた魔石の核に保存されている状態であった。
何はともあれ、本来ならば地上に神は存在しない…その最たる理由として、神が地上で活動するには、あまりにもこの世界は脆かったからである。
その為、神は地上に降りてはならない…そんな理由から魔神であった零は、己の魂を分け何とか地上に存在出来るレベルまで下げ、魔王として地上に降臨していたのである。
だが、そんな神々が決めたルールなどお構いなし…と、ばかりに俺は地上で〖魔神化〗したのである。
「さて…魔神化すると、もう手加減は出来ないが、覚悟は良いかな?」
相手はまだ子供である…少し大人げないとも思わないでもないが、エギンは色々としでかしていた。
しかも、〖魔王化〗した俺のステータスを追加で上書きした為、彼を止めるには、もうこの方法しか残っていなかったのだ。
「な、何だよそれ…チートじゃん!」
「…それ、お前が言うのか?」
そもそもな話、彼は望んで覚醒した訳ではない様だが、それでも魔王だからと言って悪事を働く行動をしない手もあったはずなのだ。
しかも、魔族は魔王には逆らえない存在…まぁ、一部、例外はあるみたいだが…を、まるで玩具の様に扱っていたのだ。
何はともあれ、〖魔神化〗した俺のステータスを確認出来ないはずのエギンも、この身体に秘めている力に対し、何か感じる物がある様で、ジリジリと後ずさりをしている。
「く、来るな!来るなー!…何てね?」
エギンの姿が掻き消える。
だが、正直、この状態の俺の前では、何をしても無意味に近い。
その証拠に…
「ぬべらッ!?」
と、声を上げて壁にぶつかって止まったエギンを溜め息混じりで見ていたからだ。
「お前さ…もう少し考えて行動した方が良いぞ?
さっきも言ったが、今の俺は魔神だぞ?
魔王であるお前より、何倍も強いんだぞ?」
「クソッ!クソッ!クソッ!こんなの認めない!
僕は、この世界で一番強いんだ!
お前から残りの魔王の力を全部奪って、元の世界に戻るんだ!」
言いたい事は何となく分かる…俺だって、元の世界に未練がないかと言われたら、未練はありまくりだ。
だが、それ以上に、俺はこの世界を…そして、プリン達『嫁~ズ』を愛している。
その他、どちらかを選ばないと行けないとなれば、多少悩む事はあっても、間違いなく、この世界を選ぶであろう。
だが、彼は?彼は元の世界を選ぶのは今の態度を見ると一目瞭然である。
「あのさ…そんなに戻りたいなら、手を貸そうか?
ただし、直ぐに戻れるかは分からないけど…。」
確証がある訳ではない…エギンは転移ではなく転生なのだから…。
だが、聖都で暴れていた『零の使い魔』を名乗る集団も、結局の所、魔王の力で元の世界に戻るのを夢見た集団だったのだ。
だが、魔王が完全復活したら元の世界に戻れると言い出したのは魔族の策略で、嘘か本当かは分からない。
そんな不確かな情報でも、彼等は藁をも掴む程の情報だったのだ。
ただ、火のない所に煙は立たぬ…と言う諺もある。
もしかしたら、本当に何かしらの方法があるのかも知れない。
「ほ、本当?お兄さんは、本当に僕を元の世界に戻してくれるの?」
「あぁ、だから、もう悪い事はしないと約束してくれるか?
それと、君の願いを叶える為に、色々と協力して貰わないと困るかな?」
「うん…分かった…。
それで、これから僕は何をすれば良いの?」
やはり、気の所為だったのか?どうやら中身は子供なのだろう…俺の言う事を素直に信じてくれたのか、戦闘態勢を解除する。
まぁ、そのまま戦っても勝ち目はないのだから、中身が子供じゃなくても賢い選択とも言えるだろう。
「そうだな…まずは仲直りとして、握手をしようか?」
我ながら、バカげていると思わないでもないが、やはり仲直りと言えば握手ではないだろうか?
それに、例の上書きの能力も〖神眼〗で見たが、一度きりの切る札なのは分かってる事だし…ね。
そんな訳で、俺はゆっくりと壁際で座り込んでいる彼に近付くと、起き上がらせる様に手を差し伸べた。
エギンは俺の手を取り、起き上がる。
そして、ニッコリ微笑んだかと思うと、こう言った…。
「やっぱり、お兄さんって甘いね。
簡単に人を信じちゃダメなんだよ?」
何とも不気味で背中に寒気が走る。
次の瞬間、自分でも驚くほどの速度で、強制的にプリンとの〖融合〗を解除してプリンを後方へと吹き飛ばす。
その直後、魔神から魔王に戻り始めた俺の胸に、エギンの手が差し込まれる。
そして、その手には僕の心臓が握られていて…。
「これで魔王の力は全部僕の物だーーー!!」
その言葉が真実である様に、急速に僕の身体から力が抜けていく。
しかも、心臓を破壊されている為、僕の死は免れないであろう事も…。
油断していた僕が悪い…とは言え、プリン達を残したまま消えてしまう事になるなんて…。
『いやーーーーー!』
プリンの悲鳴を聞きながら、僕はこの世界から消滅したのだった…。
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