358 / 421
~第七章:魔神復活編~
358ページ目…魔王城、侵入
しおりを挟む
プリンの所為で、正門からの強行突破を余儀なくされた僕達。
そんな僕達の前に現れたのは大地の四天王を名乗るオルマと言う名の上級魔族だった。
だが、そんな自称:四天王の一角も、ローラの死角からの一撃により、あっさりと倒す事が出来たのは僥倖だったと言えよう。
「って言うか、今まで戦った上級魔族の中でも、異様に弱かったような…。」
そう、プリンを失う事を否定して魔神へと覚醒したあの時の上級魔族のオメガが一番強く、次に現在、皆殺しの魔剣と化したデストロイヤーの元となったグレコ・ノール。
もっとも、彼の場合は前・魔王への忠誠で自らに禁術を用いる事で己が身を魔剣へと変え僕達に付いてくる事を選んだので、オメガとグレコ・ノール…正直な話、どちらが強かったのかは謎のままではあるのだが…。
とは言え、オメガに使い捨てにされたラドルとか言う上級魔族よりも、四天王を名乗るオルマの方が明らかに弱いのは問題だと思う。
「そう言えば、ふと思ったのですが、先程の四天王(笑)、上級魔族の癖に普通に物理攻撃効いてましたね。」
「え?ローラの攻撃って物理攻撃だったのか?」
プリンに言われて、今更ながら物理攻撃だったのかと驚く。
そもそも、ローラがフェンリルとして本気で攻撃をした一撃が只の物理攻撃の筈がない。
しかも、『聖爪・グングニール』などと大それた名前の技を使ったのだ。
「殆ど物理攻撃、少し聖属性の攻撃。
ローラも、あんなに効くとは思わなかった。」
「だよな…そもそもの話、上級魔族は精神体で物理攻撃は全く効かないはずなんだけど…。」
ローラも殆ど牽制のつもりで攻撃していたみたいで、よもや倒せるとは思っていなかった為、ローラ自身驚いている様だ。
「そう言えば、グルコ・ノールにも物理攻撃が効いていた様な気もします。」
「言われてみれば確かに…って言うか、アイツは魔剣として振れる訳だから肉体を持っていたと思って良いんじゃないか?
あれ?でもそうすると…上級魔族の強みが逆に無くなってないか?」
物理攻撃が効かず、特殊な装備でしかダメージを与えられないからこそ、上級魔族は強いのである。
まぁ、確かに強大な魔力を持っているのだから決して弱い訳ではないのだが、それなりにレベルの上がっている僕達にしてみれば、オルマ程度の強さなら脅威にならない。
それほどまでに物理攻撃が有効か無効かと言うのは大きな問題だったのである。
「あ、あの…もしかして、これも魔王の所為だったりするのでしょうか?」
そうクズハに言われて、僕は考えた…そして、出した結論は…。
「あぁ、おそらくは…ね。
正直、確信は持てないけど今までの魔王の行動から考えると、それは間違いないとは思うけど…ね。」
「ですが、御主人様…四天王と言うからには、まだ3人残っているはずでは?
いくら弱体化しているとは言え、油断は禁物かと…同時に攻撃してくるのであれば、それだけ脅威は跳ね上がります。」
「そうだな、アリスの言う通り、油断は禁物だ。
ってな訳で、みんな警戒を怠らない様にね!」
まぁ、この中で油断して一番警戒を怠りそうなのが僕って言うのが何ともアレではあるのだが…。
何はともあれ、オルマを倒して正門から侵入してから10分程経った頃、僕達を出迎えたのは大量の下級魔族の軍団である。
ただし、今の僕達の歩みを止めるのには些か力不足であった。
『チュドーン!ドカーン!』
それこそ、僕の出番はありませんよ~と言わんばかりの爆裂魔法による容赦のない絨毯爆撃により下級魔族の一団は完全に無効化されてしまったのである。
「うん、分かっていた事だけど、こうまで戦力差があると、何か哀れだな…。」
そう呟いた僕の言葉に反応する者がいた。
もちろん、それはプリン達、嫁~ズ…ではない。
「ほう、こうも容易く我の軍団を葬り去るとは、些か驚きを隠せぬな。」
いったい、何処から聞こえてきた!?
突如として聞こえてきた声に周囲を警戒する僕…そんな中、ふと視線を壁際に向けた時、一人の男に気が付いた。
「今のはお前が喋ったのか?」
「ふッ!ようやく気が付いたか…そんな体たらくで、この魔王城に攻め入るとは、余程死にたいとみえる。」
「ッ!?そう言う貴様は何者だッ!」
気付くのが遅れたのは、確かに僕達の落ち度である。
しかも、先程ローラが倒したオルマに比べたら、その存在から来る重圧は遙かに脅威と言える。
「ふッ!自分の名を名乗らずに我が名を知ろうとするとは愚か者よ。
とは言え、貴様等は此処で死ぬ身、ならば冥途の土産に貴様等を殺す我の名を教えてやろう!
聞いて驚け!我こそはエルム…四天王が一人、水宴のエルムであるッ!!」
四天王…オルマに引き続き、早々に新たな四天王が僕達の前に現れた瞬間だった…。
そんな僕達の前に現れたのは大地の四天王を名乗るオルマと言う名の上級魔族だった。
だが、そんな自称:四天王の一角も、ローラの死角からの一撃により、あっさりと倒す事が出来たのは僥倖だったと言えよう。
「って言うか、今まで戦った上級魔族の中でも、異様に弱かったような…。」
そう、プリンを失う事を否定して魔神へと覚醒したあの時の上級魔族のオメガが一番強く、次に現在、皆殺しの魔剣と化したデストロイヤーの元となったグレコ・ノール。
もっとも、彼の場合は前・魔王への忠誠で自らに禁術を用いる事で己が身を魔剣へと変え僕達に付いてくる事を選んだので、オメガとグレコ・ノール…正直な話、どちらが強かったのかは謎のままではあるのだが…。
とは言え、オメガに使い捨てにされたラドルとか言う上級魔族よりも、四天王を名乗るオルマの方が明らかに弱いのは問題だと思う。
「そう言えば、ふと思ったのですが、先程の四天王(笑)、上級魔族の癖に普通に物理攻撃効いてましたね。」
「え?ローラの攻撃って物理攻撃だったのか?」
プリンに言われて、今更ながら物理攻撃だったのかと驚く。
そもそも、ローラがフェンリルとして本気で攻撃をした一撃が只の物理攻撃の筈がない。
しかも、『聖爪・グングニール』などと大それた名前の技を使ったのだ。
「殆ど物理攻撃、少し聖属性の攻撃。
ローラも、あんなに効くとは思わなかった。」
「だよな…そもそもの話、上級魔族は精神体で物理攻撃は全く効かないはずなんだけど…。」
ローラも殆ど牽制のつもりで攻撃していたみたいで、よもや倒せるとは思っていなかった為、ローラ自身驚いている様だ。
「そう言えば、グルコ・ノールにも物理攻撃が効いていた様な気もします。」
「言われてみれば確かに…って言うか、アイツは魔剣として振れる訳だから肉体を持っていたと思って良いんじゃないか?
あれ?でもそうすると…上級魔族の強みが逆に無くなってないか?」
物理攻撃が効かず、特殊な装備でしかダメージを与えられないからこそ、上級魔族は強いのである。
まぁ、確かに強大な魔力を持っているのだから決して弱い訳ではないのだが、それなりにレベルの上がっている僕達にしてみれば、オルマ程度の強さなら脅威にならない。
それほどまでに物理攻撃が有効か無効かと言うのは大きな問題だったのである。
「あ、あの…もしかして、これも魔王の所為だったりするのでしょうか?」
そうクズハに言われて、僕は考えた…そして、出した結論は…。
「あぁ、おそらくは…ね。
正直、確信は持てないけど今までの魔王の行動から考えると、それは間違いないとは思うけど…ね。」
「ですが、御主人様…四天王と言うからには、まだ3人残っているはずでは?
いくら弱体化しているとは言え、油断は禁物かと…同時に攻撃してくるのであれば、それだけ脅威は跳ね上がります。」
「そうだな、アリスの言う通り、油断は禁物だ。
ってな訳で、みんな警戒を怠らない様にね!」
まぁ、この中で油断して一番警戒を怠りそうなのが僕って言うのが何ともアレではあるのだが…。
何はともあれ、オルマを倒して正門から侵入してから10分程経った頃、僕達を出迎えたのは大量の下級魔族の軍団である。
ただし、今の僕達の歩みを止めるのには些か力不足であった。
『チュドーン!ドカーン!』
それこそ、僕の出番はありませんよ~と言わんばかりの爆裂魔法による容赦のない絨毯爆撃により下級魔族の一団は完全に無効化されてしまったのである。
「うん、分かっていた事だけど、こうまで戦力差があると、何か哀れだな…。」
そう呟いた僕の言葉に反応する者がいた。
もちろん、それはプリン達、嫁~ズ…ではない。
「ほう、こうも容易く我の軍団を葬り去るとは、些か驚きを隠せぬな。」
いったい、何処から聞こえてきた!?
突如として聞こえてきた声に周囲を警戒する僕…そんな中、ふと視線を壁際に向けた時、一人の男に気が付いた。
「今のはお前が喋ったのか?」
「ふッ!ようやく気が付いたか…そんな体たらくで、この魔王城に攻め入るとは、余程死にたいとみえる。」
「ッ!?そう言う貴様は何者だッ!」
気付くのが遅れたのは、確かに僕達の落ち度である。
しかも、先程ローラが倒したオルマに比べたら、その存在から来る重圧は遙かに脅威と言える。
「ふッ!自分の名を名乗らずに我が名を知ろうとするとは愚か者よ。
とは言え、貴様等は此処で死ぬ身、ならば冥途の土産に貴様等を殺す我の名を教えてやろう!
聞いて驚け!我こそはエルム…四天王が一人、水宴のエルムであるッ!!」
四天王…オルマに引き続き、早々に新たな四天王が僕達の前に現れた瞬間だった…。
0
お気に入りに追加
302
あなたにおすすめの小説
駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜
あーもんど
恋愛
『私は恋に生きるから、探さないでそっとしておいてほしい』
という置き手紙を残して、駆け落ちした姉のクラリス。
それにより、主人公のレイチェルは姉の婚約者────“悪辣公爵”と呼ばれるヘレスと結婚することに。
そうして、始まった新婚生活はやはり前途多難で……。
まず、夫が会いに来ない。
次に、使用人が仕事をしてくれない。
なので、レイチェル自ら家事などをしないといけず……とても大変。
でも────自由気ままに一人で過ごせる生活は、案外悪くなく……?
そんな時、夫が現れて使用人達の職務放棄を知る。
すると、まさかの大激怒!?
あっという間に使用人達を懲らしめ、それからはレイチェルとの時間も持つように。
────もっと残忍で冷酷な方かと思ったけど、結構優しいわね。
と夫を見直すようになった頃、姉が帰ってきて……?
善意の押し付けとでも言うべきか、「あんな男とは、離婚しなさい!」と迫ってきた。
────いやいや!こっちは幸せに暮らしているので、放っておいてください!
◆本編完結◆
◆小説家になろう様でも、公開中◆
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ~【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ!~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
俺は社畜だ。
ふと気が付くと見知らぬ場所に立っていた。
諸々の情報を整理するに、ここはどうやら異世界のようである。
『ジョブ設定』や『ミッション』という概念があるあたり、俺がかつてやり込んだ『ソード&マジック・クロニクル』というVRMMOに酷似したシステムを持つ異世界のようだ。
俺に初期スキルとして与えられた『ジョブ設定』は、相当に便利そうだ。
このスキルを使えば可愛い女の子たちを強化することができる。
俺だけの最強ハーレムパーティを築くことも夢ではない。
え?
ああ、『ミッション』の件?
何か『30年後の世界滅亡を回避せよ』とか書いてあるな。
まだまだ先のことだし、実感が湧かない。
ハーレム作戦のついでに、ほどほどに取り組んでいくよ。
……むっ!?
あれは……。
馬車がゴブリンの群れに追われている。
さっそく助けてやることにしよう。
美少女が乗っている気配も感じるしな!
俺を止めようとしてもムダだぜ?
最強ハーレムを築くまで、俺は止まらねぇからよぉ!
※主人公陣営に死者や離反者は出ません。
※主人公の精神的挫折はありません。
私のバラ色ではない人生
野村にれ
恋愛
ララシャ・ロアンスラー公爵令嬢は、クロンデール王国の王太子殿下の婚約者だった。
だが、隣国であるピデム王国の第二王子に見初められて、婚約が解消になってしまった。
そして、後任にされたのが妹であるソアリス・ロアンスラーである。
ソアリスは王太子妃になりたくもなければ、王太子妃にも相応しくないと自負していた。
だが、ロアンスラー公爵家としても責任を取らなければならず、
既に高位貴族の令嬢たちは婚約者がいたり、結婚している。
ソアリスは不本意ながらも嫁ぐことになってしまう。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~
鐘ケ江 しのぶ
ファンタジー
第15回ファンタジー大賞、奨励賞頂きました。
投票していただいた皆さん、ありがとうございます。
励みになりましたので、感想欄は受け付けのままにします。基本的には返信しませんので、ご了承ください。
「あんたいいかげんにせんねっ」
異世界にある大国ディレナスの王子が聖女召喚を行った。呼ばれたのは聖女の称号をもつ華憐と、派手な母親と、華憐の弟と妹。テンプレートのように巻き込まれたのは、聖女華憐に散々迷惑をかけられてきた、水澤一家。
ディレナスの大臣の1人が申し訳ないからと、世話をしてくれるが、絶対にあの華憐が何かやらかすに決まっている。一番の被害者である水澤家長女優衣には、新種のスキルが異世界転移特典のようにあった。『ルーム』だ。
一緒に巻き込まれた両親と弟にもそれぞれスキルがあるが、優衣のスキルだけ異質に思えた。だが、当人はこれでどうにかして、家族と溺愛している愛犬花を守れないかと思う。
まずは、聖女となった華憐から逃げることだ。
聖女召喚に巻き込まれた4人家族+愛犬の、のんびりで、もふもふな生活のつもりが……………
ゆるっと設定、方言がちらほら出ますので、読みにくい解釈しにくい箇所があるかと思いますが、ご了承頂けたら幸いです。
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる