~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

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~第七章:魔神復活編~

352ページ目…完成、新たな鎧

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 プリンが呪術師と言う名の魔物を吸収して得た〖結界術〗をヒントに、僕は元の世界の記憶を頼りに、生きてる鎧であるドラゴンの鎧を改造していく事にした。

「で、完成したのが此奴等こいつらなんだけど…どうかな?」

 僕はそう言うと、完成したばかりの鎧を嫁~ズ達に見せる。
 残念ながら、ローラはまだ戻ってきていないので、ローラが新たな鎧を見るのは後日となる。

ご主人様あなた…私のは新しい鎧は、この長い胴体のなんですよね?」

 少し変な物を見るかの様にプリンが聞いてくる。
 確かにこっちの世界でドラゴンと言えば西洋の『竜』である。
 しかし、今現在、プリンの前にあるのは東洋で言う所の『龍』…日本人のイメージで直ぐ思い出すのは『ドラゴ○ボール』の『神龍』だろう。

「うん、プリンのはソレだね。
 一応、水を操る能力をサポートする機能を付与しているから、プリンとは相性が良いと筈だよ。
 ちなみに、僕の住んでいた世界では『青龍せいりゅう』って言う聖獣をモチーフに改造したヤツだね。」

  そして、次に聞いてきたのはクズハだ。

「そ、それでは、私のどれですか?」
「あぁ、クズハのは『朱雀すざく』と言う聖獣をモチーフにしたヤツで…そこの鳥の形をしたヤツだね。」

 僕がそう言うと、朱雀は『ピィー!』と鳴いて炎を纏うと、そのまま飛び上がりクズハの横へと飛んでいった。

「あ、こ、この子、熱くないんですね。」
「そうだね、実際の炎ではなく『聖炎せいえん』と言う炎で、アンデッドとかに有効な『聖なる炎』を纏うんだけど実際には熱くないんだよ。
 まぁ、クズハも炎をよく使うから、相性は良いんじゃないかな?
 そうそう、ついでに言うと、『聖炎』はある程度の呪いも防ぐみたいだよ?」

 正確には防ぐと言うか、呪いを焼き尽くす様だが…。
 ちなみに、僕自身は聖属性を使えないので、聖属性の魔石を組み込む事で、聖炎を作り出している。
 それ故、魔石に魔力を貯めるチャージする必要があるのはご愛嬌だ。

「そ、そうなんですね…ありがとうございます。」
「で、アリスのがコレ。」

 そう言って、僕はアリスに新しい鎧を渡す。

「コレは…もしかして亀ですか?ですが、尻尾が蛇になっていますね…。
 初めて見ますが、こちらは何と言う物なのでしょうか?」
「それは、『玄武げんぶ』と言って…まぁ、見た通り亀と蛇が一体になった聖獣だね。
 アリスはブラウニーだから基本的に家を守る妖精って事で、防御に特化した鎧にしてみたんだ。
 参考までに言うと、亀の部分が防御で蛇の部分が攻撃を担当する形になるね。」

 ちなみに、亀の方も蛇の方も、一応、別々の意識がある為、攻撃が自動で行われる事もあるので、本人が守り一辺倒であっても自動で反撃がされる優れ物である。

「あとは…ローラがいないのが残念だけど、ローラの鎧が『白虎びゃっこ』って言う聖獣だね。
 主に、身体強化をメインとした作りになっていて、格闘戦を好むローラに合ってるんじゃないかな?
 まぁ、フェンリル狼のローラに、虎の鎧って言うのは、何かアレだけど…まぁ、あくまでも鎧だから、そこら辺は気にしないでね?」
「そうなんですね。」

 そう言って、プリンはニッコリと微笑んだ。

「そう言えば、ご主人様あなたご主人様あなたの鎧も改造されたのですか?」
「え?あ、あぁ…まぁ、一応…ね?」

 確かに僕の鎧も改造はした…が、ちょっと調子に乗って改造したのだが、冷静になった今では少し恥ずかしくなってしまっていた。

「そうなんですね!それで…ご主人様あなたの鎧は見せてくれないんですか?」
「わ、私も見たい…です。」
「もし、よろしければ私も見てみたいです。」

 この場に居ないローラを除く嫁~ズ全員にお願いされてしまったら、僕の負けは確定、諦めて見せるしかないだろう…。
 なので、ある意味では『黒歴史』なのでは?と思う改造した鎧を〖無限庫インベントリ〗から取り出すとプリン達の前に置いた…。

「これは…金色こんじきの龍ですか?私の『青龍』に似ていると言うか…お揃いに見えますが、コレは、どう言う物なんですか?」
「そ、そう言えば、確かにプリンさんの鎧と同じく胴長のドラゴンさんですね。」
「何と言いますか…キラキラして格好良いとは思いますが、戦場で着るには些か目立ち過ぎなのではないですか?」

 と、アリスが疑問をぶつけてくる。

「そうなんだよな…金ピカの鎧なんて、目立つ事この上ないと俺も思うんだ…。
 その場の勢いとは言え、何で、こんな色にしたんだろう…。」

 僕は少し凹んだように項垂れる。
 戦場であるなら出来るだけ目立たない方が、攻撃する側としては有利なのだ。
 それなのに、こんな目立つ鎧なんて…まぁ、囮なら有効なのかも知れないが、それとこそとは話は別である。

「ねぇ、ご主人様…ご主人様の鎧にも私達の鎧みたいに名前あるんでしょ?」
「あ、うん…一応、『黄龍こうりゅう』って名前があるよ。
 えっと…プリン達の四つの鎧の元になってるのが『四神』って呼ばれてる聖獣なんだけど、その四神のおさ的な存在が、この黄龍なんだよ。」
「なるほど…確かに、ご主人様は私達みんなのご主様旦那様ですからね♪」
「そ、そうだね…。」

 別にテレる必要はないのだが、そんな嬉しそうな笑顔で言われると、流石にテレてしまう。

「ローラも早く帰ってきたら良いんだけどね。」

 その為、テレ隠しでそう言ったのだが、そんなローラは数日で戻ると告げ、昨日の朝に出掛けたばかり。
 それなのに、僕はもう、彼女の温もりが恋しくなって寂しさを感じるのだった…。
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