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~第七章:魔神復活編~
348ページ目…クズハの覚醒【3】
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「ご主人様、離れて見てて下さい!」
クズハはそう言うと、ミノタウロスに向けて右手を向ける。
「我、玉藻前クズハの名において命ず、集え魑魅魍魎達よ!
我が前に立ち塞がりし愚者共に、滅びを与えよ…〖百鬼夜行《ひゃっきやぎょう》〗ッ!!」
『ボッ!ボッ!ボ、ボ、ボ、ボボボボボボボッ!』
クズハが唱えた呪文?により黒色の狐火が無数に出現する。
そして…地面の下からは無数のアンデッドが顕れる。
スケルトン、ゾンビ、グール…それ以外にもゴースト等、様々なアンデッドだ…。
「こ、これは…流石に凄いな…。」
完全なる九尾の狐へを進化したクズハ…そのクズハが言うには、今までとは比べ物にならない程…それこそ別次元で強くなったと言う話だった。
で、そんなに自信を持って言うのなら…と、ちょこっと魔物を狩ろうと言う話になったのだが、これは予想外なほど無茶苦茶な事になっている。
しかも、此処に来てアンデッドの軍団とは…。
何はともあれ、かなり驚いた物の、そのままミノタウロスの様子を見ていると、何とミノタウロスは激しい抵抗をしていたが数の暴力とでも言うべきか、アンデッドの軍団に引き摺られる様に連れて行かれ、後方に開いた黒い穴へと消えていった。
「ご主人様、どうですか?」
「いや、どうって言われても…何が何だか…。
それに『玉藻前』っての何だ?」
ミノタウロスのドロップは?と気になった物の、それ以前に僕はクズハに名前の前に名乗った『玉藻前』の事を聞く。
「え~っとですね、『玉藻前』と言うのは私達の祖である九尾の狐が名乗っていた名前でして…。
私達の一族では、九尾まで成長した時にのみ、この名前を名乗る事を許された名前なんです。
しかも、この名前を名乗る事により、私達一族は大幅にパワーアップ出来ると言うオマケ付きなんです!」
と、ドヤ顔をする。
「そ、そうなんだ…それで、さっきの魑魅魍魎だっけ?
あのアンデッド達が消えていった黒い穴…アレはいったい何なんだ?」
「さぁ?何でも伝承では黄泉比良坂とか聞いた事がある様な無い様な…。」
と、クズハが曖昧な言葉を発する。
…って、アレが黄泉比良坂だってッ!?
つまり、あのミノタウロスは生きたまま、あの世へと連れて行かれた言う事か?
流石に僕でもあの世までドロップ品を回収に行く事は出来ないので、諦めるしか無い様だ。
って、そんな話じゃなくてだな…。
「ま、まぁ…クズハの力は分かったから、そろそろ元の姿に戻ろうか?」
「畏まりました。」
クズハはそう言うと九尾の尻尾を隠す。
そして…クズハの尻尾が通常通り1本になった時、今まで通り幼さが残る可愛いクズハへと戻った。
「うん…やっぱり僕的に、クズハはこっちの方が可愛いくて好きだね。」
確かに大人バージョンである美女のクズハも良いが、何故かクズハのイメージより掛け離れた存在に感じられるんだよね…。
それよりも、美少女で可愛いと思えるクズハの方が僕的に好みで…何と言うか、可愛いは正義である。
「そ、そんな、可愛いだなんて…。
で、でも、ご主人様に褒められて嬉しいです♪」
そうそう、それにクズハ=どもるってイメージがある所為で、違和感があったんだよね。
「あ、あの…ご主人様?」
「ん?どうした?」
「い、いえ…大した事ではないんですが…。」
「だから、どうしたんだ?」
「こ、これで私もご主人様のお役に立てますよね!」
………はい?僕の役に立てる?
クズハはいったい何を言っているのだろう?
「クズハ…何を言ってるんだ?」
「え?えッ!?やっと九尾に目覚める事が出来たのに、まだお役に立てないんですか?」
そう言って落ち込むクズハ…どうやら、プリンと比べて戦闘力で劣るクズハは、彼女なりに葛藤があったのかも知れない。
だが、そんなのはクズハの被害妄想である。
「もう一度言う…クズハ、お前は何を言ってるんだ?
そもそも、クズハが役に立ってない訳ないだろッ!!
僕だけじゃない!プリンもローラもアリスも…それに、今まで出会って来た人達だって、みんなクズハに助けられてるじゃないか!
それなのにクズハが役に立ってない何て言うヤツがいたら、僕が許さない!
それはクズハ、君にも言える事だ。
僕の大事なクズハを悪く言うヤツは、例えクズハでも僕は怒るからね!」
かなり自己中な発言ではあるが、クズハは僕以外の他の人の役にも立っているのは僕が保証する。
まぁ、僕なんかの保証では意味ないかもしれないが…。
「ご、ごめんなさい!」
クズハは目に涙を浮かべて僕に謝ってくる。
「クズハ、僕に謝ってどうする…クズハが謝らなければいけないのは他でもない、君自身だよ…。」
僕はそう言うと、クズハを優しく抱き締める。
「は、はい…うぅぅ…。」
僕に抱き締められたクズハはそのまま僕に身体を預け、そのまま暫くの間、泣き続ける。
その間、僕はクズハを優しく撫で続けるのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「ご、ご主人様、ご、ご迷惑おかけしました…。」
「あ~、いや、迷惑だなんて…むしろ、役得と言うか、その…。
そんな事より、もう大丈夫なのか?」
「は、はい…ご主人様に、しっかりと慰められましたから…。」
クズハはそう言って下を向いてしまう…だが、顔が見えにくくなっただけで、クズハの顔が真っ赤になっているのが分かる。
最近、時には無理な戦闘でも逃げずに戦って危なげな所もあったが、覚醒と共に自分が間違っていたと自覚する事が出来たみたいで落ち着きを取り戻した様だ。
これで、もうクズハは大丈夫だろう…。
こうして、僕達は魔王の城へと向けて再出発するのだった…。
クズハはそう言うと、ミノタウロスに向けて右手を向ける。
「我、玉藻前クズハの名において命ず、集え魑魅魍魎達よ!
我が前に立ち塞がりし愚者共に、滅びを与えよ…〖百鬼夜行《ひゃっきやぎょう》〗ッ!!」
『ボッ!ボッ!ボ、ボ、ボ、ボボボボボボボッ!』
クズハが唱えた呪文?により黒色の狐火が無数に出現する。
そして…地面の下からは無数のアンデッドが顕れる。
スケルトン、ゾンビ、グール…それ以外にもゴースト等、様々なアンデッドだ…。
「こ、これは…流石に凄いな…。」
完全なる九尾の狐へを進化したクズハ…そのクズハが言うには、今までとは比べ物にならない程…それこそ別次元で強くなったと言う話だった。
で、そんなに自信を持って言うのなら…と、ちょこっと魔物を狩ろうと言う話になったのだが、これは予想外なほど無茶苦茶な事になっている。
しかも、此処に来てアンデッドの軍団とは…。
何はともあれ、かなり驚いた物の、そのままミノタウロスの様子を見ていると、何とミノタウロスは激しい抵抗をしていたが数の暴力とでも言うべきか、アンデッドの軍団に引き摺られる様に連れて行かれ、後方に開いた黒い穴へと消えていった。
「ご主人様、どうですか?」
「いや、どうって言われても…何が何だか…。
それに『玉藻前』っての何だ?」
ミノタウロスのドロップは?と気になった物の、それ以前に僕はクズハに名前の前に名乗った『玉藻前』の事を聞く。
「え~っとですね、『玉藻前』と言うのは私達の祖である九尾の狐が名乗っていた名前でして…。
私達の一族では、九尾まで成長した時にのみ、この名前を名乗る事を許された名前なんです。
しかも、この名前を名乗る事により、私達一族は大幅にパワーアップ出来ると言うオマケ付きなんです!」
と、ドヤ顔をする。
「そ、そうなんだ…それで、さっきの魑魅魍魎だっけ?
あのアンデッド達が消えていった黒い穴…アレはいったい何なんだ?」
「さぁ?何でも伝承では黄泉比良坂とか聞いた事がある様な無い様な…。」
と、クズハが曖昧な言葉を発する。
…って、アレが黄泉比良坂だってッ!?
つまり、あのミノタウロスは生きたまま、あの世へと連れて行かれた言う事か?
流石に僕でもあの世までドロップ品を回収に行く事は出来ないので、諦めるしか無い様だ。
って、そんな話じゃなくてだな…。
「ま、まぁ…クズハの力は分かったから、そろそろ元の姿に戻ろうか?」
「畏まりました。」
クズハはそう言うと九尾の尻尾を隠す。
そして…クズハの尻尾が通常通り1本になった時、今まで通り幼さが残る可愛いクズハへと戻った。
「うん…やっぱり僕的に、クズハはこっちの方が可愛いくて好きだね。」
確かに大人バージョンである美女のクズハも良いが、何故かクズハのイメージより掛け離れた存在に感じられるんだよね…。
それよりも、美少女で可愛いと思えるクズハの方が僕的に好みで…何と言うか、可愛いは正義である。
「そ、そんな、可愛いだなんて…。
で、でも、ご主人様に褒められて嬉しいです♪」
そうそう、それにクズハ=どもるってイメージがある所為で、違和感があったんだよね。
「あ、あの…ご主人様?」
「ん?どうした?」
「い、いえ…大した事ではないんですが…。」
「だから、どうしたんだ?」
「こ、これで私もご主人様のお役に立てますよね!」
………はい?僕の役に立てる?
クズハはいったい何を言っているのだろう?
「クズハ…何を言ってるんだ?」
「え?えッ!?やっと九尾に目覚める事が出来たのに、まだお役に立てないんですか?」
そう言って落ち込むクズハ…どうやら、プリンと比べて戦闘力で劣るクズハは、彼女なりに葛藤があったのかも知れない。
だが、そんなのはクズハの被害妄想である。
「もう一度言う…クズハ、お前は何を言ってるんだ?
そもそも、クズハが役に立ってない訳ないだろッ!!
僕だけじゃない!プリンもローラもアリスも…それに、今まで出会って来た人達だって、みんなクズハに助けられてるじゃないか!
それなのにクズハが役に立ってない何て言うヤツがいたら、僕が許さない!
それはクズハ、君にも言える事だ。
僕の大事なクズハを悪く言うヤツは、例えクズハでも僕は怒るからね!」
かなり自己中な発言ではあるが、クズハは僕以外の他の人の役にも立っているのは僕が保証する。
まぁ、僕なんかの保証では意味ないかもしれないが…。
「ご、ごめんなさい!」
クズハは目に涙を浮かべて僕に謝ってくる。
「クズハ、僕に謝ってどうする…クズハが謝らなければいけないのは他でもない、君自身だよ…。」
僕はそう言うと、クズハを優しく抱き締める。
「は、はい…うぅぅ…。」
僕に抱き締められたクズハはそのまま僕に身体を預け、そのまま暫くの間、泣き続ける。
その間、僕はクズハを優しく撫で続けるのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「ご、ご主人様、ご、ご迷惑おかけしました…。」
「あ~、いや、迷惑だなんて…むしろ、役得と言うか、その…。
そんな事より、もう大丈夫なのか?」
「は、はい…ご主人様に、しっかりと慰められましたから…。」
クズハはそう言って下を向いてしまう…だが、顔が見えにくくなっただけで、クズハの顔が真っ赤になっているのが分かる。
最近、時には無理な戦闘でも逃げずに戦って危なげな所もあったが、覚醒と共に自分が間違っていたと自覚する事が出来たみたいで落ち着きを取り戻した様だ。
これで、もうクズハは大丈夫だろう…。
こうして、僕達は魔王の城へと向けて再出発するのだった…。
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