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~第七章:魔神復活編~
324ページ目…攻城戦?【2】
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『ザシュッ!サラサラサラ…。』
「また、つまらぬ物を斬ってしまった…。」
〔確かに、下級魔族でしたから、つまらない物と言えば、つまらない物な訳ですが…。
本当に嫌になるほど数が多いですね。
あ、ご主人様前方11時に魔力反応、小です。〕
「そうだな…とは言え、放置するのもアレだし、結局、地道に倒すしかないと思うんだけど…ねッ!」
『ザシュッ!サラサラサラ…。』
俺達は雑談しながら、害虫駆除宜しくレッサーデーモンを狩っていく。
「しっかし…よくもまぁ、コレだけの動物を集めた物だな…。」
下級魔族であるレッサーデーモンは動物から変化した物だと聞いたからか、その下地に使われた動物の多さに、ビックリする。
〔そうですね…動物に、魔族が力を与えると下級魔族が生まれ、魔物に力を与えると中級魔族が生まれると言う話ですから…。〕
「それにしても、これだけ多いと、何て言うか…いっその事、この砦ごと魔族を倒した方が早くないか?」
〔確かにその方が早い気もしますが、砦の破壊はダメですよ?
予定では、この砦を占領して後続の魔族領への足掛かりにするらしいんですから…。〕
「はいはい、ちゃんと分かってますよ…で、此処でラストかな?」
一通り、敵を殲滅し終えた僕達は上へと登る階段の前に辿り着いた。
もっとも、融合している為、僕達と言っても、その人影は一つしかないのだが…。
〔はい、おそらく上級魔族と思われる程の魔力を感じます。〕
「了解!しっかし、アレだな…待ち受けてるのは分かるけど、何で訓練場で待ち受けるかな…。」
コレではまるで、決闘ではないか…。
とは言え、いつまでも扉の向こう側で待機した所で戦況は変わらないので、先に進む事にする。
そして、僕は扉に手を添えると軽く扉を押したのだった…。
『ギィ、ギギィィィィ…。』
この砦に入った時の様に、壊れる事なく、ちょっとだけ引っ掛かりはあった物の、扉がゆっくりと開いていく…そして、そこには訓練場の真ん中で仁王立ちする男が居た。
そして…その者から放たれた殺意が、この砦を守る上級魔族だと言う事が理解出来た瞬間でもあった。
「ようこそ、我が城へ…我が名はグレコ・ノール。
もっとも、自己紹介をした所で、すぐにお別れする事になるのだが…ね。」
「〔な!な!なんだってッ!?〕」
あまりの驚きに俺とプリンの心の叫びが口から出てしまった。
「はて?我は何か変な事を言いましたかな?」
「あ、いや、別に変な事は言ってないッス。」
「ッス?」
どうやら驚きのあまり、語尾が可笑しくなっていた様だ。
「いや、何でもない…ただ、ちょっと驚いてしまって…。」
誤魔化す気はないが、少々、恥ずかしい物がある。
「ふむ…よもや、只の自己紹介で驚かれるとは心外ではあるが…何をそんなに驚いているのかね?」
「あ~…多分、言ったら怒るので気にしないで下さい。」
正直、くだらない事で驚いちゃったからね…。
「ふむ…では、逆を言えば、怒らないと約束すれば、その理由わけを教えて貰える訳かね?」
あ、まともだと思ったけど、こいつはこいつで、やっぱり変なヤツだったんだ…。
とは言え、怒らないと言っているのだから、理由くらい教えても問題ないだろう。
むしろ、少しでも感情を顕わにしてくれた方が、こちらに有利になるかも知れない。
〔えぇ、理由を教えてみるのも一つ手ですね…。〕
「分かった…驚いた理由を話す。
ただ、先に言って置くが、本当にくだらない理由だからな?」
まったく、コレから命のやり取りを行うと言うのに、我ながら何とも暢気な物だ…。
だが、これで上手くいけば魔族達の目的が分かるかも知れない…。
「そうだな…あんたは、ラドルと言う名の魔族とオメガと言う名前の魔族を知ってるか?
まぁ、二人とも既に倒してはいるけどね。」
「うむ、知っておる…もっとも、名前を聞いた事がある程度ではあるが…な。
して、その二人がどうしたのだ?」
「いえ、ラドルの方はキチガイで、オメガは…その、何と言うか暗殺者だったんで、まさか上級魔族の人に、丁寧な自己紹介をされるとは思ってなかったから驚いちゃったんですよ。」
「なるほど…そやつらは我ら誇り高い魔族にあるまじき行為だな…。
よかろう!今後、そやつ達に会う事があれば、我自ら、粛正しておいてやろう。」
「あ、あの…粛正してくれるって言ってくれるのは、個人的にありがたいんですが、先程も言いましたが、既に倒した後なんですが…。」
「ふむ、そうであったか…では、もう思い残す事はないだろう。
準備が出来次第、我と正々堂々、殺し合いを始めようではないか!」
グレコ・ノールと名乗った上級魔族は、それだけ言うとゆっくりと離れていく。
どうやら、本気で正々堂々と戦い、その上で殺し合いをするつもりみたいだ。
まったく、魔族と言うのはどいつもこいつも一癖も二癖もある者ばかりなのだろうか?
まさか、ここに来て、正々堂々とは…本当に変わったヤツだ。
だが、それでも相手は上級魔族…油断大敵だ。
「プリン、聖剣を…。」
僕はプリンに『聖剣・エクスカリバー』を渡してくれる様に言う。
次の瞬間、〖無限庫〗から聖剣が取り出され、僕の手に渡される。
しかも、タイムラグ無しで行われるそれは、もはや長年連れ添った夫婦の如く、阿吽の呼吸よろしくスムーズであった。
「ほうほう…力ある剣…か。
それは、魔剣…いや、聖剣か?
よくぞ、そこまで力の秘めたる剣を手に入れた物だ。
ますます、我の相手にとって不足無しだ…これは良い殺し合いが出来るであろう!」
俺達は、そんな一人嬉しそうにはしゃぐグレコ・ノールを横目に、戦いの策を心の中で話し合うのだった…。
「また、つまらぬ物を斬ってしまった…。」
〔確かに、下級魔族でしたから、つまらない物と言えば、つまらない物な訳ですが…。
本当に嫌になるほど数が多いですね。
あ、ご主人様前方11時に魔力反応、小です。〕
「そうだな…とは言え、放置するのもアレだし、結局、地道に倒すしかないと思うんだけど…ねッ!」
『ザシュッ!サラサラサラ…。』
俺達は雑談しながら、害虫駆除宜しくレッサーデーモンを狩っていく。
「しっかし…よくもまぁ、コレだけの動物を集めた物だな…。」
下級魔族であるレッサーデーモンは動物から変化した物だと聞いたからか、その下地に使われた動物の多さに、ビックリする。
〔そうですね…動物に、魔族が力を与えると下級魔族が生まれ、魔物に力を与えると中級魔族が生まれると言う話ですから…。〕
「それにしても、これだけ多いと、何て言うか…いっその事、この砦ごと魔族を倒した方が早くないか?」
〔確かにその方が早い気もしますが、砦の破壊はダメですよ?
予定では、この砦を占領して後続の魔族領への足掛かりにするらしいんですから…。〕
「はいはい、ちゃんと分かってますよ…で、此処でラストかな?」
一通り、敵を殲滅し終えた僕達は上へと登る階段の前に辿り着いた。
もっとも、融合している為、僕達と言っても、その人影は一つしかないのだが…。
〔はい、おそらく上級魔族と思われる程の魔力を感じます。〕
「了解!しっかし、アレだな…待ち受けてるのは分かるけど、何で訓練場で待ち受けるかな…。」
コレではまるで、決闘ではないか…。
とは言え、いつまでも扉の向こう側で待機した所で戦況は変わらないので、先に進む事にする。
そして、僕は扉に手を添えると軽く扉を押したのだった…。
『ギィ、ギギィィィィ…。』
この砦に入った時の様に、壊れる事なく、ちょっとだけ引っ掛かりはあった物の、扉がゆっくりと開いていく…そして、そこには訓練場の真ん中で仁王立ちする男が居た。
そして…その者から放たれた殺意が、この砦を守る上級魔族だと言う事が理解出来た瞬間でもあった。
「ようこそ、我が城へ…我が名はグレコ・ノール。
もっとも、自己紹介をした所で、すぐにお別れする事になるのだが…ね。」
「〔な!な!なんだってッ!?〕」
あまりの驚きに俺とプリンの心の叫びが口から出てしまった。
「はて?我は何か変な事を言いましたかな?」
「あ、いや、別に変な事は言ってないッス。」
「ッス?」
どうやら驚きのあまり、語尾が可笑しくなっていた様だ。
「いや、何でもない…ただ、ちょっと驚いてしまって…。」
誤魔化す気はないが、少々、恥ずかしい物がある。
「ふむ…よもや、只の自己紹介で驚かれるとは心外ではあるが…何をそんなに驚いているのかね?」
「あ~…多分、言ったら怒るので気にしないで下さい。」
正直、くだらない事で驚いちゃったからね…。
「ふむ…では、逆を言えば、怒らないと約束すれば、その理由わけを教えて貰える訳かね?」
あ、まともだと思ったけど、こいつはこいつで、やっぱり変なヤツだったんだ…。
とは言え、怒らないと言っているのだから、理由くらい教えても問題ないだろう。
むしろ、少しでも感情を顕わにしてくれた方が、こちらに有利になるかも知れない。
〔えぇ、理由を教えてみるのも一つ手ですね…。〕
「分かった…驚いた理由を話す。
ただ、先に言って置くが、本当にくだらない理由だからな?」
まったく、コレから命のやり取りを行うと言うのに、我ながら何とも暢気な物だ…。
だが、これで上手くいけば魔族達の目的が分かるかも知れない…。
「そうだな…あんたは、ラドルと言う名の魔族とオメガと言う名前の魔族を知ってるか?
まぁ、二人とも既に倒してはいるけどね。」
「うむ、知っておる…もっとも、名前を聞いた事がある程度ではあるが…な。
して、その二人がどうしたのだ?」
「いえ、ラドルの方はキチガイで、オメガは…その、何と言うか暗殺者だったんで、まさか上級魔族の人に、丁寧な自己紹介をされるとは思ってなかったから驚いちゃったんですよ。」
「なるほど…そやつらは我ら誇り高い魔族にあるまじき行為だな…。
よかろう!今後、そやつ達に会う事があれば、我自ら、粛正しておいてやろう。」
「あ、あの…粛正してくれるって言ってくれるのは、個人的にありがたいんですが、先程も言いましたが、既に倒した後なんですが…。」
「ふむ、そうであったか…では、もう思い残す事はないだろう。
準備が出来次第、我と正々堂々、殺し合いを始めようではないか!」
グレコ・ノールと名乗った上級魔族は、それだけ言うとゆっくりと離れていく。
どうやら、本気で正々堂々と戦い、その上で殺し合いをするつもりみたいだ。
まったく、魔族と言うのはどいつもこいつも一癖も二癖もある者ばかりなのだろうか?
まさか、ここに来て、正々堂々とは…本当に変わったヤツだ。
だが、それでも相手は上級魔族…油断大敵だ。
「プリン、聖剣を…。」
僕はプリンに『聖剣・エクスカリバー』を渡してくれる様に言う。
次の瞬間、〖無限庫〗から聖剣が取り出され、僕の手に渡される。
しかも、タイムラグ無しで行われるそれは、もはや長年連れ添った夫婦の如く、阿吽の呼吸よろしくスムーズであった。
「ほうほう…力ある剣…か。
それは、魔剣…いや、聖剣か?
よくぞ、そこまで力の秘めたる剣を手に入れた物だ。
ますます、我の相手にとって不足無しだ…これは良い殺し合いが出来るであろう!」
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