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~第七章:魔神復活編~
295ページ目…アフターサービス【2】
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「ひと~つ、人の生き血を啜り、ふた~つ、不埒な悪行三昧。
み~つ…アレ?なんだったっけ…。」
好きだった時代劇の台詞で格好良く決めようとしていたのに、肝心な台詞をど忘れして、続きが出てこない。
何とも締まりのない話である。
『イッツ・ショータイム!』と宣言したの後、僕達は、とある貴族の屋敷に乗り込み、貴族を守る騎士達をクズハの幻影魔法や催眠魔法で無力化し、諸悪の根源である貴族の部屋まで侵入した。
もちろん、そこまでの道は困難を極めた。
何故なら、大声でも上げられれば、他の人に気付かれるだけではなく、諸悪の根源たる貴族に逃げられるからである。
だったら、最初から建物ごと、闇に葬れば…なんて考えも浮かんだが、それはそれで問題がある。
そもそも、この屋敷には元凶以外は無関係の人だって居るのだ。
場合によってはアルテイシアさんみたいに、無理矢理、何かを強要され、それに従っている可能性だってある。
それに、貴族の屋敷だけあって、奴隷だって当然の様にいるであろう。
そんな人達を巻き込んで、悪党退治をするのは絶対に間違っている…と、僕は考えた。
故に、面倒でも、こんな手段を取ったのだ。
「き、貴様!どうやって、こんな所に!
曲者だ!であえ、であえ~!」
何故、その台詞を?と、疑問は残る物の状況的には、こちらにとって都合か良い…。
「フッ、呼んでも無駄だ。
後はお前だけ…今頃、他の者は、あの世で仲良く待ってるぞ?」
これじゃ、どっちが悪者だ?と思う台詞を僕は言う。
実際には、他の者はグースカ寝ているだけなので、当然ながらあの世へ行っても、誰も待っていない。
仮に待っていたとしても、それは悪夢の中である。
だが、そんな事を知らない貴族は…。
「な、何だとッ!?まさか、既に皆殺しにしてるだとッ!?
ま、待ってくれ!私が、私が悪かった!
だ、だから、どうか、命まではッ!!」
ここまで来ると、もはや茶番である。
どうして自分が命を狙われているのか…その事すら確認もせずに自分が悪かったと言う。
つまり、命を狙われる心当たりがある…と言うより、あり過ぎるのだろう。
だが、この手の輩は命乞いから、隙あり!とか叫んで斬りかかってくるのが定石。
それはベタと言っても過言ではないだろう。
そして、この世界はベタが大好きだ…それこそベタベタと言える位にである。
「ふむ…本当に反省しているのなら、二度と悪事を働かない事だ。」
そう言って踵きびすを返す僕、そして背中を向けたその瞬間…。
「隙あり!おりゃーーー!」
そう言って斬り掛かってくる間抜けな貴族。
もちろん、そうなる事を狙っているので、隙きなんて物はある筈がない。
攻撃を誘う為に、わざと背中を向けただけである。
「ふんッ!」
『ドンッ!』と言う音と共に、僕の左手が貴族の右脇腹…肝臓を的確に撃ち抜く。
昔、ボクシング漫画で見たハードパンチャーが使う必殺の『リバーブロー』である。
先程も言ったが、元々、攻撃を誘う為に見せた隙である。
それなのに、黙って行動すれば良い物を、『おりゃーーー!』と叫んでいたら奇襲にもならない。
基本すらなっていない只のバカである。
「グ、グハッ!」
あまり見たくない物が貴族の口から、レロレロと出てくる。
酸っぱい匂いもするので、距離を取る。
「クックックッ!これで勝ったと思うなよ?
貴様の顔は覚えた…明日には全世界に指名手配され一生、表に出られない様にしてやる。」
あまりに汚い状態にも関わらず、虚勢を上げる貴族…何とも可哀想な人だ。
そもそも、顔が見えない様に仮面まで付けて顔を隠しているに、顔を覚えたと言われても…ね?
「あのさ…一つ聞いて良いかな?」
「貴様如きが、俺様に意見するするとは、何と愚かな事よ…。
だが、俺様は寛大だ!良いだろう、申してみよ!」
何故か、余裕のある貴族様…どうでも良いが、ゲ○まみれで威張られても、威厳なんて皆無である。
「アンタさ…これから死ぬって言うのに余裕だよね?
もしかして、この状況で助かると思ってるのか?」
「……………へッ?」
貴族の口から、マヌケな声が漏れる。
「いや、だから、これから死ぬのに余裕だなって…。」
「ちょっと待てッ!?何でこの私が殺されなきゃいけないんだ?
確かに、ちょっと気に入った娘を手込めにしたり、気に入らない店をゴロツキを使って潰したり、依頼を断った武器屋に営業出来なくなる様に嫌がらせをしただけじゃないか!」
いやいやいや、それだけやってれば、個人的に十分な理由になると思うぞ?
と言うか、流石に、色々とやり過ぎだ…聞いてもないのに余罪まで暴露しなくても…。
「いや、それだけやってれば十分、殺される理由になるだろ…。
そもそも、そんな事やってて今まで無事だった事の方がビックリなんだけどッ!?」
「だ、だからと言って、貴様が私を殺して良い理由にはならんはずだ!」
「うん、確かにそうだね…でもさ、それを言ったら、あんたも今までしてきた悪事の数々、当然、許される事じゃないよね?
それにさ…僕は正義の味方じゃないんだよね…だって、僕は『魔王』だから…。」
「ま、魔王?う、嘘だ…魔王は300年前に勇者に殺されたはずだ!」
「そう…でも、俺《・》はここにいるぞ?」
『魔王化』…プリンが死んだ時、魔王の魂を一つになった事により、俺自身の意思で魔王となる事が出来る。
その証拠に、俺の身体から瘴気が吹き出してくる。
抵抗力の弱い人なら、これだけで最悪、死に至る程なので注意が必要だ。
「さて、貴様の悪事だが、魔王たる我が捌いてやろう。
そうだな…やはり、自分の私利私欲の為に貴族の誇りも忘れ民を苦しめた罪、許し難し。
よって、貴様には罰を与えるとしよう。
とは言え、お主は命だけは助けてと言っていたからな…文字通り、命だけは助けてやると約束しよう。
但し、その後の事は知らんぞ?」
「あ、あぁ…本当に命だけは助けてくれるんだな?」
「我は貴様と違い嘘は付かん…では、覚悟するんだな!
〖召喚:悪趣味な拷問者〗ッ!」
そこに現れたのは一匹の大きなスライム…それもヘドロの様な濁った色のスライムである。
「ス、スライム?まさか、スライム如きで俺様に罰を与えるだと?
魔王だか何だか知らんが、バカにするのも大概にしろ!
〖魔法:火の玉ファイアーボール〗!」
流石に、殺すと脅されたのにスライムを嗾けられた事に腹を立てたバカ貴族。
だが、それは悪手である。
攻撃されたスライムは、ファイアーボールの直撃を受けても無傷。
そればかりか、スライムは捕食対象として攻撃したバカ貴族をロックオンした様だ。
「ピギューーー!」
「あぁ、食べて良いぞ、ただし、こちらも約束は守らねばならん。
命だけは助ける約束だから、ちゃんと『殺してくれ』と言うまで殺すなよ?」
「プギュギュ~♪」
「く、来るな!来るなッ!!うわぁーーーーー!!」
スライムの中に取り込まれていくバカ貴族。
「ギャーーー!痛い、痛い!止めろ、離せ!離せー!
お、おい、お前!見てないで助けろ!!聞いてるのか、おい!」
スライムに包まれ少しずつ…それこそ拷問の様に徐々に溶かされていくバカ貴族。
ただし、このスライムはかなり特殊なスライムで取り込んだ獲物を死なない様に少しずつ溶かしていき食べていく。
しかも、限界を超え死にそうになると回復魔法で癒し、対象を復活させるといった変わり者である。
その為、通常、スライムが食べるのを飽きて殺さない限り、生きたまま食われ続ける事となる。
「まぁ、痛いのは諦めな?それと、お前が死ぬのを望まない限り、約束通り命は助かるぞ?」
もっとも、スライムは、ドラゴンすら逃げ出す程の魔物だけどな。
「あ、そうそう…この部屋の扉に、ちゃんと、このスライムに近付くなって張り紙しておくから、二人っきりで死ぬまで楽しんくれたまえ!」
そう言って、俺は『魔王化』を解除する…ちとやり過ぎたかな?
とは思う物の、アルテイシアさんの店を潰しかけた報いは、これで十分だろう。
そう自分に言い聞かせると、僕達は満足げに屋敷を出て行くのだった…。
み~つ…アレ?なんだったっけ…。」
好きだった時代劇の台詞で格好良く決めようとしていたのに、肝心な台詞をど忘れして、続きが出てこない。
何とも締まりのない話である。
『イッツ・ショータイム!』と宣言したの後、僕達は、とある貴族の屋敷に乗り込み、貴族を守る騎士達をクズハの幻影魔法や催眠魔法で無力化し、諸悪の根源である貴族の部屋まで侵入した。
もちろん、そこまでの道は困難を極めた。
何故なら、大声でも上げられれば、他の人に気付かれるだけではなく、諸悪の根源たる貴族に逃げられるからである。
だったら、最初から建物ごと、闇に葬れば…なんて考えも浮かんだが、それはそれで問題がある。
そもそも、この屋敷には元凶以外は無関係の人だって居るのだ。
場合によってはアルテイシアさんみたいに、無理矢理、何かを強要され、それに従っている可能性だってある。
それに、貴族の屋敷だけあって、奴隷だって当然の様にいるであろう。
そんな人達を巻き込んで、悪党退治をするのは絶対に間違っている…と、僕は考えた。
故に、面倒でも、こんな手段を取ったのだ。
「き、貴様!どうやって、こんな所に!
曲者だ!であえ、であえ~!」
何故、その台詞を?と、疑問は残る物の状況的には、こちらにとって都合か良い…。
「フッ、呼んでも無駄だ。
後はお前だけ…今頃、他の者は、あの世で仲良く待ってるぞ?」
これじゃ、どっちが悪者だ?と思う台詞を僕は言う。
実際には、他の者はグースカ寝ているだけなので、当然ながらあの世へ行っても、誰も待っていない。
仮に待っていたとしても、それは悪夢の中である。
だが、そんな事を知らない貴族は…。
「な、何だとッ!?まさか、既に皆殺しにしてるだとッ!?
ま、待ってくれ!私が、私が悪かった!
だ、だから、どうか、命まではッ!!」
ここまで来ると、もはや茶番である。
どうして自分が命を狙われているのか…その事すら確認もせずに自分が悪かったと言う。
つまり、命を狙われる心当たりがある…と言うより、あり過ぎるのだろう。
だが、この手の輩は命乞いから、隙あり!とか叫んで斬りかかってくるのが定石。
それはベタと言っても過言ではないだろう。
そして、この世界はベタが大好きだ…それこそベタベタと言える位にである。
「ふむ…本当に反省しているのなら、二度と悪事を働かない事だ。」
そう言って踵きびすを返す僕、そして背中を向けたその瞬間…。
「隙あり!おりゃーーー!」
そう言って斬り掛かってくる間抜けな貴族。
もちろん、そうなる事を狙っているので、隙きなんて物はある筈がない。
攻撃を誘う為に、わざと背中を向けただけである。
「ふんッ!」
『ドンッ!』と言う音と共に、僕の左手が貴族の右脇腹…肝臓を的確に撃ち抜く。
昔、ボクシング漫画で見たハードパンチャーが使う必殺の『リバーブロー』である。
先程も言ったが、元々、攻撃を誘う為に見せた隙である。
それなのに、黙って行動すれば良い物を、『おりゃーーー!』と叫んでいたら奇襲にもならない。
基本すらなっていない只のバカである。
「グ、グハッ!」
あまり見たくない物が貴族の口から、レロレロと出てくる。
酸っぱい匂いもするので、距離を取る。
「クックックッ!これで勝ったと思うなよ?
貴様の顔は覚えた…明日には全世界に指名手配され一生、表に出られない様にしてやる。」
あまりに汚い状態にも関わらず、虚勢を上げる貴族…何とも可哀想な人だ。
そもそも、顔が見えない様に仮面まで付けて顔を隠しているに、顔を覚えたと言われても…ね?
「あのさ…一つ聞いて良いかな?」
「貴様如きが、俺様に意見するするとは、何と愚かな事よ…。
だが、俺様は寛大だ!良いだろう、申してみよ!」
何故か、余裕のある貴族様…どうでも良いが、ゲ○まみれで威張られても、威厳なんて皆無である。
「アンタさ…これから死ぬって言うのに余裕だよね?
もしかして、この状況で助かると思ってるのか?」
「……………へッ?」
貴族の口から、マヌケな声が漏れる。
「いや、だから、これから死ぬのに余裕だなって…。」
「ちょっと待てッ!?何でこの私が殺されなきゃいけないんだ?
確かに、ちょっと気に入った娘を手込めにしたり、気に入らない店をゴロツキを使って潰したり、依頼を断った武器屋に営業出来なくなる様に嫌がらせをしただけじゃないか!」
いやいやいや、それだけやってれば、個人的に十分な理由になると思うぞ?
と言うか、流石に、色々とやり過ぎだ…聞いてもないのに余罪まで暴露しなくても…。
「いや、それだけやってれば十分、殺される理由になるだろ…。
そもそも、そんな事やってて今まで無事だった事の方がビックリなんだけどッ!?」
「だ、だからと言って、貴様が私を殺して良い理由にはならんはずだ!」
「うん、確かにそうだね…でもさ、それを言ったら、あんたも今までしてきた悪事の数々、当然、許される事じゃないよね?
それにさ…僕は正義の味方じゃないんだよね…だって、僕は『魔王』だから…。」
「ま、魔王?う、嘘だ…魔王は300年前に勇者に殺されたはずだ!」
「そう…でも、俺《・》はここにいるぞ?」
『魔王化』…プリンが死んだ時、魔王の魂を一つになった事により、俺自身の意思で魔王となる事が出来る。
その証拠に、俺の身体から瘴気が吹き出してくる。
抵抗力の弱い人なら、これだけで最悪、死に至る程なので注意が必要だ。
「さて、貴様の悪事だが、魔王たる我が捌いてやろう。
そうだな…やはり、自分の私利私欲の為に貴族の誇りも忘れ民を苦しめた罪、許し難し。
よって、貴様には罰を与えるとしよう。
とは言え、お主は命だけは助けてと言っていたからな…文字通り、命だけは助けてやると約束しよう。
但し、その後の事は知らんぞ?」
「あ、あぁ…本当に命だけは助けてくれるんだな?」
「我は貴様と違い嘘は付かん…では、覚悟するんだな!
〖召喚:悪趣味な拷問者〗ッ!」
そこに現れたのは一匹の大きなスライム…それもヘドロの様な濁った色のスライムである。
「ス、スライム?まさか、スライム如きで俺様に罰を与えるだと?
魔王だか何だか知らんが、バカにするのも大概にしろ!
〖魔法:火の玉ファイアーボール〗!」
流石に、殺すと脅されたのにスライムを嗾けられた事に腹を立てたバカ貴族。
だが、それは悪手である。
攻撃されたスライムは、ファイアーボールの直撃を受けても無傷。
そればかりか、スライムは捕食対象として攻撃したバカ貴族をロックオンした様だ。
「ピギューーー!」
「あぁ、食べて良いぞ、ただし、こちらも約束は守らねばならん。
命だけは助ける約束だから、ちゃんと『殺してくれ』と言うまで殺すなよ?」
「プギュギュ~♪」
「く、来るな!来るなッ!!うわぁーーーーー!!」
スライムの中に取り込まれていくバカ貴族。
「ギャーーー!痛い、痛い!止めろ、離せ!離せー!
お、おい、お前!見てないで助けろ!!聞いてるのか、おい!」
スライムに包まれ少しずつ…それこそ拷問の様に徐々に溶かされていくバカ貴族。
ただし、このスライムはかなり特殊なスライムで取り込んだ獲物を死なない様に少しずつ溶かしていき食べていく。
しかも、限界を超え死にそうになると回復魔法で癒し、対象を復活させるといった変わり者である。
その為、通常、スライムが食べるのを飽きて殺さない限り、生きたまま食われ続ける事となる。
「まぁ、痛いのは諦めな?それと、お前が死ぬのを望まない限り、約束通り命は助かるぞ?」
もっとも、スライムは、ドラゴンすら逃げ出す程の魔物だけどな。
「あ、そうそう…この部屋の扉に、ちゃんと、このスライムに近付くなって張り紙しておくから、二人っきりで死ぬまで楽しんくれたまえ!」
そう言って、俺は『魔王化』を解除する…ちとやり過ぎたかな?
とは思う物の、アルテイシアさんの店を潰しかけた報いは、これで十分だろう。
そう自分に言い聞かせると、僕達は満足げに屋敷を出て行くのだった…。
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