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~第七章:魔神復活編~
266ページ目…ドラゴニュート【2】
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「実は…な。」
そう言って、話し始めたドラゴニュートのドラコさん…その表情は少し恥ずかしそうに見えた。
いったい、何があったのだろう?
まぁ、説明をしてくれているのだから、その内、分かる事だろう。
「ダンジョンと言うのは、ダンジョン内に入っている生き物達から少しずつ力を貰いダンジョンを成長させる事が出来るんだ。」
うん、僕もダンジョンマスターだから、その事は、よく知っている事だね。
むしろ、もしかしたら僕の方が詳しい可能性すらある。
何せ、初心者用のダンジョンを成長させ、尚且、改造まで施しドラゴンすらも生息?しするダンジョンに成長させているのだから…。
「そ、そうなんですか?」
だが、ここは敢えて、知らない振りをするのがベストだと思う。
「あぁ、まぁ…ダンジョンが成長するのは知っている人は多いが、その過程を知る者は殆ど居ないだろうな。
とは言え、ダンジョン内に生き物が居れば、よほどヘマをしない限りは問題ないんだけどな…。」
ドラコさんはそう言うと頬を掻く…うん、どうやら、話の内容から、その『ヘマ』をしたんだろうな…。
「…何か、しでかした…と言う訳ですね?」
「あ、あぁ…100年ほど前、俺はこのダンジョンを制覇した。
そして、新たなダンジョンマスターになった…。
まぁ、ここまでは、ある意味では順調だったと言えるだろう。
あ、ちなみにダンジョンマスターになる目的でダンジョンに来たんだから、後悔は少ししかしてないぞ?」
「つまり、少しは後悔してるんですね…。」
つい、何時もの癖でツッコミを入れてしまったが良かったのだろうか?
少し、不安がっていたら、ドラコさんがフォローを入れてくれた。
「は、はは…まぁ、気にしないでくれ。
それより、俺がダンジョンマスターになる事を決めたのは、水面下で魔族の活動が活発になり始めていたのを知ったからだったんだ…。
その為、ダンジョンマスターになり、魔族に対抗出来る武防具をダンジョンの力により大量に作り上げる事を決めたんだ。」
「す、すごいですね…。」
と言うより、100年以上前から魔族が活発に動き始めてるのに、ドラコさん以外に誰にも気が付かれない、そんな事が、ありえるのだろうか?
いや、ギルドで素材集めが定期的に募集されていたのだから、一部の権力者…王族や貴族達は情報を得ていたのかも知れない。
それが、死の大地…魔王領とも呼ばれる土地で魔族が活発化しだしたから、最近は特にその動きが目立つだけなのかもしれない。
ともあれ、まだ話は続いているのだ…まずは、そちらに集中しなければ…。
「ま、まぁ…な、ただ、調子に乗って作成した所為で、ダンジョンポイントが枯渇してダンジョンが死んだ様になってしまったのは誤算だったんだがな…。」
そして、ドラコさんは再び頬を掻く。
「…本当ですか?」
…この人、バカか?バカなのか?
そもそも、生き物が多くいればその分、ダンジョンに力が貯まる。
それなのに、魔族に対抗出来る武防具を作りまくった所為で、経営破綻して魔物がいなくなり、その結果、ダンジョンに誰も来ない様になるとか…本末転倒も良い所だ。
しかし、その原因がポカとは言え、魔族に対する対抗策を用意した…と考えるなら、十分、情状酌量の余地はある。
それに話していて思った事だが、ドラコさんは基本的に、良い人なのだ。
その苦労が報われないのは、正直、可哀想だと思う。
「…分かりました、ドラコさんがそれだけの覚悟を持って行動していたんですから、少しは報われないと…ですね。
ですので、今から、このダンジョンに力を注ぎます。
ですが、それについては、ドラコさんに僕を信じて貰う必要があります。
そう…例え、何があっても、僕を信じてくれますか?」
正直、この力はおいそれと他人に見せて良い物ではない。
そもそも、ラオンさんにこの力を見せたり出来るのは、友人として信用している事もあるが、何より、契約魔法によって契約を交わしているからである。
それも、もしも裏切ったなら死ぬ程の、強力な契約である為、裏切られる心配がないからである。
故に、ドラコさんとも本来であれば、それだけの事をしないといけなかった…。
だが、そこはじぃちゃんの仲間だった事を信用して、契約無しでの公開となる。
つまり、
「あ、あぁ、それは約束する。」
その言葉を信じ、僕は自分の中に眠っている力を解放する。
但し、じぃちゃん…勇者セイギと共に魔王を倒したと言うのなら、この力を忌み嫌うであろう。
信じると言ってくれたが、普通で考えたら許すはずはない…。
だが、それでも信じてくれると言ったのだ、ならば、僕もドラコさんを信じたいと思った。
「では、いきます…『魔王化《・・・》』!」
そして、解き放たれた力…魔王の魂と1つになった事により、プリンの力を借りずに魔王化する事が出来る様になった。
もっとも、プリンと同化すれば、更に、その力をフルに発揮出来る身体になる為、その場合は〖魔神化〗と言えるのだが…。
「クッ…そ、その重圧はッ!?
何故、彼奴の孫が魔王に!!もしや、貴様は偽物だったのかッ!?」
「いえ、僕は本物ですよ、確かに、この力は魔王の物です。
ですが、力は力と言うだけで、善悪はありません。
そして、僕はこの力を、悪い事に使うつもりはありません。
まぁ、せいぜい…守りたい者を守る為に振るう…ただそれだけです。
そしてドラコさん、僕は貴方も守りたいと思いました。
ですので、この力は、こう使います!」
僕はそう言うと、ダンジョンに床に手を当て、力を注ぎ込む。
そう…僕が自分のダンジョンに力を注ぎ込み、ダンジョンポイントへと換えたように…。
「こ、これはッ!?ダンジョンポイントが増えていくだとッ!
いや、いくら魔王の力とは言え、一人の力でこんなにも増加する物なのかッ!?」
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、ど、どうですか?だいぶダンジョンポイントが貯まったと思うんですけど…。」
僕はそう言って『魔王化』を解除する。
あまり僕の力だけで『魔王化』して力を使うと、プリンと〖融合〗した場合と違い、まだ制御の甘い僕だと、暴走する可能性が残っているので注意が必要である。
現に、ダンジョンに力を注いだだけで、かなり意識を持っていかれそうになっているのだ。
「あ、あぁ、ダンジョンポイントはビックリするほど貯まったが…。
だが、良いのか?こう言っては何だが、俺は魔族を倒す為にダンジョンを育てているんだぞ?
当然、魔王を倒す為の武防具も作ってるんだぞ?」
「えぇ、それについては問題ありません。
そもそも、僕は既に仲間達と魔族を倒そうとしています。
そして、本当の意味での『魔王』は、僕以外にいますから…。」
そう、僕一人の力で『魔王化』すると、僕だけが感じられる違和感が生まれる。
僕以外にもう一人、信じられないかも知れないが魔王と呼ぶに相応しい力を持った存在の事を…。
そして、そいつこそが僕が倒す、真の敵だと言う事を…。
そう言って、話し始めたドラゴニュートのドラコさん…その表情は少し恥ずかしそうに見えた。
いったい、何があったのだろう?
まぁ、説明をしてくれているのだから、その内、分かる事だろう。
「ダンジョンと言うのは、ダンジョン内に入っている生き物達から少しずつ力を貰いダンジョンを成長させる事が出来るんだ。」
うん、僕もダンジョンマスターだから、その事は、よく知っている事だね。
むしろ、もしかしたら僕の方が詳しい可能性すらある。
何せ、初心者用のダンジョンを成長させ、尚且、改造まで施しドラゴンすらも生息?しするダンジョンに成長させているのだから…。
「そ、そうなんですか?」
だが、ここは敢えて、知らない振りをするのがベストだと思う。
「あぁ、まぁ…ダンジョンが成長するのは知っている人は多いが、その過程を知る者は殆ど居ないだろうな。
とは言え、ダンジョン内に生き物が居れば、よほどヘマをしない限りは問題ないんだけどな…。」
ドラコさんはそう言うと頬を掻く…うん、どうやら、話の内容から、その『ヘマ』をしたんだろうな…。
「…何か、しでかした…と言う訳ですね?」
「あ、あぁ…100年ほど前、俺はこのダンジョンを制覇した。
そして、新たなダンジョンマスターになった…。
まぁ、ここまでは、ある意味では順調だったと言えるだろう。
あ、ちなみにダンジョンマスターになる目的でダンジョンに来たんだから、後悔は少ししかしてないぞ?」
「つまり、少しは後悔してるんですね…。」
つい、何時もの癖でツッコミを入れてしまったが良かったのだろうか?
少し、不安がっていたら、ドラコさんがフォローを入れてくれた。
「は、はは…まぁ、気にしないでくれ。
それより、俺がダンジョンマスターになる事を決めたのは、水面下で魔族の活動が活発になり始めていたのを知ったからだったんだ…。
その為、ダンジョンマスターになり、魔族に対抗出来る武防具をダンジョンの力により大量に作り上げる事を決めたんだ。」
「す、すごいですね…。」
と言うより、100年以上前から魔族が活発に動き始めてるのに、ドラコさん以外に誰にも気が付かれない、そんな事が、ありえるのだろうか?
いや、ギルドで素材集めが定期的に募集されていたのだから、一部の権力者…王族や貴族達は情報を得ていたのかも知れない。
それが、死の大地…魔王領とも呼ばれる土地で魔族が活発化しだしたから、最近は特にその動きが目立つだけなのかもしれない。
ともあれ、まだ話は続いているのだ…まずは、そちらに集中しなければ…。
「ま、まぁ…な、ただ、調子に乗って作成した所為で、ダンジョンポイントが枯渇してダンジョンが死んだ様になってしまったのは誤算だったんだがな…。」
そして、ドラコさんは再び頬を掻く。
「…本当ですか?」
…この人、バカか?バカなのか?
そもそも、生き物が多くいればその分、ダンジョンに力が貯まる。
それなのに、魔族に対抗出来る武防具を作りまくった所為で、経営破綻して魔物がいなくなり、その結果、ダンジョンに誰も来ない様になるとか…本末転倒も良い所だ。
しかし、その原因がポカとは言え、魔族に対する対抗策を用意した…と考えるなら、十分、情状酌量の余地はある。
それに話していて思った事だが、ドラコさんは基本的に、良い人なのだ。
その苦労が報われないのは、正直、可哀想だと思う。
「…分かりました、ドラコさんがそれだけの覚悟を持って行動していたんですから、少しは報われないと…ですね。
ですので、今から、このダンジョンに力を注ぎます。
ですが、それについては、ドラコさんに僕を信じて貰う必要があります。
そう…例え、何があっても、僕を信じてくれますか?」
正直、この力はおいそれと他人に見せて良い物ではない。
そもそも、ラオンさんにこの力を見せたり出来るのは、友人として信用している事もあるが、何より、契約魔法によって契約を交わしているからである。
それも、もしも裏切ったなら死ぬ程の、強力な契約である為、裏切られる心配がないからである。
故に、ドラコさんとも本来であれば、それだけの事をしないといけなかった…。
だが、そこはじぃちゃんの仲間だった事を信用して、契約無しでの公開となる。
つまり、
「あ、あぁ、それは約束する。」
その言葉を信じ、僕は自分の中に眠っている力を解放する。
但し、じぃちゃん…勇者セイギと共に魔王を倒したと言うのなら、この力を忌み嫌うであろう。
信じると言ってくれたが、普通で考えたら許すはずはない…。
だが、それでも信じてくれると言ったのだ、ならば、僕もドラコさんを信じたいと思った。
「では、いきます…『魔王化《・・・》』!」
そして、解き放たれた力…魔王の魂と1つになった事により、プリンの力を借りずに魔王化する事が出来る様になった。
もっとも、プリンと同化すれば、更に、その力をフルに発揮出来る身体になる為、その場合は〖魔神化〗と言えるのだが…。
「クッ…そ、その重圧はッ!?
何故、彼奴の孫が魔王に!!もしや、貴様は偽物だったのかッ!?」
「いえ、僕は本物ですよ、確かに、この力は魔王の物です。
ですが、力は力と言うだけで、善悪はありません。
そして、僕はこの力を、悪い事に使うつもりはありません。
まぁ、せいぜい…守りたい者を守る為に振るう…ただそれだけです。
そしてドラコさん、僕は貴方も守りたいと思いました。
ですので、この力は、こう使います!」
僕はそう言うと、ダンジョンに床に手を当て、力を注ぎ込む。
そう…僕が自分のダンジョンに力を注ぎ込み、ダンジョンポイントへと換えたように…。
「こ、これはッ!?ダンジョンポイントが増えていくだとッ!
いや、いくら魔王の力とは言え、一人の力でこんなにも増加する物なのかッ!?」
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、ど、どうですか?だいぶダンジョンポイントが貯まったと思うんですけど…。」
僕はそう言って『魔王化』を解除する。
あまり僕の力だけで『魔王化』して力を使うと、プリンと〖融合〗した場合と違い、まだ制御の甘い僕だと、暴走する可能性が残っているので注意が必要である。
現に、ダンジョンに力を注いだだけで、かなり意識を持っていかれそうになっているのだ。
「あ、あぁ、ダンジョンポイントはビックリするほど貯まったが…。
だが、良いのか?こう言っては何だが、俺は魔族を倒す為にダンジョンを育てているんだぞ?
当然、魔王を倒す為の武防具も作ってるんだぞ?」
「えぇ、それについては問題ありません。
そもそも、僕は既に仲間達と魔族を倒そうとしています。
そして、本当の意味での『魔王』は、僕以外にいますから…。」
そう、僕一人の力で『魔王化』すると、僕だけが感じられる違和感が生まれる。
僕以外にもう一人、信じられないかも知れないが魔王と呼ぶに相応しい力を持った存在の事を…。
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