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~第七章:魔神復活編~

261ページ目…面倒な依頼【3】

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 とりあえず、僕のダンジョン以外のダンジョンを攻略するのも一つの手かも知れない。
 そんな風に感じた僕は、ギルドマスターのラオンさんとの会話を切り上げると、他のダンジョンへ行く準備を始める。
 もちろん、そのダンジョンにドラゴンが居たり魔法銀ミスリル鉱石があったりした場合は、ついでに採取してくる約束をして…と言うのは、追記しておこう。

◇◆◇◆◇◆◇

 そんな訳でやってきました、僕のダンジョン以外のダンジョン…ここは『港町アオイ』から少し離れた所にある廃墟と化した街にある、廃れたダンジョンだったりする。
 何故か?…と言うと、このダンジョンは随分と前に死んでいるとされているダンジョンだからだ。
 何でも100年以上前に攻略されたダンジョンらしいのだが、その際、ダンジョンから魔物が湧くのが止まった…との事。
 それ故、ドロップを求めてダンジョンに入っても、肝心の魔物が居ない、なので、苦労してダンジョンを進む価値がないと言う物のだ。
 その為、このダンジョンがあった街は急速にその価値が無くなり、住民達は他の街に移住し、今ではゴーストタウンと化していたりする、との事。

 で、そんなダンジョンに何故、僕がいるのかと言うと…。
 実は、僕の感でしかないのだが、このダンジョン…実は死んでないのでは?と思ったからだったりする。
 そもそも、僕の知っているゲームやら小説では、この手のダンジョン攻略により死んだダンジョンとなった場合、急速か緩やかかは物語にもよるが『崩壊』して無くなるからだ。
 にもかかわらず、このダンジョンは一向に崩壊する気配がない。

 試しに、ダンジョンの壁を壊そうとしたのだが、それなりに力を入れないと壊れなかった。
 その様子は、まるで、僕のダンジョンと同じ様に…である。
 死んだダンジョンであれば、抵抗もなく崩壊する…と言う先入観は問題なのかも知れないが、その事でダンジョンが死んでいると言われている事に、僕は納得が出来なかったのだ。
 故に、時間の無駄かも知れないと思いつつ、ダンジョンの調査…攻略に乗り出したのだった。

 第1階層、第2階層…と続き、第3階層へと進み、やっと魔物が現れた。
 とは言え、現れた魔物と言うのが、食人鬼と呼ばれるグールと言う魔物で所謂いわゆる、不死者…アンデッドである。
 そして、ゾンビと同系に見られやすい魔物ではあるのだが、その強さはゾンビよりも強敵だったりする。
 だが、100年以上前に死んだとされるダンジョンにグールだと?
 しかも、その体の肉が腐り落ちずに?まぁ、肉が腐り落ちてスケルトンになっていたら、それはそれで面白いかも知れないのだが、当然ながら疑問が残る。

 この階層まで魔物が居なかったにも関わらず、現れたのが体が崩れていない…比較的新しいグール。
 ならば、そのグールはどこから来たのだろうか?

 もし、ダンジョンが死んでいるのでは無く、休眠状態だったら?と言う疑問が強くなってくる。
 とは言え、そのまま放置するには問題があるので、スパッ!と腰に差したロングソードで切り裂くと、黒い消え去っていった。

「残念、やはりドロップはなかったか…だけど、やはりグールの身体が新しいと思うのが気になるな…。」

 誰に聞かせる訳でもないのに、独り言を言う辺り、ちょっとマヌケではあるのだが、それでも僕はダンジョンの奥へと進む事にする。
 そして、とうとう第10階層に到着し、僕のダンジョンでも何度も見てきた様な扉があった。

 そう…所謂、ボス部屋と呼ばれる大きな扉だ。
 僕は、ボスが居るのを信じて、ゆっくりとその扉を開ける。

『ギ、ギィィィィ…。』

 正直、少し錆びているのか開くのが重い扉だな、と思った。
 だが、扉が開いた瞬間、その部屋には何かいる気配がして、僕の感知能力に反応があった。
 しかし、実際に入ってみたら、そこには誰もいない訳で…あれ?と思う。

 ちなみに、この第10階層をクリアするまでに戦った魔物は第3階層のグールが1体と、第7階層のスケルトンが1体のみ…そして、此処、ボス部屋にもボスが居ない…だと?
 僕の感が外れたのだろうか?このまま進まず、他のダンジョンに向かうべきなのか?
 魔物が居ない…その事が僕に不安を与えてくる。

 だが、それでもなお、僕の感は、このダンジョンはまだ生きている…そう告げてくる。
 ならば、それを確かめる為にも僕は進まなければいけない。
 少しだけ、来たのを失敗したかな?と若干後悔しつつ、僕は第11階層へと続く階段を下りていくのだった…。
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