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~第七章:魔神復活編~
253ページ目…スライム調査【2】
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「ただいま~!」
串焼き屋さんで、ローラのツケを払った僕は、自宅へと戻ってきた。
もちろん、ゴーレム馬車は、ちゃんと元あった場所に戻している。
もっとも、本来であれば、いくら馬車と言う形をとっていても、ゴーレムなのだから命令すれば一人で戻っていくのだが、それだと何となく寂しいから、自分で元あった場所に戻したのだった。
「おかえりなさいませ、御主人様♪」
相変わらず、最初のお出迎えはブラウニーであるアリスが一番乗りみたいだ。
「あら残念、やはりアリスさんに負けちゃいましたか…おかえりなさい、あなた♪」
そう言って、二番目にお出迎えしてくれたのは、愛しのプリンである。
まぁ、嫁達の中では一番怒らせたくない相手でもあるのだが…。
「はい、ただいま…クズハとローラは?」
「今日はクズハさんがご飯の担当ですから、台所で準備中ですね。
たぶん、あの子は作業に集中しているから周りの音が聞こえなくなってるんじゃないかな?
それと…ローラさんは、あなたが帰ってきた気配を感じて、直ぐに逃げましたね。」
「そっか、逃げたか…。」
ため息交じりで、逃げた事を確認する。
「はい…。」
どうやら、プリンもローラが串焼き屋で食べ過ぎたのを理解している様だ。
もっとも、それに関しては毎度の事なので諦めているのだが…。
問題なのは、こちらのほう。
ローラが財布を忘れていたのも知っている様子…。
まぁ、当然、怒られるのが分かっているから逃げたんだろうけど、逃げたらその分、罪が重くなると言うのを、何故、理解しないのだろうか?
「それで、明日からは帰らずの森にて、スライムの調査に行く事になったんだけど、誰か着いてくるかい?」
僕がそう言うと、スライムの調査と言う事で、当然ながらプリンも着いてくるとの事。
もっとも、スライムの調査でなくとも、プリンなら一緒に行くと言うと思ってはいたが…。
ちなみに、アリスは家の掃除などの家事の他に、食材の買い出しに行きたかったらしいのでパスするらしい。
流石は、家事全般を引き受けるブラウニーなだけの事はある。
お陰で、僕達は何もしなくて済むので本当にありがたい。
もっとも、ご飯に関してはローラ以外が順番で作ったりしているみたいだが…。
とは言え、〖空間転移〗の魔法を使えば、すぐに合流出来るのだから、別にお留守番でも問題ない。
あとは、クズハとローラは晩ご飯の時にでも聞けば良いだろう。
◇◆◇◆◇◆◇
「って、事なんだけど…クズハはどうする?」
あれから少し時間が経ち、晩ご飯の時間になったのでクズハに聞いてみた。
「そうですね…ご主人様のお邪魔でなければ一緒に行きたいと思います。」
後はローラだけなのだが、そのローラは…と言うと。
「主、もう食べて良い?ねぇ、もう食べて良いでしょ?ねぇ、ねぇってば~!」
そう、怒られるのが嫌で逃げていたローラも、当然ながら晩ご飯の時ともなれば、自然に顔を出す。
まぁ、食いしん坊のローラが、クズハの力作である晩ご飯を食べないと言う選択肢はないのだが。
それ故、『ご飯ですよ~!』と言うクズハの声に急いで食堂へ来たローラは、早々に御用となり、今は罰を受けているのだ。
もっとも、罰と言っても、それほど厳しい罰ではない。
ただ、犬の躾でも有名な…所謂、『待て』である。
その為、晩ご飯を前に、ローラは涎を垂らしながら尻尾を激しく振り、更には『クーンクーン』やら『キューンキューン』やら鳴いている。
よく見れば、涙も目に溜めている様だ。
「ご主人様、そろそろ許してあげたらどうですか?」
プリンも、何時までもローラにお預けをしているのが可愛そうになったのか、フォローしてくる。
「そうだね…ローラ、約束破ったらどうなるか分かったか?」
「うんうん!だからご飯、ご飯~!」
絶対に反省してないだろ…と言う思いが、みんなの頭を過ぎるが、流石に、これ以上は動物虐待になりそうなので仕方なく許してあげる事にする。
まぁ、いつもの串焼き屋で、財布を忘れツケで食べたのはアレだが、ツケで食べられるかどうかは信用問題による物…。
その店主が良いと言っているのだから、約束を破って大量に食べたとは言え、今回はこれで許してあげるのも良いだろう。
「仕方ない…今度から、ちゃんと約束を守るんだぞ?」
僕はそう言うと、ローラに『良し!』と合図をしてローラに晩ご飯を食べて良いと許可する。
ローラはそれにより、お皿を抱える様に抱き込むとガツガツと音をたてながら勢いよく食べ始める。
正直、行儀は良くないと思うが、今のローラは犬…もとい、狼の姿なので問題ない…と、自分に言い聞かせる。
「で、ローラはどうするんだ?」
「ガツガツ…強いヤツ…ガツガツ…いる?」
うん、食べてる時に声を掛けた僕が悪いのかも知れないが、食べながら喋るのはお行儀が悪すぎると思うぞ?
「いや、先ほども言ったが、スライムの調査だからね?
強いヤツかどうかは…それを調べに行く訳だから、まだ分からないぞ?」
「ガツガツ…なら、強いヤツがいたら喚んで…ガツガツ…。」
まぁ、予想通りと言えば予想通りの反応だ。
強いヤツと戦うのは楽しみだが、その反面、調べたりするのはしたくない…か。
出会った頃から変わらずな行動原理だ。
だが、それがローラだからなのか、フェンリルと言う種族の特徴なのかまでは分からないんだけどね。
「そっか…なら、行くのは僕とプリンとクズハの三人だな。
なら、ご飯を食べ終わったら、お風呂に入って寝るとしよう。
さて…今日は誰の番だっけ?」
「私ですよ、あなた♪」
頬を赤く染めながらプリンが僕の問いに答える。
そうか、今日は、プリンの番だったか…。
「あ、明日は調査だから、お手柔らかに頼むよ、ははは…。」
僕はそう言うと、ご飯の残りを急いで食べ終わると、プリンに連れられてお風呂に向かう。
そう、誰の番とは、夜の営みを行う順番の事で、今日は相手はプリンとの事。
明日の調査に響かなければ良いが…と一抹の不安を抱えながら、僕達はお風呂へと向かったのだった…。
串焼き屋さんで、ローラのツケを払った僕は、自宅へと戻ってきた。
もちろん、ゴーレム馬車は、ちゃんと元あった場所に戻している。
もっとも、本来であれば、いくら馬車と言う形をとっていても、ゴーレムなのだから命令すれば一人で戻っていくのだが、それだと何となく寂しいから、自分で元あった場所に戻したのだった。
「おかえりなさいませ、御主人様♪」
相変わらず、最初のお出迎えはブラウニーであるアリスが一番乗りみたいだ。
「あら残念、やはりアリスさんに負けちゃいましたか…おかえりなさい、あなた♪」
そう言って、二番目にお出迎えしてくれたのは、愛しのプリンである。
まぁ、嫁達の中では一番怒らせたくない相手でもあるのだが…。
「はい、ただいま…クズハとローラは?」
「今日はクズハさんがご飯の担当ですから、台所で準備中ですね。
たぶん、あの子は作業に集中しているから周りの音が聞こえなくなってるんじゃないかな?
それと…ローラさんは、あなたが帰ってきた気配を感じて、直ぐに逃げましたね。」
「そっか、逃げたか…。」
ため息交じりで、逃げた事を確認する。
「はい…。」
どうやら、プリンもローラが串焼き屋で食べ過ぎたのを理解している様だ。
もっとも、それに関しては毎度の事なので諦めているのだが…。
問題なのは、こちらのほう。
ローラが財布を忘れていたのも知っている様子…。
まぁ、当然、怒られるのが分かっているから逃げたんだろうけど、逃げたらその分、罪が重くなると言うのを、何故、理解しないのだろうか?
「それで、明日からは帰らずの森にて、スライムの調査に行く事になったんだけど、誰か着いてくるかい?」
僕がそう言うと、スライムの調査と言う事で、当然ながらプリンも着いてくるとの事。
もっとも、スライムの調査でなくとも、プリンなら一緒に行くと言うと思ってはいたが…。
ちなみに、アリスは家の掃除などの家事の他に、食材の買い出しに行きたかったらしいのでパスするらしい。
流石は、家事全般を引き受けるブラウニーなだけの事はある。
お陰で、僕達は何もしなくて済むので本当にありがたい。
もっとも、ご飯に関してはローラ以外が順番で作ったりしているみたいだが…。
とは言え、〖空間転移〗の魔法を使えば、すぐに合流出来るのだから、別にお留守番でも問題ない。
あとは、クズハとローラは晩ご飯の時にでも聞けば良いだろう。
◇◆◇◆◇◆◇
「って、事なんだけど…クズハはどうする?」
あれから少し時間が経ち、晩ご飯の時間になったのでクズハに聞いてみた。
「そうですね…ご主人様のお邪魔でなければ一緒に行きたいと思います。」
後はローラだけなのだが、そのローラは…と言うと。
「主、もう食べて良い?ねぇ、もう食べて良いでしょ?ねぇ、ねぇってば~!」
そう、怒られるのが嫌で逃げていたローラも、当然ながら晩ご飯の時ともなれば、自然に顔を出す。
まぁ、食いしん坊のローラが、クズハの力作である晩ご飯を食べないと言う選択肢はないのだが。
それ故、『ご飯ですよ~!』と言うクズハの声に急いで食堂へ来たローラは、早々に御用となり、今は罰を受けているのだ。
もっとも、罰と言っても、それほど厳しい罰ではない。
ただ、犬の躾でも有名な…所謂、『待て』である。
その為、晩ご飯を前に、ローラは涎を垂らしながら尻尾を激しく振り、更には『クーンクーン』やら『キューンキューン』やら鳴いている。
よく見れば、涙も目に溜めている様だ。
「ご主人様、そろそろ許してあげたらどうですか?」
プリンも、何時までもローラにお預けをしているのが可愛そうになったのか、フォローしてくる。
「そうだね…ローラ、約束破ったらどうなるか分かったか?」
「うんうん!だからご飯、ご飯~!」
絶対に反省してないだろ…と言う思いが、みんなの頭を過ぎるが、流石に、これ以上は動物虐待になりそうなので仕方なく許してあげる事にする。
まぁ、いつもの串焼き屋で、財布を忘れツケで食べたのはアレだが、ツケで食べられるかどうかは信用問題による物…。
その店主が良いと言っているのだから、約束を破って大量に食べたとは言え、今回はこれで許してあげるのも良いだろう。
「仕方ない…今度から、ちゃんと約束を守るんだぞ?」
僕はそう言うと、ローラに『良し!』と合図をしてローラに晩ご飯を食べて良いと許可する。
ローラはそれにより、お皿を抱える様に抱き込むとガツガツと音をたてながら勢いよく食べ始める。
正直、行儀は良くないと思うが、今のローラは犬…もとい、狼の姿なので問題ない…と、自分に言い聞かせる。
「で、ローラはどうするんだ?」
「ガツガツ…強いヤツ…ガツガツ…いる?」
うん、食べてる時に声を掛けた僕が悪いのかも知れないが、食べながら喋るのはお行儀が悪すぎると思うぞ?
「いや、先ほども言ったが、スライムの調査だからね?
強いヤツかどうかは…それを調べに行く訳だから、まだ分からないぞ?」
「ガツガツ…なら、強いヤツがいたら喚んで…ガツガツ…。」
まぁ、予想通りと言えば予想通りの反応だ。
強いヤツと戦うのは楽しみだが、その反面、調べたりするのはしたくない…か。
出会った頃から変わらずな行動原理だ。
だが、それがローラだからなのか、フェンリルと言う種族の特徴なのかまでは分からないんだけどね。
「そっか…なら、行くのは僕とプリンとクズハの三人だな。
なら、ご飯を食べ終わったら、お風呂に入って寝るとしよう。
さて…今日は誰の番だっけ?」
「私ですよ、あなた♪」
頬を赤く染めながらプリンが僕の問いに答える。
そうか、今日は、プリンの番だったか…。
「あ、明日は調査だから、お手柔らかに頼むよ、ははは…。」
僕はそう言うと、ご飯の残りを急いで食べ終わると、プリンに連れられてお風呂に向かう。
そう、誰の番とは、夜の営みを行う順番の事で、今日は相手はプリンとの事。
明日の調査に響かなければ良いが…と一抹の不安を抱えながら、僕達はお風呂へと向かったのだった…。
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