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~第七章:魔神復活編~

240ページ目…襲撃?いえ、テンプレです【2】

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 盗賊団を捕まえた僕達は盗賊の賞金を貰う為に、とある村で一泊する事になった。
 さて、ここで問題《Q》です、『明後日・・』に賞金が貰えると言った約束だったのに、『|一泊《・・』なのは何ででしょう?

 答えA…捕まえた盗賊団がいなくなったなったから。

「これはいったい、どういう事なんだッ!!」

 次の日のお昼過ぎ、村役場に顔を出した僕達の前に…おそらく聖王都から来たと思われる兵士に村の警備隊と思われる者達が、大きな声で怒られているを発見した。

 そんな中、昨日、盗賊団を預けた役場の人が僕達の姿を発見すると急ぎ足で近付いてきた。

「た、大変申し訳御座いません!実は、昨日お預かりした盗賊団が全て逃げ出してしまったのです!」

 との事…まぁ、普通で考えればあり得ない事なのだが、盗賊団が逃げ出したと言うなら、誰かが手引きしたのだろう。

「ちなみに、何時、逃げ出したんですか?」
「それが…昨夜、交代時間の時に逃げ出した様で…牢屋の鍵が何者かに開けられていたみたいなんですよ。」
「…昨夜、逃げ出したのに、今まで気が付かなかったんですか?」

 夜中に逃げ出したのであれば、お昼まで気が付かないのは可怪しな話である。

「え、えぇ…交代した見張りの者も一緒にいなくなっていた為、気付くのが遅れてしまいまして…。
 それで、『聖王都』より兵士が来た時に発見されると言う失態を…。」

 と、役場の人が言う…だが、果たしてそんな事が可能なのだろうか?
 盗賊団の数は15人以上…さらに見張りの人は2人いたらしい。
 つまり、17人もの人が、夜とは言え、誰にも見付からず村から出ていったと言うのだ。

 当然ながら、村の周囲には魔物対策として、それほど頑丈ではない物の囲いがある。
 その為、村から出るには、村の出入り口である門の所から出るのが一番早い。

「つまり、盗賊団と村は繋がっている…と、言う訳ですね?」

 と、僕の後ろにいたプリンが、僕の考えを口に出して言う。

「そ、そそそ、そんな事は無い!まるで、故意に逃がしたと様に言うのは、心外だ!」

 何故か、明らかに動揺しまくる役場の人…コレ、もうアウトじゃね?
 とは言え、何も証拠がないのだから問い詰めるのは難しい…なので、面倒事は、無しにしようと思う。

「分かりました、では、盗賊団を逃がした不備も含めて…そうですね、盗賊団、一人頭金貨2枚…合計、金貨30枚の賞金を頂ければ、僕達は不問にします。」

 と、役場の人に言う。
 まぁ、盗賊団の方は、当然、死刑か犯罪奴隷となるが、人殺しをしていなければ鉱山とかの過酷な重労働になる事はないので、犯罪奴隷として売りに出されても一人頭、金貨5枚もあれば買えるであろう。
 つまり、その金額の半分以下での取引であれば、仮に村と繋がりが無かったとしても、損はないはずだ。

「ほ、本当に、その金額で良いのですか!?」
「はい、ですが、こちらもそれほど時間がありません…出来れば、今すぐ払っていただけると助かるのですが…。」

 相場よりも格安の条件を出した僕に、気持ち悪い笑顔を向けると、取り繕う様に慌て出す役人さん。

「ち、ちょっと待ってて下さい!今、上の者に確認してきます!」

 そう言うと、慌てて奥の部屋へと入っていく。

〔ご主人様、良いのですか?〕

 僕の提案に、プリンが念話で聞いてくる。

〔あぁ…もう、こんな茶番に付き合うのは面倒だし…それに、ここの村が盗賊団と関わりがあるとしたら、騎士たちが『聖王都』に戻って報告すれば、流石に国も重い腰を上げて動くだろ。
 それに盗賊を捕まえる時に感じた事だけど、僕自身、まだ力の制御が上手く出来ていないからね?
 此処で下手に動くと、被害がとんでもない事になると思うんだ…。〕
〔確かに、それもそうですね…。〕

 と、プリンも同意する。
 もちろん、クズハも同意してくれている。

 そう…〖魔神〗の影響で、今は力を制御する為に無理矢理力を押さえつける様にしているだけで、下手に動こう物なら力が漏れ出て、とんでもない事になるのだ。

 その為、盗賊団と対峙した時、軽く威圧しただけなのに全員気を失う事になったのだ。

 そして、数分後…。

「で、では…賞金の金貨30枚となっております。」

 そう言って、冷や汗を垂らしながら僕に金貨の入った袋を渡してくる役人さん。
 その態度に思わず、つい笑ってしまいそうになる物の、そこはグッと堪えると僕達はその袋を受け取ると、役場の外へと出て行こうとする。

「そ、そうだ…あ、あの馬車は何処で手に入れたのですか?」

 それを見た役場の人が慌てて声を掛けてくる。
 いや、だから、何でこのタイミングで墓穴掘るかな…。

 僕達は、この村には歩いて・・・入ってきたのだから、尋問する兵士が来る前に『車の存在』を知る機会はないんだけど…頭、大丈夫ですか?
 とは言え、知らないと言うと嘘になるので誤魔化す事にしよう。

「馬車ですか?ちょっと教える事が出来ませんね…そもそも、僕達は冒険者ですから、詮索したらダメですよ?
 では、これで失礼します。」

 そんなやり取りをした後、役場を出た僕達は、たまたま『聖王都』で顔見知りになった兵士が役場の前に待機していたので、これ幸いと声を掛ける事にした。

「お疲れ様です。」
「ん?あぁ、君達か…何でまた、こんな何もない様な村に滞在してるのだい?」
「そちらこそ…って、例の盗賊団ですか?」

 もちろん、分かっていっているが、偶然を装って言った。

「何だ、もう知っているのか?いや…もしかして、君達が捕まえたのか?」
「はい…ちなみに、どうもこの村は盗賊団と関わりがあるみたいですよ?」
「な、なんだってッ!?く、詳しく教えてくれ!」

 両肩をガシッと捕まれ、説明を求められる…まぁ、一部、秘密にしてはいる物の、根拠を聞いた兵士さんは、そのまま隊長上司へと報告。

 そして、隊長の指示の元、急ピッチで調査を始め関係者を次々に確保。
 更には、隠れていた盗賊団も纏めて、お縄にして『聖王都』へと引き返していったのである。

 ちなみに、顔見知りの兵士に与えた情報の報酬は、僕達の冒険者ギルドの口座に振り込んで貰う事にして、その結果を待たずにメルトの町へと向かっていたので、結局、村には一泊しただけとなり、盗賊団がどうなったとか言う結果はメルトのギルドマスター、ラオンさんから聞いたのであった、チャンチャン…。
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