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~第六章:冒険者編(後期)~

210ページ目…合流

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 僕の合図で、プリンとクズハ、そしてローラは、自分達の装備…生きてる鎧リビングメイルでもあるドラゴンを受け取ると、当初の予定通り、自分の担当する拠点へと向かう。
 そんな中、プリンだけは、一度、此方こちらに戻ってくると、僕に改めて『行ってきます。』と伝え、僕の唇に自分の唇を合わせ、頬を染めながら自分の持ち場へと走っていった。

「って、何時までもボ~っとしてたらダメじゃんッ!?僕も持ち場に行かなきゃ!」

 プリンの突然の行動に、暫くの間、僕は惚けていたが我を取り戻すと、自分の持ち場へ向かうのだった。

◇◆◇◆◇◆◇

「で、遅刻したと?」

 僕が自分の持ち場に着いた時には、既に冒険者ギルドの面々は集まっていた。
 そして、僕が最後だった訳で…何故か、遅刻を責められる事になっている。

「いや、だけど、遅刻って言われても、待ち合わせまでは、まだ少しありますよね?」

 と、僕を責めて来たリーダー格の冒険者に言う。
 おそらくは、此処を指揮する様に、ギルドマスターから言われてきているのだろう。

「あぁ、確かに待ち合わせ時間までには…な。
 だが、あんたは何の打ち合わせも無く、そのまま戦って連携が取れると思っているのか?
 そもそもな話、俺達は、あんたの事は名前以外、何も知らないんだぞ?」

 と、正論を言ってくる。
 だけど…プリンにしろクズハにしろローラにしろ…そして、アリスまでもが、戦闘中、僕と相談しなくても連携は問題ない様に思える。
 だからこそ、僕は、この世界では連携と言うのは、誰とでも特に問題なく出来る物だと思っていたのだ。

「す、すいません、僕のパーティーだと、いつも何の相談も無しに連携出来た物ですから、他の人達との連携について相談する必要があると言うのが頭から抜け落ちていました。
 本当に、すいませんでした!」

 と、僕は素直に頭を下げる。
 もっとも、素直と言っても、既に言い訳が入っている時点で、正直アウトな気もするが…。

「チッ!まぁ良い!今は、時間があまりないから今日の所は許してやるが、今度からマジで気を付けるんだな!
 じゃないと、後ろからブスリとなっても文句言えないぞ!」

 と、低レベルな脅しをしてくる。

「そ、それは確かに怖いですね、でも、後ろからブスリって…それって普通は生きていないから文句言えませんよね?」
「ん?そう言うやそうだな!上手い事言うじゃないか、ハッハッハッ!」
「いや、それ笑い話じゃない様な気が…。」
「まぁ、細かい事は気にするな!そんな事より、本気マジで最低限の打ち合わせしないと、どうなっても知らんぞ?」
「ハ、ハイ…。」

 僕はソレだけ呟くと、リーダー格の冒険者に付いていき、他の仲間の所へと向かうのだった…。

◇◆◇◆◇◆◇

「さて、最後の一人が来た訳だが…これから連携を取る上で重要な事がある。
 そこで…だ、悪いんだが、あんたのステータスを見せて貰う。」
「はぁ…って、何でステータスを見せないといけないんですかッ!?」
「ギルドマスターのクラウスさんに、あんたの下で動く様に指示されたが、正直、俺達はあんたを信用してない。
 そもそも、自分より弱いヤツに命を預けれないからな。
 だから、お前さんが何処まで強いかを教えて貰おうと思ってね。」

 男はそう言うと、僕に見た事もない小さなカードを渡してきた。

「これは?」

 僕が尋ねると男はニヤリと笑い説明を始めた。

「これは、所謂いわゆる、簡易式のステータスボードだ。
 簡易式とは言え、少なくとも最低限の情報は見れるからな?
 その為、他のパーティーと組んだりする時、〖鑑定〗持ちじゃない冒険者には必需品とも言えるな。」
「つまり、コレを使って僕のステータスを見ようって話ですか…それで、使い方は?」
「ほぅ…あんた、ステータスを見せるのを戸惑わないのか…。
 なら、そいつを持って『ステータスオープン』と言えば、後は勝手にあんたのステータスを表示してくれる。」

 へ~、そんな簡単に他の人に見せられるのか。
 そう言えば、ここの所、全くステータスの確認をしていなかったな。

 雑魚をちょくちょく狩っていたから、ある程度は能力が上がってるとは思うが…。
 何処まで表示されるのか分からないが、この簡易式のステータスボードに、ちょっとだけ興味が出てきた。

 僕は、男から受け取った板を握りしめると。男が説明した様に『ステータスオープン』と呟くのだった…。
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