～僕の異世界冒険記～異世界冒険始めました。

～第五章：ダンジョン開拓編～

131ページ目…初めてのダンジョン作成【4】

　第5階層の守護者…これには、僕お手製のガーゴイルを配置する。
　とは言っても、ダンジョンに吸収させて複製したのだから、正確には、僕のお手製と言って良いのか微妙だったりする。

　ちなみに、このガーゴイルと言う物は、怪物やライオン等の動物を形取った彫刻が魂を持つ事によって、魔物となった物を言う…らしい。
　ちなみに、ガーゴイルは魔法生物の一種だが、どちらかと言うとゴーレムに近い性質を持つみたいだ。
　ただし、このガーゴイルに使っている素材が問題だったりする。

　ダンジョンと言うのは階層が増えれば増えるほど、魔素マナの濃度が濃くなっていく。
　また、魔素を吸収して、より硬く、より強固になっていくダンジョンの壁も、同様に壊れ難くなっていくのだ。
　その為、下層に行けば行くほど、強い魔物が壁を攻撃しても壊れなくなっていく仕様のようだ。

　そんな特殊なダンジョンの壁…しかも、第5層の壁を素材として作られたガーゴイルであるのだから、1階層などと比べると、簡単には壊れる事がないのは分かって貰えると思う。

　ただし、この階層を守るガーゴイルは、魔法やら特殊な攻撃をする能力はない。
　その為、単純に物理攻撃をしてくるだけなので、攻撃を躱し、その防御力を超えるだけの攻撃を仕掛けられるのならば、硬いだけの敵なので、ある意味では倒しやすい敵ではあると言える。

　また、ガーゴイルを無事に倒せたとしても、第6層からは上級者向けのダンジョンになる予定なので、こちらの壁にも『この先、上級者向けダンジョン、よって、命の補償無し、命が惜しくば直ちに引き返せ！』と警告を書いておく。
　まぁ、ダンジョンなのだから、例え1階層でも最初から命の保障は出来ていないのだが…。

　これで、ヤバイと思って引き返すなら御の字、警告を無視してダンジョンを進むのであれば、自己責任と言う事で…死んだら死んだ時である。

　では、第6、第7階層は…と言うと、今までの階層に比べて、かなり広い階層にする。
　何でもダンジョン核コアが言うには、ダンジョンの中なのに、外の様に空があり、太陽やら雲、雨が降ったり雪が降ったり出来るらしい。
　まぁ、そんな仕様に比例して、ダンジョンポイントも結構消費するらしいので、残りポイントが半分を切ってる現時点では、あまり無茶は出来ないのが現状、外の様にするのではなく、ただ広いだけのMAPになっているが我慢してもらおう。

　そもそもな話、まだ改造途中なのだ。
　外装に関しては、ダンジョンポイントが貯まってから、おいおい改造すれば良いだろうが…。
　とは言え、ここからが本番なので外装はともかく広さだけは確保したい。

　まずは、第6階層コレに関しては、5km×5kmの大きさに…第7階層は3km×3kmにする。

　そして、第6階層には草原やら森みたいな場所を作り、今まで以上に強い魔物を配置する。
　その中には、オーガやオークの他にもゴーレム等も設置するほか、ソルジャー、ファイター、アーチャー、メイジ等の強化型も設置する。
　但し、ジェネラルやキングと言った上級の魔物は出ない仕様である。

　第7層は、沼地を用意する。
　そして、沼地と言えば、有名所で言えばリザードマンなんかは欠かせない。
　それ以外にも、半漁人や蛙や蜘蛛系の魔物、さらに蛇系の魔物なども用意する。

　ただし、アラクネやらナーガ、メデューサ等の有名所の上位種は第8、第9階層に配置する事にするつもりなので、それらは当然、この階層には出てこない。

　ってな訳で、次は、この階層からドロップする物を考える。
　とは言っても、ダンジョンポイントDPに余裕がないので、それほど大した物は用意出来ないのだが…まぁ、上級者ダンジョン仕様にしているので、まずは回復薬ポーションからだな。

　なので、この第6、第7階層からの回復薬は、全てでは無いが、初級ではなく中級の回復薬に変える。
　正直、この回復薬だけでも市場では金貨数枚はするのだから、運が良ければ、一財産稼げる事になる。
　それから、ここからは、冒険者が身に付けていた装備品もドロップ品にする。
　前にも言ったが、修理や加工すれば十分使えるし、何よりダンジョンポイントを消費しなくて良い。

　ついでに言うのであれば、僕のお小遣いになるお金も少しならドロップ品に混ぜても良い。
　それに、冒険者の中には、ちょっとした魔法道具を持ってくる物がいる。
　そう言う物に関しては、〖神眼〗で見れば、即座に効果等が判別が可能なので、僕が不要と思った物はドロップ品として返還すれば、それが噂になって人が集まるかもしれない。

　そして、第8、第9階層…ここからが一番の問題だ。

　何故なら、第10層の守護者を倒された場合、このダンジョンを奪われる可能性があるのだ。
　そうなれば、今までの苦労が水の泡になる。
　ましてや、投資として僕が魔物を倒して手に入れた魂をダンジョンに使っているのだ。

　つまり、無料タダで手に入れたとは言え、既に、それなりの元手が掛かっている以上、損はしたくない。
　と思うのは、誰でも同じだろう。
　なので、ダンジョンの大きさも十分な大きさにして、魔物も強い物を…と考え、第8層の大きさを10km×10kmで作った。

　しかし、ここに来て重大な問題が発生した。

　それは、ダンジョンポイントの残りが、ほぼほぼゼロになってしまったのだ…。
　単純な話、幾ら弱い魔物とは言え、広いダンジョンに幾つも配置すれば、その分、ダンジョンポイントはどんどん消費されていく。
　また、ドロップ品を作り出すのにも同様だ。
　何より、一番の原因、それは…今現在、改造途中と言う事もあり、ダンジョンに誰も入って来れないのだ。
　つまり、DPを使うだけ使って回収が出来ていない事になる。
　そして、補充しようにも、僕のストック分も殆どないので、ろくに補充が出来ない状態に陥った。

　仕方がないので、第8、第9、第10階層にはオリハルコンを使用したゴーレムやガーゴイルを配置して、そのゴーレムやを倒さなければ階段が出現しない様にする。
　まぁ、オリハルコン製のゴーレムなんて、普通の人には先ず倒せないのだが…何はともあれ、こうしてダンジョンポイントが無くなった為、これにて終了となったのだった…。